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2007/01/05

『スウェーデン館の謎』 有栖川有栖

スウェーデン館の謎 Book スウェーデン館の謎

著者:有栖川 有栖
販売元:講談社
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次回作の取材のため、雪深い裏磐梯を訪れたアリス。

かの地で出逢ったのは、美しくも儚いルシアと、魅力的なカイバル海豹。

起こった犯罪のすべてを知るのは…降り積もる雪のみ。

“有栖川 国名シリーズ一気読みレビュー”第2作目はもちろん『スウェーデン館の殺人』でございます。国名シリーズは既に8作出版されておりますが、うち6作が短編、2作が長編となっております。やっぱり有栖川を読むなら、長編は江神さん(学生アリス)、短編が火村(作家アリス)ですね。学生アリスの方が執筆スピードは速いけれども、作品としての完成度は職業作家のアリスが上手でしょうか。

って、学生アリスシリーズは作家アリスが執筆した作品群で、作家アリスシリーズは推理小説家を目指す学生アリスが執筆したものだというパラドックス説はどこまで本当なのでしょうか?私はかなり信じているのですが、有栖川氏がオフィシャルでこのお話をされてるのを読んだことないものですから。情報求ム。

さて、肝心の『スウェーデン館の謎』レビューです。既にここまでお読みの方ならお判りかとおもいますが、火村モノの長編って苦手なんです。火村の怪傑ズバットぶりがうまく活かされていないような気がして。ただ、本作は物語の半分過ぎてからの登場ですから、中編として読むことも可能かも。

しかし、アリスの「きてくれ。嫌な予感がする」って呼びかけに、大の大人が何コマか講義休講にして駆けつけるかね?(休講にしたって記述はなかったような気がしますが、遣りかねないものですから)だから、あらぬ噂が立つんですよ。ねぇ?

さて、トリックのお話。本作はミステリの王道も王道、足跡の密室(?)を取り扱った作品なのですが、うまくまとまっている反面、リスクが大きすぎるような気がします。離れのログハウスと本館(スウェーデン館)をつなぐ足跡だけでなく、林なり森なりへと逃げる足跡でも偽装しておけば良かったのに。ログハウス内に明らかな他殺体があるんだから、その方が自然でしょう。あるべき足跡が無いから、本館の人物が必然的に疑われるわけです。って、そこまでのミスリードはいらないのか。

そうそう、作中に挿入されているパズルは皆さん、解けましたでしょうか?私はこういうのからっきしダメなんですよ。とにかく奇抜な解答を狙おうとしてしまって。あの微妙な違いがパスラー的なのでしょうね。

って、やっぱり長編はレビューがのらない。読むのにも時間かかったもんなぁ。せっかくの企画レビューでございますが、このくらいで許してください。

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コメント

あけましておめでとうございます。ついに始まりましたね。有栖川企画。ひそかに楽しみにしていました。私はどちらかと言えばヒムラーですが、彼の風発言はごめんなさいという感じでした。私は長編の方が好きなんですけど、このスウェーデン館は微妙に色々と気になるところがありますよね。煙突とか煙突とか煙突とか。作家アリスと学生アリスがそれぞれの作品だというネタは「海のある奈良に死す」か「ダリの繭」あたりでそれらしい記載があったようなおぼろげな記憶が・・。学生アリスの方でもあったような気がするので公式設定だと信じてたのですが。どうなんでしょうね。

投稿: ソラチ | 2007/01/06 01:03

☆ソラチさん☆
あけましておめでとうございますっ!!
始めちゃいました、有栖川企画。すっかり更新サボリ気味の自分への戒めだったりもします、この企画。
作家アリスと学生アリスのネタは『ペルシャ猫の謎』で出てきました!作家アリスの作品には『月光なんとか』というタイトルのものが多いとのこと。『月光ゲーム』ですね!!
興に乗ったら、企画を延長して角川版アリスシリーズにも手を伸ばそうかと思ったり思わなかったり。『ダリ繭』も『海のある~』も、もう何年もご無沙汰なものですから…。

投稿: まじょ→ソラチさん | 2007/01/07 21:42

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