『冷たい校舎の時は止まる』 辻村深月
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冷たい校舎の時は止まる (上) 著者:辻村 深月 |
雪の降り積もる中、不思議な力で校内に閉じ込められてしまった8人。
そこは8人の中に存在する、自殺したクラスメイトが作り出した世界。
自殺を謀った仲間は一体誰なのか?
カテゴリもあって、ワード検索でご来場いただいている方も多いのに、レビューがたった1冊しかなくて申し訳状態でした、辻村深月氏。今日から辻村氏強化週間です。ただね、辻村氏の作品を読むと、若干鬱状態に陥るんですよね。連投可能なのか、自分。
さて、強化週間1作目はデビュー作であり、メフィスト賞受賞作でもある『冷たい校舎の時は止まる』でございます。メフィスト賞らしからぬ作風と上中下の3冊組という、剛の者ではありますが、おもしろい。
雪の降り積もる学校に、何者かの手によって集められた8人の高校生たち。彼らを結ぶキーワードは“クラス委員”と“自殺したクラスメイト”。しかし、8人の誰もが“自殺したクラスメイト”が誰だったのか思い出すことができない。8人の中にその“自殺したクラスメイト”はいるのか?そして、その誰かはなんのために8人を集めたのか?恨み?それとも、最期の時を過ごしたかったから?
そんな「自殺したクラスメイト当て」を主軸に描かれるミステリ部分と、人間誰しもが抱える“生きることへの苦悩”を描いた心理(精神)部分に分かれる本作。
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冷たい校舎の時は止まる (中) 著者:辻村 深月 |
辻村氏はそんな“悩みを抱えた若者”を書かせたら天下一品です。ちょっと重すぎる…という思いも抱かずにはいられないのですが、きっと8人の誰かには共感できる部分があると思う。ただね、主人公の深月ちゃん(主人公に自身の名前を与える…おぉ、エラリィ好きですか?)だけは、ちょっと重すぎると云いましょうか、被害者すぎると云いましょうか、読んでて苛々する場面が無かったとは云えません…。
そして、特筆すべきがミステリ部分。私はすっかり騙された口です~。えっ?これってアンフェアじゃない?と一瞬思わせましたが(えっと、自殺したクラスメイトの件の方です)あくまでも“ホスト”に関しては8人の仲間たちが考察(絞殺が変換1発目で出てくる私のPCって…ちょっと哀しい)した結果ですからね。その意味でフェア。
そして辻村氏が放つもう一発のトリック(写真に感じた違和感の件)。こちらがあって、あちらがあるのですが(あぁ、まどろっこしい!)このトリックには見事に騙されました。下巻にヒントがばら撒かれてますが、あの程度じゃ気付けないです。スガ兄の過去には普通に感動しちゃってましたし。私って、浅はかさん。
というわけで、ミステリとしても読み物としても充分納得の1作。処女作でこのクオリティを出してきますか!私とほとんど歳も変わらないのに!!と驚きの1作。辻村氏、いつか大物に化けますね。それも近いうちに。とにかくオススメの1作ですので、あの3冊組に倦厭気味の貴方にも是非お読みいただきたい作品です。
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冷たい校舎の時は止まる (下) 著者:辻村 深月 |
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