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2006/09/12

『λに歯がない』 森博嗣

λに歯がない Book λに歯がない

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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密室状態の研究所で発見された、身元不明の射殺死体×4。

死体が所有していた「λに歯がない」と書かれたカードの意味は?

Gシリーズ第5弾。あのお方も再登場。

「カクレカラクリ」O.A.目前にして、なんとか読了できました『λ』。この数日のうちに、“λ、保呂草”というキーワードで当ブロ愚にご来場くださる方が幾人かいらっしゃって、非常にボルテージが上がっておりました。

保呂草様、お逢いできて嬉しゅうございます☆

なんかもう、Gシリーズの様相とか真賀田四季とか“?”は山のようにあるのですが、最善とは云えないまでもso-soといった感じ。

この『λ』についてもこれまでのGシリーズと同様に、西之園萌絵がアクションパートを、犀川先生が探偵パートを、Gシリーズ新キャラ3名が頭脳パートを担当。Gシリーズキャラにもうちょっと日の目を見せてあげてもよいのではないか…という愚痴は語り尽くしましたので、くどくど申し上げませんが、ね。海月くんなんて、存在していないのと同じですよ。彼が居なくとも事件は解決してしまうわけですから。もし彼が活躍する場面に遭遇するとしたら、それは犀川先生や保呂草さんが真賀田四季に近すぎて、客観性を維持できないという舞台に上がったときのみだと思います。そのラストのためだけに登場させたキャラだとしたら、哀しすぎます。

と「くどくど申し上げない」と宣言した割に、数行費やしちゃって。得てして前置きというものはそういうものです。「簡単に」と前置きの付いたスピーチが簡単だった試しは無いというマーフィーの法則です(読んだことすら無いのに、適当なこと云っております)。

前作『εに誓って』が非常に消化不良だったわけですが、この『λ』で再び加速した感じ。密室状態での不可解な死という、ミステリのお約束事項がとてもセクシィに描かれていたと思います。解決に至るキーが、他所から唐突に得られる新情報であるというのが、若干物足りなさを感じる要因ですが。まぁ、Gシリーズに於ける犯人は、S&Mシリーズよりも蔑ろにされている項目ですからね。『τになるまで待って』がその点については詳しいです。ただ、シリーズ以降の巻に余韻を残す犯人(ラスト)でしたので、シリーズを通して一作の本に見立てるつもりではないかという漠然とした印象は強くなりました。Gシリーズは基本的に一作一作で完結していないですよね。また森マジックが見られるのでしょうか。本作の物理トリックは派手ではありませんが、『封印再度』を読んだときの読了感に近かったですね。

犀川先生と萌絵の関係も、どんどん加速。歳を重ねることによって、人間は馬鹿になるというのは犀川先生の談ですが、彼の変貌については西之園萌絵という外的なファクタだと思いたいです。犀川先生の不器用さは父親譲りの相変わらず加減でございますが。

さて、保呂草さん再登場に触れてもよろしいでしょうか?Gシリーズ最大の関心事は赤柳探偵と保呂草さんと真賀田四季の関係です。今回、公安が保呂草さんと接触を取りたいと赤柳探偵を通して申し出て参りました。一体、保呂草さんはどんな危険に足を突っ込んでしまったのでしょうか?あの日、あの場所で各務さんと再会して、第二の人生を歩き始めたのでは無かったのですか?彼はなにを掴んでしまったのでしょうか?それはVシリーズあたりで既に登場している情報ですか?謎が謎を呼ぶ保呂草さん再登場。ときどき思い出したように保呂草さんがGシリーズに登場してくださると、期待感が加速して個人的には良い傾向になります。

次回作『η(イータ)なのに夢のよう』はどんな作品になるのか。新展開はあるのか。保呂草さんの再登場は?定番の1月発売になるものと想像しますが、非常に楽しみです。やっぱり森作品からは離れられない私。

それでは明日の「カクレカラクリ」感想レビューでお逢いし魔性☆

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コメント

↑TBの内容がうちのブログだけ長い行で表示されるのがいつも気になるのですが、jugemの設定っぽいですね。むむー。それよりも保呂草さん、いきなり大物扱いで驚きましたが一体彼は何をしてるんでしょうね。海月君については本当に同感!!犀川先生とキャラかぶっている分なかなか出番がなくてかわいそうですが、どちらかといえば犀川先生の方が見たいので複雑ですね。

投稿: ソラチ | 2006/09/13 13:44

☆ソラチさん☆
海月君は本当に不憫でなりません。どちらかといえば犀川先生…には全く同感なのですが(汗)巻を重ねるにつれて犀川先生の登場シーンが増えていっておりますよね。萌絵との親密度も…むふふ。
保呂草さんがどどーん、各務さんもどどーん、ついでに赤柳さんもどどーん。もうそちらにばかり興味がいってしまって、ますますGシリーズキャラが不憫です…。

投稿: まじょ。@管理人 | 2006/09/13 20:50

こんにちは♪
>海月くんなんて、存在していないのと同じですよ
同感です(笑)
ホント、海月くんが活躍する時は犀川先生達に何かあったときに違いない、とは自分も思いました。
Gシリーズ、キャラもどんどん集結してきつつあるので、どんな結末になるのか、楽しみです。(風呂敷は畳んでくれるものだと信じてますから・笑)

投稿: | 2006/09/26 21:37

☆9月26日21:37にコメントくださった方へ☆
コメントありがとうございます!ただ、お名前がなかったものですから、どなたからのコメントなのかわかりません…も、申し訳ないデス。
>ホント、海月くんが活躍する時は犀川先生達に何かあったときに違いない、とは自分も思いました。
あって欲しくはないけれど、この可能性はかなり高いですよね…。
Gシリーズはどんな結末が待ち受けているのでしょうね。見え隠れする天才の影…謎のギリシア文字集団・・・犀川先生風に云うならば、何を考えてゆけば良いのかすら全くわからないです…。


投稿: まじょ。@管理人 | 2006/09/27 01:09

やっぱりまじょ。さんは保呂草さんに食いつくんですね♪
それはともかく、影の登場人物達(?)があの天才との関わりを否定するために暗躍する(?)姿が妙にバカっぽく見えたのは僕だけでしょうか。

投稿: たいりょう | 2007/02/27 16:33

☆たいりょうさん☆
保呂草さんはルーティンな好みとはかけ離れた存在なのですが、どうしても食いつかずにはいられないんですよねぇ。それがたとえおっさんの姿だったとしても…。
しかし、もう四季には引退してもらいたいものです。コールドスリープしてるんじゃないんかい!?物語が遅々として進まないのが残念でなりません。

投稿: まじょ→たいりょうさん | 2007/03/01 21:43

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