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2006/11/20

『クビシメロマンチスト』 西尾維新

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 Book クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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遅れること一ヶ月で大学生活を開始した僕。

そこに現れる馴れ馴れしいったらありゃしない女と、まるで鏡に映したかのような人間失格。

そして巻き込まれる絞殺殺人事件。僕の首を絞めるのは一体…誰だ?

プチ西尾維新祭…という名の、レビュー未作品消化試合です。

戯言シリーズは青色の活躍する巻のみ消化済という、趣味に走った読み方をしておりましたので、ここらでちゃんとレビューしておこうかな?と。でも、『ネコゾギ』上中下まで読むのかは未だ思案中。だぶんきっと読まない。

本作『クビシメロマンチスト』は未だ戯言シリーズ第二弾でしかないんですよね。すごいな、西尾維新。シリーズ終焉まで読みきった今だからこそ解るネタがところかしこに。しっかりとしたシリーズ全体像がこの時点で描かれていないと、こんなに伏線張り巡らしておけないでしょう?手の動くまま、キーを叩くまま任せていたのだとしても、漠然と創造しておかなくてはこうはいかないはず。どんな思考回路しているのかしら?

さて、前作『クビキリサイクル』ではこれでもかっこれでもかっ!と天才が登場しましたが、本作『クビシメロマンチスト』に登場するのは凡人ばかり。戯言シリーズの中で最もフツーにミステリミステリしている作品だと私は思っているのですが、いかがでしょう?

本作のキーパーソンといえる凡人は、やはり葵井巫女子。≪あのミステリ作家が新作予告、ただし「このミス」私の隠し玉!みたいな≫口調で(この巫女子節はいまなんとなく思いついて書いてみました)戯言遣いを煙に巻く不思議少女。彼女の狙いは戯言遣いそのものだと云うんだから驚きです。貴方、戯言遣いのどのあたりにシンパシィ感じたの?

『クビシメ』の最大お気に入りポイントはいーちゃんがその戯言を武器に巫女子と対峙する場面なんですが、確信犯であれだけの言葉を吐いてみせるいーちゃんはやはり素晴らしい。そうじゃなきゃ、いーちゃんじゃないよ。『人間ノック』で青色が「街」に見せた暴君っぷりのように、いーちゃんにとっても青色だけが特別。それ以外の好意なんてすっぱりあっさりばっさり断ち切って欲しいものです。

そして、人間失格と欠陥製品の邂逅。正直、初読のときはよくわからなかったのですが、『人間試験』に『人間ノック』に『ネコソギ(中)』を読んだ今となっては、あぁそういうことかぁと思う部分がありましたね。人識株、最近急上昇中ですの。

兎にも角にも、戯言で巫女子をぶった切るところから、いーちゃんの証拠隠滅のくだりまでが『クビシメ』で最もアツイ箇所だと思ってます。あの部分こそが『クビシメ』の真髄だと個人的に確信しておりますの。

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コメント

こんばんは、お邪魔さま。
自分的に、個々の巻では「クビシメ」がいちばん好きです。
TBやっちゃいましたが、古い記事でしかもフライングぎみ、みたいな!で、すみません。

投稿: hoy. | 2006/11/20 21:47

☆hoy.さん☆
『クビシメ』私も好きです~。基本的に青色スキーな私は、青色が出ずっぱりな巻の評価が自然と甘くなってしまうという難点があるのですが、青色の登場しない作品ではこの『クビシメ』が一番好きですね。
あっ、左サイドバーのBlogPeople(またの名を勝手にかつ一方的にLINK)にhoy.さんのブログを登録させていただきました!不都合さりましたら、ご連絡いただけると幸いです!これからもどうぞよろしくお願いいたします!!

投稿: まじょ→hoy.さん | 2006/11/20 22:30

こんばんは!
リンクありがとさんです!!
拙blogにもリンク張らせていただきとうございます。
ヨロシクです。

投稿: hoy. | 2006/11/22 22:04

☆hoy.さん☆
リンク承諾していただけてありがとうございます!
しかもhoy.さんのブログからもリンクしていただけるとは。紹介文読ませていただきました!腐れ外道街道まっしぐらの当ブロ愚にあんな素敵な紹介文、勿体無いです。嬉しいです~。

投稿: まじょ→hoy.さん | 2006/11/24 00:36

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受信: 2006/11/20 21:42

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