« 『珊瑚色ラプソディ』 岡嶋二人 | トップページ | 『スウェーデン館の謎』 有栖川有栖 »

2007/01/04

『ロシア紅茶の謎』 有栖川有栖

ロシア紅茶の謎 Book ロシア紅茶の謎

著者:有栖川 有栖
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の夫婦コンビが挑む新たな謎は…

エラリィ・クイーンのひそみに倣った“国名シリーズ”!

期待するなってのが、もう無理!!

あけましておめでとうございます!

年末年始はトドのように“食っちゃ寝読書しちゃ寝”を繰り返し、読了本と体重を順調に増やしてまいりました、まじょ。です。今年こそはミステリブロ愚の名に恥じないように、精進を重ねてゆく所存でございます。

皆様、今年も宜しくお願い致します!!

というわけで、新年一発目のレビューは有栖川有栖の『ロシア紅茶の謎』でございます。新年&そろそろブロ愚一周年企画ということで、“有栖川 国名シリーズ一気読みレビュー”を開催!企画モノ、本当に好きねぇ。もちろんバナも作成しました(ブロ愚タイトル下に企画ショートカットとして使用中)。本当はどこぞの国の国旗を使ったバナを作成したかったのですが、そういうのはなにかの権利にひっかかるのでしょうかね?どちらの素材サイト様でもお見かけしなかったものですから。

というわけで、企画レビューは短編一作毎に細かくレビューしてゆくのが慣わし。カンパリマス。

「動物園の暗号」

有栖川作品に結構な頻度で登場する○○○トリック。『マジックミラー』あたりがその代表格かな?と思いますが、その○○○トリックをちょっと捻った形で披露しているのがこの「動物園の暗号」でございます。私は○○○を片手にバーチャル旅行(あっ、旅行って云っちゃってるよ!)をする趣味は無いのですが、地理専攻の友人にそんな崇高な遊びで淋しい夜をやり過ごすという剛者がおりました。でも、百聞は一見に如かずだとやっぱり思うんですよねぇ。でも、○○○とにらめっこして、「ひとつ暗号できたぞ!」と喜ぶ有栖川氏は可愛い。

でも、この暗号、とても印象に残ります。最後のオチはどうかな?やりすぎでは?と思いますが、センチメンタル・アリス(作中の有栖川有栖はカタカナ表記で)にはぴったりかも。私は道産子なもんですから、北海道の地名(あっ、地名って云っちゃってるよ!)について勉強させられた(能動的)ことがあるのですが、地名にはしっかり由来が存在するんですよね。だから、最近の統廃合で市町村がころころと地名変更を繰り返すニュースを見ると、なんだか哀しくなります。その土地の情景やら、かつての意義やら、互いの関係やらを端的に現した地名。そんな地名がこんなに素敵に連鎖した暗号。うん、印象深いです。

というわけで、まったく作品の内容に触れてないわりに、ネタだけはバラすという最低のレビュー。

「屋根裏の散歩者」

この作品は秀逸!『ロシア紅茶の謎』に収録されている作品の中で一番好きです。ミステリ好きなら、そのタイトルを見ただけで触手が動くってなもんです。江戸川乱歩へのオマージュもオマージュ、その設定を借りて有栖川氏が新たに創造する「屋根裏の散歩者」。本作は現代の郷田三郎が作り出した暗号を犯罪臨床学者が解く(解いてないかもしれない)ことが主軸となっているのですが、私は散歩者のユーモア溢れるそのセンスが好きですね。下品だけど。

そうそう、アリスと火村が並んで美容室カット…って構図はなかなかおもしろいものがありますね。三十路をとっくにまわったおじさん(『スウェーデン館の謎』で火村自身がそう云ってるからセーフですよね?)ふたりが美容室…せめて床屋にしてくれ。でも、このさりげなく挿入された美容室も重要なファクターになるっていうんだから、二度美味しいぞ、有栖川氏。

「赤い稲妻」

この作品も好きです。最後に火村があがく犯人を追い詰めるために切り出す“事実”が好き。このカード切られたら、もうぐうの音も出ないわ!っていう詰みをみせてくれる作品はいつでも好きです。

トリックも面白い。この作品は「いかにして密室は創られたのか?」が推理のキーとなりますが、トリックを解いて犯人を追い詰めるのではなく、トリックを推理の糧にして犯人を追い詰めるという、その構造が好きです。でもね、客人が来てるのにドアチェーンはやっぱり無いと思うの。

