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2006/09/20

『鏡の中は日曜日』 殊能将之

鏡の中は日曜日 Book 鏡の中は日曜日

著者:殊能 将之
販売元:講談社
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14年前に起こった殺人事件の再調査を依頼された名探偵・石動戯作。

現在と過去が錯綜する名探偵最後の事件とは?

『ハサミ男』の殊能将之が贈る水城優臣シリーズ、ここに開幕。

「名作!」と思っていても、再読すると「あれ?」って思うことは皆さまありませんか?叙述モノと呼ばれるジャンルにその傾向が強く現れるのは、仕方の無いことなのでしょう。だって、罠がどこにどうやって仕掛けられているのか、その地図を再読の読者は既に所有しているのですもの。

この『鏡の中は日曜日』再読も、私をそんな気持ちにしてくれた一作。アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』くらいになると、最初の衝撃が大きすぎて何度読んでも良いものですが。

実は私『鏡の中は日曜日』は所有しておらず、文庫化を待ち望んでいた一作なのですが、いざ文庫となると『樒/榁』が同時収録ということで、『樒/榁』をノベルスでリアルタイム購入した(この作品で密室本5冊目=非売品のアレを手に入れることができた)私にとってはがっかり。それ以来古本屋『鏡の中の日曜日』ジプシーを続けているわけです。

って「お前のことはどうでも良い」というお叱りが聞こえてきそうなので、愚痴はこれくらいにしましてレビューです。

本作はとにかく初読で楽しんでもらいたい一作。初読の際は「名作だ!」と本気で思いました。『黒い仏』がとにかく問題作過ぎたという噂もちらほら聞こえてきますが…。この作品にはふたりの名探偵が登場しますが、私は水城優臣が大好きでね。「梵貝荘事件」が水城優臣最後の事件と云われておりますが、その後『樒/榁』にも『キマイラの新しい城』にも水城が登場することから、読者人気もなかなかだと想像されます。でも、『鏡の中は日曜日』があるからこそ、その後の事件が生きてくるのであって、是非とも出版順にお読み頂きたいと所望。

作中作として語られる「梵貝荘事件」の物理トリックは拍子抜けと申しましょうか、全く重要ではございませんので割愛。とにかく叙述トリックです。先程から「叙述トリック叙述トリック」と連呼しておりますが、これってネタバレなんじゃあ…。でもまぁ、『ハサミ男』をお読みの方なら「殊能将之はそういう作家だ」という下準備もあろうかと思いますので…ご、ごめんなさいぃ。

でも、殊能氏の作品をランキング化するならば『ハサミ男』の次にはこの『鏡の中は日曜日』が来るのが順当だと思います。とにかく初読で!が合言葉。『ハサミ男』は何度読み返しても良いんですけれどね。

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コメント

老人に気をとられて気がつきませんでした! やられました...
水城は再登場するんですか! 私は、まじょ。さんの探してるノベルズを図書館借りて読みました

投稿: きりり | 2007/06/25 00:32

☆きりりさん☆
ブロ愚放置プレイでコメント返しが遅くなってすみませんでした。
老人…って誰だっけ?と思ってしまったトリ頭をどうにかしたい。彼女といっしょに住んでた彼のことですよ、ね?
水城が再登場する『キマイラ~』も、いろんな意味で殊能氏らしい作品です。ミステリとしてはどうなんよ?的作品なんですが、なんか憎めない作品なんですよねぇ。

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/07/01 20:32

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