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2006/09/25

『真相』 横山秀夫

真相 Book 真相

著者:横山 秀夫
販売元:双葉社
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一つの事件が終わった後に、人の心の事件が始まる。

事件のあとに加害者、被害者、密告者の心の中に残るものとは何なのだろう。

横山秀夫が描く事件後の人間の心の深層とは?連作短編集。

右サイドバーに納められております掲示板をご覧いただければお解かりかと存じますが、すっかりゲームに夢中です。でも、ちゃんと読書もしてます…寝る前だけだけど…

今回のレビューも、ゲームに勝るとも劣らず夢中になっております横山秀夫氏の連作短編集でございます。いやぁ、横山氏は本当に安定した読書を私に与えてくれますね。ただ、主題は違えど作品全体に流れるリズムなんかがどれもこれも一定なものですから、立て続けに読むのはどうかと思ってまいりました。あ、飽きそう…。

この『真相』は一つの事件が終わったあとに、関係者の人間に残される虚無感や罪悪感なんかを深く描き出しております。私のベストは「18番ホール」でしょうか。疑心暗鬼にならざるを得ない人間の心理や焦りに手に汗握りました。そしてあの悲しい結末。短い短編の中に、よくあれだけの要素を詰め込めたなぁと感心してしまいます。短編集ラストの「他人の家」なんかも良かったですね。“情けは人の為ならず”ってちょっと用法が違っておりますが、真の善意だけで親切にしてくれる人間なんてそうはいないのです。そこには必ず何らかの思惑があって然るべきであって、純粋な親切の方がある意味怖いかもしれない。“タダより高いものはない”ってやつですか?

私はこれまで幸いなことに、平々凡々な人生を送ってきております。“注意一秒、怪我一生”ではありませんが、一瞬の判断ミスがその後の人生に大きな影響を与える。これまで事件や事故に巻き込まれたことがないからといって、これからも巻き込まれないという保証はないのです。“病気になったときに健康の素晴らしさに改めて気付く”のように、事故や事件に巻き込まれたときに、平々凡々であった人生が素晴らしいものであったと気付くような、情けない人生は送りたくないと切に思いました。

今日はずいぶんと格言っぽいものを多用してのレビューと相成りましたね。

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