「ルーンの導き」

どんどんと作品毎レビューが短くなっているのは、ご愛嬌で(笑)

この作品は私が火村英生をヒムと呼ぶようになった記念の作品です。ただ、私のヒムは愛称のヒムではなくて「him」なんですがね。わかる方だけ、楽しんでください。

さて、この暗号は無理矢理ですねぇ。私、就職するのにまったく使えない資格をいくつか所有していて、その中に図書館司書ってのもあるんですが、暗号を解くための知識を所有していても、閃きがそこに存在しなければ暗号は解けない(無理矢理だとしても)という典型的作品。未読の方は、司書資格というヒントも頭の隅に置いて取り組んでみてくださいませ。

そうそう、この作品を読んで久しぶりにタロット占いに行きたいなぁと思いました。気に入った絵柄のタロットに出逢ったら、いつか買おうと思って早○年。

「ロシア紅茶の謎」

表題作です。この作品の火村はいつにも増してキザったらしい(トリックを明かしたあとの決め台詞が)のですが、そんなヒムも素敵。でも、すでにトレードマークとなりつつある白いジャケットについては、いつもどうかと思います。

さて、この作品は毒殺に用いられた青酸カリ容器はどこに消えたのか?という、ミステリ的お約束ネタです。でも、斬新。私が犯人なら怖くてできないところです。だって、容器の保管場所の○○によっては…ねぇ?最近、異常気象ですし。私は生まれて初めてこんなに雪の無いお正月を過ごしました。

そうそう、DNA鑑定の件なんですが、私の認識では○○ではDNAの検出ってできないはずですよね?血液型は検出可能ですが。火村の仕掛けた罠。その罠に犬猿の野上刑事が阿吽の呼吸でのっかった、あの瞬間が私は好きです。

あと、有栖川氏も仰っているように、あの歌詞はダサいと私も思います。作家は作詞には向いていないのでしょうか?森博嗣氏の『詩的私的ジャック』で披露された歌詞も超微妙だったし。

「八角形の罠」

レビュー、最後の作品です。本作はミステリーステージツアーと銘打たれた犯人当てゲームのために書き下ろされた一作。う、うらやましい。一度はミステリーツアーに参加したいと常日頃願っている私。ちょっと前には名探偵コナンのミステリーツアーなんてのもありましたよね。超参加したかった。関西の方が、そういった企画が多いような気がしませんか?是非、北海道でも。

というわけで、私としては作中アリスの執筆した「八角館の殺人」(探偵役は江神さんじゃなくて島田潔ですか?)にも興味ありありなんですが(笑)

本作のネタは「消えた凶器」です。私の嫌いな○○ネタなのですが、しっかりと口封じしてくれている(それでもって、ボロを出す)という王道なので許す。でも、凶器が跳ね返ってピックアップできなかったらどうするつもりだったんだろう?とこの作品を読むといつも思ってしまいます。まぁ、解けなかったひがみでしか無いんですけれど。

というわけで、えらく長いレビューとなってしまいました。次回『スウェーデン館の謎』は長編なので、息抜きにさっぱりとしたレビューにしよう。そうしよう。それでは、皆さま、スパシーボ!!

|

« 『珊瑚色ラプソディ』 岡嶋二人 | トップページ | 『スウェーデン館の謎』 有栖川有栖 »

コメント

森馬鹿、特にS&M馬鹿と言いましょうか..そんな私でも、唯一理解できないのは詩的私的ジャックの歌詞です! 嬉しい同じこと思った人がいて あっ国名シリーズですね やっとシリーズ1作目を読み、ん〜長編のが好きとあっけなく思ってしまいました(泣)

投稿: きりり | 2007/05/31 02:01

☆きりりさん☆
『詩的私的ジャック』の歌詞は本当に微妙ですよね!メロディに言葉をのせる…というのは、本当に難しいのでしょう。というか、今回や『詩的私的』の場合はメロディが無いから微妙にならざるを得ないのか…とにかく絶句してしまうセンス。
きりりさんも有栖川は長編ですか!この声、本当に多くって、きっとそちらが主流なのだと思うのですが…有栖川の長編は無闇に…もにょもにょもにょ。自粛しときます。夜道も歩ける生活を送りたいので(笑)

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/06/03 00:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/4796651

この記事へのトラックバック一覧です: 『ロシア紅茶の謎』 有栖川有栖:

« 『珊瑚色ラプソディ』 岡嶋二人 | トップページ | 『スウェーデン館の謎』 有栖川有栖 »