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2006/08/30

『朽ちる散る落ちる』 森博嗣

朽ちる散る落ちる Book 朽ちる散る落ちる

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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“あの”土井超音波研究所の地下で発見された密室と死体。

誰がどのようにして密室を作ったのか。そして死んでいたのは一体誰なのか。

死を前にした数学者の本当の狙いとは?

ラスト6!

この『朽ちる散る落ちる』は「纐纈さんのお嬢さんが登場して、へっ君が誘拐され、ラストの保呂草さんがカッコイイ巻」という記憶しかなく、土井超音波研究所が再登場して一番びっくりしたのは私です。『六人の超音波研究所』を読んだときに感じた「あれ?地下室って登場しなかったっけ?」という違和感はある意味、間違っていなかったようです。

この『ちるちるちる』(我ながらすごい略し方)は、くどいようですが『地球儀のスライス』に収録されている「気さくなお人形、19歳」を読んでからお読みになった方が良いです。でないと、れんちゃんの涙の意味も、纐纈のお嬢さんの登場も、デコイチも、すべて色褪せてしまいます。「気さくなお人形、19歳」ほど存在感のある短編は森作品では珍しいですね。

『ちるちるちる』では『黒猫の三角』に登場した数学者・小田原博士が重要なキーパーソンとして登場します。小田原博士の昔話なんて、すっかり忘れていたものだから、素でびっくりしてしまいましたよ。小田原博士は紅子に絶大な信頼を寄せておりますね。そして、小田原博士も紅子も超越している。シャトルの謎と土井超音波研究所の謎、「なにか関係しいているに違いない」とは思っても、ああも容易に結び付けられてはCIAも立つ瀬無しってなもんですよ。ミステリでは「犯人やトリックをなんとなく想像するのと、確信するのでは一と百もの差がある」と(いうニュアンスのことが)云われていますが、紅子には百馬身以上の差を付けられて、ぶっちぎりで逃げ切られた感じです。

そして、今日のへっ君のコーナーをここで!『ちるちるちる』ではこれ以上無い!ってくらいへっ君にスポットが当たっておりますね。へっ君誘拐未遂(狂言?というか唯の勘違い)がこの『ちるちるちる』では起こります。「林さんのためならへっ君を殺せる」というのは紅子の弁ですが、母たる紅子を見ているとへっ君は愛されているなぁと感じます。へっ君は森川くんに車に乗せてもらえるという僥倖に恵まれて、兼ねてからの計画を実行したのでありますが、そこには紅子と七夏と林がみんなで喧嘩をおっぱじめるのではないかという遠慮と配慮がございました。なんて奥ゆかしい小学生…よよよ。へっ君、良い?へっ君はそんなこと気にしなくて良いのよ。林さんはまぎれも無く君のお父様(このへっ君の「お父様」発言にはかなり萌え)なのだし、林さんのことをもっと知りたいと思ったのならどんどん接点を持てば良いのよ。林さんが君を忘れることなどないのだから。君は愛されてこの世に産まれて来たのだから。あぁ、へっ君頑張れ!

そうそう、ラストの保呂草さんがカッコイイ。纐纈のお嬢さんにとって、保呂草さんの手によってもたらされたアレは、どんなものにも代え難い最高の贈り物だったでしょう。さらっとそれをやってのける保呂草さんが素敵☆そんな素敵な笑顔まで贈ってしまったら、纐纈のお嬢さんでなくともお礼をしたくなるってなものです。保呂草さんも素敵な時間を過ごせて、本当に良かったですね。

さて、Vシリーズも次作『赤緑黒白』で終焉を迎えます。伝説のサプライズが控えておりますので、とにかく楽しみ。事件自体は大したことなかったように記憶しておりますが。Vシリーズも10作読み終えた時点でベスト10企画をやってみようと思っております。ブログジャック終了までもう一踏ん張りですなぁ。

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2006/08/28

『捩れ屋敷の利鈍』 森博嗣

捩れ屋敷の利鈍 Book 捩れ屋敷の利鈍

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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エンジェル・マヌーヴァ。それは保呂草が追い求める伝説の宝剣。

保呂草がそれに手を懸けたとき、現れたのは…西之園萌絵!?

S&MとVシリーズがついにリンクする!!

ラスト7にして、この衝撃作がついに!

保呂草VS西之園萌絵!!

この『捩れ屋敷』は発売当初“密室本”として発売され、中身が読めない仕様になっておりました。イヤラシイ雑誌の袋とじを開けるようなドキドキワクワク感を胸に、真っ黒な密室に手をかけたあの頃…中身はその期待に充分に応えてくれました!

