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2007/01/17

『天使のナイフ』 薬丸岳

天使のナイフ Book 天使のナイフ

著者:薬丸 岳
販売元:講談社
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国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい-そう告白した夫。

しかし、妻を殺害した少年たちが、何者かの手によって殺害されてゆき…。

果たしてこれは天罰か?罠か?

いまさら?本レビュー第1弾。今日から数日の間、いまさら?と思われるようなレビューが続くかと。私、図書館が好きでよくよく利用するのですが、予約数が10を越えるともう萎えちゃうんですよね。必然的に、話題作はほとぼりが冷めるまで待つため、年に数日はいまさら?本週間が出来上がるわけです。そして今週がその、いまさら本週間。

さて、『天使のナイフ』はご存知の通り江戸川乱歩賞受賞作。昨日発表されました直木賞(受賞作なし!!)なんかは、まったく信用していない私ですが、江戸川乱歩賞はかなり信頼しております。東野圭吾を生み出したのも乱歩賞ですし、『テロリストのパラソル』『twelve Y.O.』なんて私のフェイバリットも乱歩賞。本作『天使のナイフ』もフェイバリット作品に、堂々ランクインです。

いやぁ、12時に睡眠誘導本として読み始めた本作。読了は…真夜中3時。展開が気になって気になって気になって、すっかり興奮状態。眠れるわきゃねぇ。この展開は横山秀夫氏の『クライマーズ・ハイ』を読んだとき以来ですね。

二転三転するストーリーにすっかりやられました。こういうのに弱いんです。登場人物みんながみんな、そんなに少年犯罪に関わってるわけない…なんて冷静思考の私も居るには居るのですが、スピード感がその冷静思考を拭い去ってくれます。とにかく読ませる。

主題とした少年犯罪について、私の意見を述べるのは避けますが(とんでもないことになる。逃げだとは判っていても、今日は敢えて逃亡)作者が少年犯罪と真正面から向き合い描かれた作品だと感服。被害者側・加害者側、両サイドからのアプローチが作品を公正なものにしていて、中庸。加害者の少年が改心して、妙に良い人になっていたりしないところにもリアリズムがあります。

文章力などは、プロの目から見ると甘い箇所があるのかもしれませんが、ぐいぐいと読者を惹き込む作品の力がありました。やっぱり、江戸川乱歩賞はすごい。いまさら?本1作目にしてこのクオリティ。話題になるだけのことはあります。控えているいまさら?本にも期待が脹らみます。

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コメント

これは面白くて、うますぎて、最後の最後がくどくはないかと突っ込みを入れました
たぶん新作と比べてこっちの方が人気があると思うのですが、新作の方が私好み そちらも面白いので是非 あっでも図書館では激コミ状態の本ですよ〜辛いですよね 待ちが

投稿: きりり | 2007/01/17 12:19

☆きりりさん☆
薬丸氏に新刊(いまググってみました『闇の底』ですね!チェックチェックメモメモ)が出ているとは!!半年待ち覚悟で予約してこようかしら。
きりりさんは新刊の方が好みですか!それは、期待できる。図書館予約が200越えてたら、購入しちゃうかもです~。

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/01/17 20:02

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