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2006/09/30

『影踏み』 横山秀夫

影踏み Book 影踏み

著者:横山 秀夫
販売元:祥伝社
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家人が寝静まった横で窃盗を働く“ノビ師”真壁。

塀の中から娑婆に戻ってきた途端に降りかかるいくつものトラブル。

真壁は中耳に住まう弟ともに、トラブルを解決することができるのか。

ミステリブロ愚のはずなのに、右サイドバーで開催中のゲームプレイ日記にばかりで夢中で申し訳ないです。BOOKレビューは…5日ぶりですか。お恥ずかしい限りです。

さて、只今プチ祭が開催されている横山秀夫氏。この『影踏み』は“ノビ師”の真壁を主人公に据えた連作短編集です。もちろん本作も良かった。どうして主題の異なる作品ばかりなのに、こうも良い物語をつむぐことができるのでしょうか?

窃盗で警察に捕まったことを恥じた母親によって業火に焼かれた双子の弟を中耳に住まわし、弟と助け合うことで降りかかる火の粉を掃う真壁。二重人格とは少し異なるこの関係が、この作品の肝です。死んだ弟が本当に真壁の中耳に居るのではないか?と思ってしまうほど、このふたりの関係は自然です。同じDNAを持ったもうひとりの自分、その絆があればこのくらいのこと出来てしまうかもしれないと思わせてしまうところが、横山氏の筆力の素晴らしいところです。

いくつかのトラブルに巻き込まれ(そのトラブルも完成度の高いミステリテイストに仕上がっていて満足)互いの能力を最大限に活かし、危険を回避し続けた彼らにも終わりがやってくるのですが、その終わり方も切なくて最高。なぜ弟は中耳に住み続けたのか、住まわしていたのは兄なのか弟なのか。ああいった終わり方をするとは思っていなかったので驚愕。すごいね、横山氏。

なんかもう、横山氏の作品というだけで手放しで褒めているような感覚に陥って参りましたが、そうじゃないんですよね。なにか面白い本が読みたいときの横山氏…ということで、ポイントポイントで横山氏の作品をチョイスしてゆきたいと思います。

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ミステリではありますが、ハードボイルド要素がかなり加味された1冊でした。窃盗罪での服役を終え出所した真壁修一(34)が真っ先に足を向けたのは警察署だった。二年前、自らが捕まった事件の謎を解くために。あの日忍び込んだ家の女は夫を焼き殺そうとしていた―。生きて...... [続きを読む]

受信: 2007/03/10 10:00

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