ノベルス背表紙のあらすじは私ほどんと読まないので、赤いフェラーリが薄オレンジのビートルを追い越していったときには「まさかっ!」と胸躍りました。そして奇跡の西之園萌絵登場。西之園萌絵登場!いやぁ、密室本第一弾に相応しい、最高の一冊だとその時点で確信しました。まだエンジェル・マヌーヴァどころか事件すら起こってないのに…。

この『捩れ屋敷』で注目すべきは

ダンディズム・保呂草☆

西之園萌絵にすっかり興味を持たれたご様子。西之園萌絵に見え隠れする紅子の影を追っている…と云うほうが正しいでしょうか。その類似点に最初に気付いたのは保呂草ではなく、保呂草の古い友人でございますが。古い友人とは誰なのか?これがVシリーズ最大の鍵でございます(これは本文でも触れられているため、ネタバレにはならないですよね?)しかし、保呂草さん。エンジェル・マヌーヴァを手にしたことで、引退までお考えになっておられるようですが、まだまだ現役ではないですか。西之園萌絵をも魅了する、その手腕をまだまだ活かしてくださいませ。その魅惑のスマイルを私に!!

この『捩れ屋敷』には密室がふたつ(大密室と小密室と名付けましょうか)登場しますが、どちらも遊び心に溢れていて魅力的です。数学の授業では図形が最も苦手だった私は、大密室の構造を理解するのに若干の時間を要しましたが、『捩れ屋敷』を三次元化したモデルをネット上で拝見したことで、かなりクリアになりました。あんなもの本気で建設しようなんて、正気の沙汰じゃない。一度くらいならお邪魔したいかな?と思いますが、あんなところで瞑想するなんて真っ平御免ですね。忍者屋敷の斜め部屋ですら、ちょっと酔ってしまうのに…。その点、小密室の方は遊び心がそのまま具現化した可愛らしいもので、金持ちの道楽と表現するのに相応しいと思います。観察する時間さえ与えられれば、きっと解けるでしょう。だからエンジェル・マヌーヴァを私に下さい。そのまま保呂草さんにプレゼントする可能性は無視していただけると助かります。

って、長々と密室について講釈を垂れましたが、この『捩れ屋敷』の問題作たる所以はそんなところにはございません。なぜ紅子が「西之園萌絵に近づいてはならない」と保呂草に釘を刺したのか。そして、なぜ保呂草はその忠告に素直に従ったのか。本作に登場する保呂草の古い友人とは一体誰なのか。謎を残したままVシリーズは終焉へと向かいます。すべてが明らかとなる衝撃のラストまであと2作。しびれる…。

今日のへっ君は本作ではお休みさせていただきます。

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2006/08/27

『六人の超音波科学者』 森博嗣

六人の超音波科学者 Book 六人の超音波科学者

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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瀬在丸紅子、小鳥遊練無が招待された超音波科学研究所で殺人事件が発生。

唯一のアクセス経路である橋が爆破されて?

Vシリーズ7作目。雪の(?)山荘もの!

ラスト8!

森作品はどの順から読んでも差し支えない…というのが森先生の弁ですが、この『超科学』(なんて略し方!)は『地球儀のスライス』に収録されている「気さくなお人形、19歳」を読んでからの方が良いと思われます。読んでいないと、れんちゃんがこの研究所に招待された経緯が掴めない。「気さくなお人形、19歳」を読んでおいた方が良い作品にはVシリーズ9作目『朽ちる・散る・落ちる』というのもありますが。

さて、この『超科学』はストーリー展開がとても魅力的なのに対し、その解決が私のとても嫌いなものであるという理由から、敬遠していた作品のひとつです。再読してみて「結構アリかな?」とは思いましたが…『れんれん』と『捩れ屋敷』という私の中でもアツイ(その理由はもちろん彼です)2作に挟まれているため、やっぱり印象には残り辛い。

『超科学』にはかなりショッキングな出来事もありますしね。れんちゃん…もう危険なことからは足を洗ってください。紅子&保呂草は危険過ぎます。麻雀なら森川くんとネルソンとやってください。

この『超科学』の内容紹介で私は“雪の山荘”ものであると紹介しておりますが、この作品群の特徴として警察の科学捜査が介入しないという犯人側の利点があげられます。でも、その利点は一時的なものであって、時間の経過とともに利点は欠点へとスライドする。科学捜査を排除したい多くの理由は、科学捜査を行えばすぐさまトリックや犯人を特定できてしまう可能性があるからです。ならば警察の突入までにその証拠を隠滅してしまえば良い?しかし、完全にその証拠を始末することが可能でしょうか?警察の科学捜査ってその程度のお粗末なものなのでしょうか?私はこの“雪の山荘”ものがその場凌ぎの浅はかな案に見えてしまってならないのです。いや、ミステリファンとして、ついゾクゾクしてしまうんですけれどね…。

この『超科学』はVシリーズに仕掛けられた大トリックを解明する上で、解り易い・キーとなる作品かもしれません。理系の方ならすぐに気付けるかもしれない。完全文系の私には無理でしたが…。

次回はシリーズ8作目『捩れ屋敷の利鈍』。S&Mシリーズ8作目『今はもうない』と同様に、孤独な作品と云えましょう。犀川&萌絵の再登場もありますし。楽しみ楽しみ☆

さて、最後に今日のへっ君のコーナー。えーっと、長い棒が云々なんておっそろしいことを小学生の身空でお考えになるのはお止めください。弾力性がどうしたなんて仰られても、私きっと理解できません。もし貴方とふたりっきりになったら、きっと私は「馬鹿な大人だな」と思われてしまうのでしょう。それとも、既に貴方にとっては大人はすべて馬鹿ですか?

