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2006/10/12

『ロミオとロミオは永遠に』 恩田陸


ロミオとロミオは永遠に Book ロミオとロミオは永遠に

著者:恩田 陸
販売元:早川書房
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日本人だけが地球に居残り、膨大な産業廃棄物の処理に追われる近未来。

少年たちは将来を約束された大東京学園の卒業総代になることを夢見ていた。

しかし、大東京学園はとんでもないところで…?

SFって苦手です…。

同じFでもファンタジーのFならOKなのに。

この『ロミオとロミオは永遠に』はタイトルに惹かれて手に取ってみました。あとは表紙ね。この表紙は読了後にじっくり鑑賞するのが良いかもしれない。傑作だと思います、表紙。

さて、肝心の中身なのですが、20世紀サブカルチャーを前面に押し出したオマージュ作品の本作は読んでいて思わずにやりとしてしまう場面が幾つも。日本だけが世界から取り残され、新地球に行くことができなかったという設定も、大東京学園に入学することで将来を約束されたいという希望を持つ少年たちも良い。でも、なんでまたあんなにも少年たちに苦行を強いるのか…。

学園が少年たちにリンチとも思える指導を行うことで、脱出したい!という思いを彼らが育むというストーリーは自然だと思います。でも、読んでいて気持ちの良いものではないよね…。あの弱いものいじめを喜んで読めるほど、人間腐ってないつもりです。あの環境に耐えられないから逃げ出したい!じゃなくて、逃げ出して「成仏」したいから脱出を試みる!というプラスの方向に持ってゆけなかったのでしょうか?大東京学園そもそもの目的が生徒を「成仏」させることでさ、「成仏」しても生きてゆけるように強い精神を育む…みたいな話だったら良かったのに。それを全面に押し出さなくても良いからさ、そういう裏テーマをね。校長だけが知っているんじゃなくて。

と愚痴ってみる。でも、「成仏」の先にあった未来は希望があって、好感持てましたね。彼らがこれからの新しい日本を作る。どんな日本になるのかは…彼らもわからない。そういう夢のあるラストって好きです。

ただ、ちょっと長いよね…。

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