« 『図書館危機』 有川浩 | トップページ | 『クジラの彼』 有川浩 »

2007/02/14

『海の底』 有川浩

海の底 Book 海の底

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

巨大甲殻類の襲来に逃げ惑うことしかできない人間。

潜水艦「きりしお」内に閉じ込められることとなった、自衛官2名と子供たち。

「きりしお」内のいざこざと巨大甲殻類と戦う機動隊の長い五日間を描いた長編。

巨大ザリガニ、超こえぇ!!

もっと大きいフォントは無いのか?と思ってしまう程、声を大にして云いたい。

あまりの怖さにちょっと眠れなくなりました!!

ト、トラウマだ。物語は横須賀基地に謎の巨大ザリガニが大挙してやってきたことから始まります。突然変異で巨大化したザリガニ・レガリスは、桜祭りのため基地内に集まってきた住民たちを喰らい尽くす。事態を自衛隊に速やかに引き継ぐため、決死の覚悟を決め巨大ザリガニに挑む機動隊と、襲来の際に逃げ遅れ、基地内に停泊する潜水艦「きりしお」内部に閉じ籠った少年少女の物語を軸に本作は描かれます。

有川氏、いまのところハズレ無し。

こんな非現実的な設定(こんなことが起こって欲しくない希望を込めて、敢えてこう云う)持ち込んでこられて、ドン引きどころかのめり込んじゃいました。有川氏は褒め言葉として思考がぶっ飛んでますね!す、好きです。

「きりしお」内部に閉じ込められた少年少女が、お約束どおり一癖も二癖もある連中ばかりで。そんな彼らの成長の物語であり、そんな彼らを守る自衛官2人の成長の物語でもあります。自衛官の2人は図書館シリーズの堂上&小牧を彷彿とさせるナイスコンビです。むしろこちらがプロトタイプか。夏木なんかは、堂上様が切り捨ててしまった部分を後生大事に抱えてる感じで、郁に近い部分も持ってますねぇ…って、こっちがプロトタイプなんだって。

しかし、圭介(ジャイアン系悪ガキ)なんかは、普通にムカついちゃいましたね。いや、お約束どおりの配置なんで、こういう悪態をつくお子様が居ないと始まらないのですが、どうしてそこまで子供でいられるのか?と。そんな圭介の対称として描かれる望にも、どうして子供であろうとしない?とちょっとムカついちゃいましたし。子供であることを終えた私からしてみれば、そのすべてが羨ましいのだと思う。寄り添わせてくれる大人が居て、その傘の下である程度の自由が与えられている子供という存在。その過去の時間がきっと羨ましかったのだと思う。今回の傘(夏&冬)は若干、パンチが強すぎたようですが。

そして、機動隊の面々。私、あんまりその気は無いのですが、今回は云いましょう。

オヤジスキー!

いやぁ、敢えての壊滅を宣言し、頭を下げた烏丸。明石も含めて、全体を見渡すことのできている指揮官の下で働くってのは良いですねぇ。そこに存在する信頼関係も。有川氏はこういうお約束の関係をさらっと描いてくれるので、私の琴線に触れます。しかし、自衛隊(というか内閣)は一体全体なにをやってたんでしょうねぇ。『海の底』を読んで、阪神大震災の際のお粗末内閣を思い出しました。あぁ、そういうことね、と。自衛隊合憲違憲について語る気は毛頭ございませんが、自衛隊という名から読み取れるものがあるでしょう?と云いたい。きっと有川氏もそれを云いたかったのだと思います。

さて、どうやら有川氏新刊『クジラの彼』は、冬原のラヴが描かれている模様。『海の底』ラストの締めくくり方が最高に乙女だっただけに、期待しちゃいます。実は『図書館危機』といっしょに購入済なだけに、期待大だがん!

|

« 『図書館危機』 有川浩 | トップページ | 『クジラの彼』 有川浩 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/5312350

この記事へのトラックバック一覧です: 『海の底』 有川浩:

« 『図書館危機』 有川浩 | トップページ | 『クジラの彼』 有川浩 »