« 『顔 FACE』 横山秀夫 | トップページ | 『看守眼』 横山秀夫 »

2006/11/12

『出られない五人』 蒼井上鷹

出られない五人―酩酊作家R・Hを巡るミステリー Book 出られない五人―酩酊作家R・Hを巡るミステリー

著者:蒼井 上鷹
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

バー<ざばずば>に集う五人の男女。

そこに颯爽と登場する一人の死体。

<ざばずば>から出るに出られない五人は、その死体とどんな一夜を過ごすのか?

右サイドバー“掲示板?”でその存在を忘れられていた噂の一冊。それがこの『出られない五人』でございます。作者の蒼井上鷹氏は『九杯目には早すぎる』でデビューした期待の新人さんです。作風はドタバタコメディミステリ…でしょうか?とにかく登場人物がドタバタドタバタ。『九杯目~』に収録されている「タン・バタン!」のテーマがぴったりといった感じ。

作者が潜ます意図が深いんですよ。速読タイプ(ファジィタイプ)の読書をする私は、蒼井氏の意図をしっかり汲み取って読了することができないので、イマイチ楽しめなかったりします。あとは文章が苦手…かも。なんでしょう、シチュエーションコメディに大切なのは“読者に状況をはっきりと認識させること”だと思うのですが、この状況描写が私の感覚とリンクしないんですよね。この描写、どういう意味なわけ?と思うこと数回。もしかしたら数回どころじゃなかったかも。

そして、登場人物の豹変ぶりについてゆけない。人間誰しも複数の顔を持ち合わせているものですが、蒼井氏の描く人物は「あなた、詐欺師ですか?」と云わんばかり。うーむ、ひとりやふたりそんな人が混じっているのはかまわないのですが、全員が全員そんな人物ばかりっていうのもねぇ。せっかくのおもしろさが半減するような気がします。

しかも、五人の「出るに出られない理由」というのも、そんなに切羽詰ったもんじゃないですよね。「出られるけどできれば出たくない」くらいのもので。

本作一番の収穫はアール柱野でしょうかねぇ。アール柱野が実在すれば、その著書を是非とも拝読したいと思います。

というわけで、「悪くないけれどなんとなく合わない作家さん」になりつつある蒼井氏。私がもうちょうっと内容を噛み締めて読めば良いだけなのかもしれませんが。早くも三作目『二枚舌は極楽へ行く』が発売されておりますので、そちらも読んだ上でまた判断したいなと思ってます。

そうそう、“シュチュエーションコメディ”という点で射逆裕二氏と作風が重なるような気がしませんか?

|

« 『顔 FACE』 横山秀夫 | トップページ | 『看守眼』 横山秀夫 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/4149805

この記事へのトラックバック一覧です: 『出られない五人』 蒼井上鷹:

« 『顔 FACE』 横山秀夫 | トップページ | 『看守眼』 横山秀夫 »