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2006/11/18

『零崎双識の人間試験』 西尾維新

零崎双識の人間試験 Book 零崎双識の人間試験

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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殺人鬼・零崎一族の長兄にして斬り込み隊長・零崎双識。

自殺願望が“通り名なき可愛い弟”を探す旅の途中で出逢った可愛い妹。

彼女は果たして一族の希望たり得るのか?

『人間ノック』にすっかり感化されちゃって、『人間試験』の再読です。『人間ノック』が「意味不明の連中がただただ殺し合っている戦慄の小説」ならば、『人間試験』は「意味不明の連中がただただ殺し合っている中に描かれた家族の小説」です。新たな零崎の誕生、そして惜しいほど惜しい死。

舞織が双識の元に辿り着いた、あの瞬間がもう号泣なんですよ!

初読の際には、まさか西尾維新の小説で号泣してしまうとは…と、そりゃもうびっくらしました。

頬に刺青、運命の交差点で彼の道と触れ合ったが最期、当たり前のように殺す、通り名なき弟“零崎の中の零崎”零崎人識を、一族の長兄たる“自殺願望”がその気配を辿って探す旅の途中、出逢ってしまったのが本作ヒロイン・無桐伊織ちゃんです。零崎たる素質(性質)を持ちながらも、これまでの人生の中で誰ひとりとして殺してくることのなかったヒロイン。その“奇跡”その“希望”を彼女に見出しながらも、零崎であるにも関わらず巻き込まれてしまったトラブル。

トラブルについてはすべては“呪い名”の仕組んだこと…というオチです。まぁ、人識なら気まぐれで敵を見逃してやるくらいのことはしそうなものですので、諸手を挙げて賛成は出来かねます。長兄の手前、そう語っただけかもしれませんよ?それよりも重要なのが、人識の語る『欠陥製品』についての戯言。幼き頃から、いつか自分にとって大切な“誰か”に出逢うことを確信していた人識。その人識が出逢った『あいつ』のお話。それがたとえ零崎一族のコンビプレーを成立させるが為の、時間稼ぎの戯言であったにしても、戯言スキーにとっては聞き逃すことのできない戯言です。

いーちゃんは知らず知らずのうちに他人の運命を捻じ曲げて、自分の交差点内で事故を起こさせますからね。ある意味、石凪よりも死神です。

『クビシメロマンチスト』の巫女子ちゃんを彷彿とさせる、本作ヒロイン伊織ちゃんですが、彼女が覚醒し、死にかけの双識の元に辿り着いた際に、自らの止血なんて放り出して新たなる家族に駆け寄る双識。まさに“自殺願望”。そのふたりが醸し出す“零崎の家族の形”が最高です。「お兄ちゃん、独りじゃ、寂しいかなぁって」そう笑う彼女に、その嬉しさからかける言葉を失ってしまう双識。「妹を庇って死ぬなんて兄として本望じゃない。ねぇ、そうでしょ?お兄ちゃん」その台詞がすべてを表す、揺るぐことの無い零崎の家族愛。

たまんねっす!

普通にここで号泣しますからね。皆様、ご注意です。

孤独を知る者、孤独しか知らない者たちが集まった零崎コミュニティ。さぁ、零崎を始めよう-第三弾『零崎曲識の人間人間』がいまから楽しみです!

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