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2006/09/09

『女信長』 佐藤賢一

女信長 Book 女信長

著者:佐藤 賢一
販売元:毎日新聞社
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大うつけと呼ばれながらも、天下への階段を着実に登っていった織田信長。

信長がそこまで大躍進した理由は唯一つ、“女”であったから。

直木賞作家・佐藤賢一が描く新しき織田信長像。

佐藤賢一氏は結構好きで、『王妃の離婚』とか『カルチェ・ラタン』なんかを読みふけった時期があります。佐藤賢一氏が『王妃の離婚』で描いた女性像なんかは、女性の本質を巧く突いていて感心したのですが、この『女信長』では巧く機能していないかも…。

信長は“女”だったからこそ、古きものをばっさりと切り捨て、新しきものを斬新に採用することができた。この発想はとても面白かったです。ならば、信長はとことん女であれば良かったのだと思う。女の武器である体を惜しげもなく差し出したかと思えば、女だからと馬鹿にするなと激昂する。この作品で描かれているのは“人間”なので、そう簡単に居直ることはできないって?それならば、天下にあそこまで近づくこともできなかったのではないでしょうか。読んでいて、常に中途半端な気持ちにさせられました。それが残念。

後半になると、“女”であることが利だったのではなく、“天命”があったからこそここまで大きくなることができたのだと信じる始末。“天命”がすべてなら、“女”であったことの意味が全くありませんよね。この人格の変遷も『女信長』のテーマだったのかしれませんが、私にはうまく馴染めませんでした。全然関係ないですが、“天命”=三国志に登場する人物たちが大好きな言葉という図式が私の中で出来上がっております。全然関係ないわね。

でも、基本的なストーリーは史実に即していて良かったです。パラレルであっても、史実は曲げて欲しくないというのが私の願い。史実に即して描くから、歴史小説のパラレルは難しいのであって、設定に合わせて史実まで曲げてしまったら、もうなんでもアリではないですか。まぁ、ラストの天海ネタはサービスとしても。ちなみに、私の戦国知識はおおよそが戦国無双から得た知識です。邪だな、おい。でも、『女信長』を読んでいて知らない言葉や出来事は無かったので、ストーリーに充分集中できて良かったですね。侮れません、戦国無双。

さて、ここからはかなり下世話な話になりますので、ご注意ください。

まずねぇ、信長の最初のお相手がマムシ(斉藤道三)だっていうんだから驚きです。しかも手管が素晴らしいですか…よ、読みたくねぇ。権六(柴田勝家)とも契っちゃうし(しかも一回きりなのに…権六って一途)、長政に至っては鬼畜プレイじゃないですか。しかも、かなりの鬼畜。戦国一の美男子・浅井長政は鬼畜プレイがお好きですか…。もう、あの鬼畜っぷりが頭から離れません。次に戦国無双をプレイするときに、長政を見て正気でいられるかどうか…。

あとはミッチー(明智光秀)ね。ある意味、ミッチーが主役とも云えるこの作品。私は個人的に信長はミッチーが嫌いで嫌いで仕方なかったのだと思っているので、あそこまで心酔されると困ってしまいます。あとはね、私の中でミッチーは長髪の麗人なもんで、金柑頭金柑頭と連呼されると、違和感がね…。

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