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2007/01/22

『図書館内乱』 有川浩

図書館内乱 Book 図書館内乱

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
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図書隊員・笠原郁の敵はメディア良化委員会だけとは限らない!

ついに最大最強の敵、襲撃の時が!?

山猿、ついに田舎に帰る?

すっかり魅了されております、有川浩氏の図書館シリーズ。プチ旅行の復路で読み終えました『図書館内乱』レビューでございます。

『図書館戦争』では図書隊VSメディア良化委員会の激しいバトルが描かれておりましたが、『図書館内乱』では図書隊ゴレンジャー(玄田を除く若手メンバのことです)の内側を掘り下げた内容となっておりまして、図書館シリーズにすっかり参っております私には、嬉しい内容となっておりました。

まずは小牧二正のピュアラヴストーリー「恋の障害」。正論を振りかざす笑い上戸・小牧二正は『図書館戦争』に於いて、巧く中庸の取れた悪くないが深い印象は残らないキャラ(私は大好きでしたが)だったのですが、この「恋の障害」で見事にやってくれました。

「もう子供に見えないから困ってるよ」

名言だ!私の名言集、持ってきて頂戴!!ちなみに、私はここでも号泣。行きと帰りのバスの中、しめしめと泣く女ってどうよ…。しかし小牧ニ正、あんた男だよ。その潔さ、堂上にも見習わせてやって!手塚、小牧ニ正の爪の垢を煎じて堂上に飲ませてやりなさい!!しかも、互いの気持ちを通わせた後(「兄と弟」)の「迷惑じゃないから困るの」発言にもうっとり。このあたりまでは、小牧にすっかりお鉢をとられた感のある堂上教官。

そして、クールビューティ毒舌家・柴崎の過去を描いた「美女の微笑み」。柴崎を慕う謎の青年・朝比奈の登場が柴崎を揺れ動かします。しかし、優秀過ぎる柴崎。すべての発言は計算づく、自分の発する波紋がどんな影響を周囲に及ぼすかリスクとリターンを照らしての一言。どんな思考回路してるんだ、柴崎。そんな柴崎も、郁の前では形無しなんですがね。からかわれる柴崎を郁が助けたところでも泣いちゃうっていうんだから、すっかり図書館ワールドに傾斜しておりますね、私。

しかし、この「美女の微笑み」のラストが、作品全体のオーラスにしっかり回収されてくるとは思っておりませんでした。う、巧いな。あの時点で柴崎がすべてのカラクリに気付き、自らその歯車になっていようとは。こういう楽しませ方をしてくれるとは想像していなかったので、大人しく感服。

そして「兄と弟」。手塚兄はこれからじゃんじゃんやってくれそうですねぇ。メディア良化委員会なんかより、よっぽど手強そうです。手塚はエリート意識バリバリのただ嫌な奴かと思ってたら、いっきなり郁に告白かまして(しかも思惑見破られて尚恥ずかしい)どんどん面白くなってきてますよね。小牧の思惑通りにすっかり堂上班に馴染んじゃって。本人は不本意やもしれんが(いや、きっと楽しんでるな)。そんな手塚がこれからの(兄との)闘いの中で、どんな風に活躍してくれるのか。

そんな堂上班に最大のピンチが訪れる「図書館の明日はどっちだ」。これがもう最高でした。萌えポイントが詰まりに詰まった章。まずは、審問会に挑む郁。副司令に「エスパーか何かか!」と絶妙ツッコミを入れる郁に爆笑!泣いたり笑ったり、忙しく楽しませてくれる本だわ。そして、審問会後のベタ甘トークに萌え。堂上がお馴染みのなでなでをかまし(笑)その様子がUSBレコーダに記録されているのを知るや否やフリーズ。あの舌戦もじゃれ合ってるようにしか読めんよ。しかし、USBレコーダ作戦も最高でしたね。玄田のセクハラ発言に「条件的に無理があります」と返す堂上班。あんたたち、最高だよ!手塚もすっかり馴染んじゃって、よよよ。

そして、手塚兄に攫われた郁を助け出す堂上。お得意のなでなでが出たときの「お前、なに踵の高い靴履いてんだ」は笑いを堪えるのに必死でした。そんなに気にしてるか、身長を!!郁はもう、ハイヒール履けないやね。さらに、唐突に訪れる衝撃の真実。私の妄想していた明かされ方とは大分異なっていたのですが(既にそこまで妄想していたか…)まさかあの場面で終わるだなんて!!続きが気になって気になって気になって!!

というわけで、2月10日発売の『図書館危機』が兎に角楽しみで仕方がない現在。発売日(北海道在住がこんなに恨めしく思ったことはそうそう無い)に即日購入決定でございます。郁は堂上を前にどんな反応を示すのか。そして『危機』とは?手塚兄がまたもや何かを仕掛けてきそうですが、妄想も程ほどに『危機』を楽しみたいと思います。

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コメント

柴崎の隠された謎には仰天、なるほどこれだったらあれだけ情報通なのも分かるな~、と改めてプロットに感心しました。
ガラスの仮面を彷彿とさせる(笑)ラブコメの展開に悶絶。いやあ、続き気になる気になる。

投稿: たいりょう | 2007/01/31 07:48

☆たいりょうさん☆
毒舌家・柴崎の隠された任務には私も舌を巻きましたね!あぁ、ぴったりだよ柴崎…と。
たいりょうさんの“ガラスの仮面”のご指摘には唸ってしまいました!まさに!まさに!!私がここまでハマったルーツはそこでしたか!そりゃ、ハマるさ。真澄さま、大好きだもん。
ガラスの仮面の新刊がいつ発売になるのか、うずうずしているこの気持ちは『図書館危機』で発散させたいと思います☆

投稿: まじょ→たいりょうさん | 2007/02/03 12:49

読みました~。
ラブロマに萌えたぎってます(笑)。
キャラクターの掘り下げ、ラストへの収束、見事でしたよね~。
レビューのつっこみに拍手喝采でした。
これからが楽しみで楽しみで。
「危機」にも取りかかってます。

先日のコメント、“そして落ちてゆくんだ、きっと。”に笑っちゃいました。

投稿: 藍色 | 2007/04/18 15:20

☆藍色さん☆
本当に有川氏宣言通りの“ベタ甘ラブロマ”でサイコーですよね!!『戦争』はその勢いでグッと読者を惹きつけたましたが、『内乱』でキャラクタに造形を付けることで、その勢いをきちっと昇華させてくれました。そして『危機』…図書館は本当にどうなっちゃうんだ!!郁&堂上がきちーっと結ばれてくれよ!!!と、つい熱くなってしまうわけです。
あぁ、早く新刊が読みたいです。でも、新刊=完結なわけで…ファンとしてはかなり複雑な心境です。

投稿: まじょ→藍色さん | 2007/04/21 00:58

あれれ、「内乱」のトラバ、届いてませんでした?。
送ったと思ってたのですが…。
最近、ココログさんは届かなくなってるみたいなんです。
いまから再送しますけど、未着の場合は、そちらから送っていただけますでしょうか?。

投稿: 藍色 | 2007/04/21 23:18

☆藍色さん☆
どうやらご迷惑をおかけしたようで…ごめんなさい。
ココログ全体でスパム強化を施したようで、TBやコメントが届きにくくなっているようなんですよね。かくいう私もコメント投稿するときに、パスワード入力を求められたり。
こちらからTB送信させていただきましたので、ご確認ください~

投稿: まじょ→藍色さん | 2007/04/21 23:36

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