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2007/01/13

『マレー鉄道の謎』 有栖川有栖

マレー鉄道の謎 Book マレー鉄道の謎

著者:有栖川 有栖
販売元:講談社
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旧友との再会に喜ぶ火村&アリスの前に立ちはだかったのは…

やっぱり殺人事件!!

日本だろうが、マレーシアだろうが、犯罪は彼らを休ませてはくれないのだ!!!

「日本推理作家協会賞」に輝いた、バリ本格作品。と、とにかく厚い!!作家アリスシリーズ最長不倒ではなかでしょうか?そして、こんなに厚いのに、本棚で見つけることのできなかった私って…というわけで、わざわざ書店に向かい文庫版を購入して挑む本レビュー。ノベルス版が本棚のどこかに眠っているはずなのに…。

というわけで、『マレー鉄道の謎』を読むのは今回が2度目です。本棚のどこに収納してあるのかもわかりませんし、犯人が誰だったのかもトリックがどんなだったのかも、誰が殺されるのかもさぱーりです。初読の心持ち。でも、日本を脱出しても火村&アリスは殺人事件に見舞われるわけね…と哀れに思ったことだけは、鮮明に思い出せます。

今回、火村とアリスは大学時代の旧友・大龍がキャメロン・ハイランド(マレーシアの軽井沢)で経営するホテルに婚前旅行へ向かう。見慣れぬ景色と新しい出逢いにリフレッシュする間もなく、遭遇するのは殺人事件。しかも、旧友・大龍が犯人として目されたとあっては、火村&アリスは黙っちゃいられない!!密室の謎に、飛び立つ飛行機というタイムリミット、ふたつの枷が彼らを束縛する。果たして、火村は旧友を助け、犯人を裁くことができるのか?

という内容です。まず、火村&アリス夫婦に共通の友人が居たとは驚き。彼らはもう、自分たちのコミュニティでよろしくやってたと勝手に思っていたので(これまで、アリスの作家友達は何人か登場しましたが、大学時代からの共通の友達というのはお目にかからなかったものですから)ちゃんと大学生ライフを楽しんでいたとは。まぁ、恋だの愛だのとは無縁だったご様子ですが。

さて、今回の火村の推理ですが…結構泥臭かったですね。犯人挙げるまで、難産でしたし(それじゃなきゃ、こんな厚さにはなるまい)。死体の発見されたトレーラーハウス内がガムテで目張りされていて…というオーソドックスな密室だったのですが、このトリックは容易に想像できました(きっと、前回読んだ際の記憶が奥底にあったためだと思いますが)。このトリックは手を変え品を変え、いくつかの作品で発表されておりますよね。一番印象深いのは三毛猫ホームズのアレです。アレは無茶苦茶だけど忘れられない。

そして、犯人と対峙し、最大のピンチを迎える火村&アリス。犯人の構える銃がモデルガンだと知りつつも飛び掛らずに、とにかく犯人を追い込んで追い込んで追い込んだ火村。あの姿勢こそ、犯罪あるいは犯罪者に対して、火村が取り続けてる狂気的なスタンス。火村は一体、どんな罪に苛まれているのでしょか?

そうそう、この『マレー鉄道の謎』は異国の地で起こった事件を扱っておりますので、登場人物の会話の約半数が異国語です。もちろん、異国語表記されているわけではないので普通に楽しめるのですが、なんとなく火村に(そしてアリスにも)後光が射している様に見えるのは、英語すらまともに習得できない私のやっかみでしょうか?いいもん、日本から出ずに一生を終えるもん。

というわけで(どういうわけだ?)、やっぱり作家アリスシリーズは短編だな…と、再確認した一作。美しすぎる推理に酔いしれたいヒムラーな私としては、もがき苦しむ助教授(アリスが助教授という英単語が浮かばず、プロフェッサーに勝手に昇格させた件が好きです)なんて、見たくない!本企画も『スイス』と『モロッコ』で終了。この2作は名推理目白押しですので、楽しみだがん!!

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コメント

初めまして。
私もミステリが好きなのですが、
たくさん読まれているのですね~。
私も最近この作品を読みました。
私はトレーラーハウスの屋根が外れるのかと思ってました(^^;)
三毛猫ホームズのトリックは確かに無理ありますよね・・・インパクトもあるけど。
もしよかったらこれからミステリのお話なんぞをしていきたいなと思っています。
またお邪魔しますね♪

投稿: 翠香 | 2013/03/25 21:34

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受信: 2007/02/12 17:04

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