« NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」 | トップページ | 『陰の季節』 横山秀夫 »

2006/10/09

『殺意は必ず三度ある』 東川篤哉

殺意は必ず三度ある

Book 殺意は必ず三度ある

著者:東川 篤哉
販売元:実業之日本社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

鯉ヶ窪学園探偵部が誇る三馬鹿トリオ…ならぬ“三馬鹿”ないしは“馬鹿トリオ”が繰り広げる推理合戦の先に見える真相とは?

ユーモアミステリの新鋭として頭角を現しつつある東川篤哉氏、待望の新刊。

真相にタッチ、犯人をアウト。

読書の秋ですね。北海道は秋を通り越して冬めいて来ましたが。ス、ストーブ着けてもいいですか?

さて、東川篤哉氏の新刊は「烏賊川市シリーズ」ではなく、久しぶりの「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」。実は私、こちらのシリーズの方が好きだったりします。探偵部が誇る三馬鹿トリオのテンポが良いですよね。「ポン!ポン!!ポン!!!三球三振、バッターアウト!」という感じで。

さて、この「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」は“三人寄れば文殊の知恵”よろしく、ひとりひとりの(推理)能力は平々凡々だけれども、三馬鹿揃えば…やっぱり平々凡々という、なんとも救いようのないシリーズです。惜しいところまではゆくけれども、いつも探偵役をラストで誰かに掻っ攫われてしまう悲しい三人衆。

ミステリのトリックとしては、なかなかおもしろいトリックだったと思います。犯人当てを楽しむ趣向として描かれている作品ではないし、叙述トリックもそんなにびっくりするようなものではないし。トリックを魅せたい作品だったのだ、と。本格のルールである「文中に虚偽の事実を織り交ぜてはならない。ただし、登場人物たちが錯覚している場合は除く」をうまいこと利用していたと思います。ただ、衝撃度が少ない。東川氏の作品はいつもそうだ。惜しい。

ユーモア本格ミステリ作家として、既に一地位を確立しつつある東川氏ですが、この作風は疲れませんかね?ブログという媒体で文章を披露するようになって改めて感じたのですが、常におもしろいことを織り交ぜよう!という姿勢は本当に大変。独りよがりになってはならないし、じゃあ万人を惹きつけるユーモアってなんなんだい?と。事実描写をただツラツラと書く方が、よっぽど簡単ですよね。お疲れ様です、東川氏。

|

« NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」 | トップページ | 『陰の季節』 横山秀夫 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/3739907

この記事へのトラックバック一覧です: 『殺意は必ず三度ある』 東川篤哉:

» 「殺意は必ず三度ある」東川篤哉 (ジョイ・ノベルス) [粋な提案]
敗退を続ける野球部グラウンドからベースが盗まれた。後日、練習試合中に、野球部監督が死体で発見される。混迷をきわめる事件に、お気楽探偵部員3人組が首を突っ込んだ。しょうもない推理合戦の先に待つもの...... [続きを読む]

受信: 2013/05/07 15:29

« NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」 | トップページ | 『陰の季節』 横山秀夫 »