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2006/08/26

かまいたちの夜 プレイ日記③

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 Video Games かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

販売元:セガ
発売日:2006/07/27
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若干、間が空きましたが1ヵ月程ではありませんでしたね。

今日は香山さんVS伊右衛門も死闘編をプレイ。前回、俊夫さんが殺人事件の犯人を指摘したことで(あぁ、私の中で透は探偵役ではないわけね)死んでいたと思われていた香山さんが仮死状態だったことがわかり、幽体離脱状態の香山さんを操作できるようになりました。この死闘編はユーモアたっぷりでなかなかおもしろいです。

幽体離脱状態で頭から血を流した(本体の)自分を眺める香山さん。

「あ、わしや」

…コメントそれだけですか?

なんて冷静なのでしょうか?ちょっと見直してしまいました。

夏美からの説明で現状を把握し、伊右衛門退治に向かおうとする香山さん。正岡も登場し、生前に透と向かった地下室へと足を運びます。そこから溢れ出てくる幽霊幽霊幽霊。あぁ、私に霊感なぞというものが備わっていなくて良かった。あんなおぞましいものが常時見え続けていたら、常軌を逸してしまいますわ。そうそう、香山さんが地下室に飛び込むときの台詞はもちろん

「祝優勝!」

です。浪速の血は濃いね。

透たちが菱田喜代さんを発見している間に、香山さんは幽霊となった喜代さんとご対面。喜代さんの

「ぶわーっと」「ぶわーっと」

にも笑かしてもらいました。正義の勇者よろしく自己紹介する香山さんを見事に無視する喜代さんも素敵。「聞けよ!」って、香山さんでなくとも云いたくなるってなもんです。でも、香山さんのジョブは勇者じゃなくて商人だからね。攻撃力も大したことないし、魔法も使えないし、装備だって…こんなところでチュンソフ党がドラクエ作っていたことを思い出させてくれるとは。

そして伊右衛門登場。この伊右衛門の高速ツッコミは侮れません。九字を切る香山さん…まともに九字を切るわけがないじゃないですか!ますは「家内安全…」をチョイス!続けて「無限無寿限…(じゅげむかよ!)」を!そして「餃子一日百万個…」!!

もちろん伊右衛門に斬られました☆

そうなのよ。これなのよ。こういうユーモアを求めていたのよ。ロードし、次はまともに九字を切ったと思ったら…

キタ!漢字だらけの選択肢!!

「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」の選択肢を一発で当てられるオタクな自分を呪いながらも、当然違う選択肢からチョイス!

これまた伊右衛門に喰われました☆

あぁ、満足。正確な九字を切ると伊右衛門のニシキヘビに捕まり、屋敷の上空に放り出されます。そこには夏美たちの作った五芒星が!アツイ、これはアツイ。真に伊右衛門を倒すには本体であるしゃれこうべを壊すしかないと、香山さんが真言を唱える場面。

「脳膜ワンダバダバ…サラダ館?

サラダ館ってアンタ(大爆笑)

この死闘編は本当に最高だなぁ。ツボです、ツボ。

その後、伊右衛門を退治し、真のエンディング=スタッフロールへ。エンディングの香山さんにはちょっとほろっときてしまいました。私的にはシュプールのシェフ=レイコちゃんがなにかやらかしてくれるものと、プロローグの時点で期待していたのですが…ナニモナカッタネ。

そして栞はピンクの栞に変身!

透の頬がピンクだ…。このままピンクを読み進めるか、消化しきれずに山のように残されているバッドエンドを見るか悩み処ですね。どうしたものか、どうしたものか。

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2006/08/25

『恋恋蓮歩の演習』 森博嗣

恋恋蓮歩の演習 Book 恋恋蓮歩の演習

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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豪華客船で起こった人間と絵画の消失事件。

鳴り響く銃声、人間が海へと落ちる音、泣き崩れる女性。

豪華客船で錯綜する人間の思惑と悪意とは?

も、残すところ9作。9作って案外あるんですけれどね。

さて、ついにこの『れんれん』のレビューを書く日がやってきました…。

『れんれん』大好きなんです、私☆

私のVシリーズを読む眼は邪なので、いかに保呂草さんが活躍…くどい?『夢・出逢い・魔性』がれんちゃんの作品だとしたら、この『れんれん』は保呂草さんの作品といっても過言ではありません。保呂草さんの、保呂草さんによる、保呂草さんのための作品。あらすじの“絵画の消失”って件で、ここまでVシリーズをお読みの方ならお解かりかと思いますが、保呂草さんが当然のように暗躍しております。嗚呼、保呂草・愛。

でもね、保呂草さん保呂草さん云っているお馬鹿な私ですが、この『れんれん』にはもうひとり飛びぬけて素敵な人物が登場します。

羽村怜人さん、結婚してください☆

こんな素敵な人って、いるでしょうか?ひとまわりも年の差がある男性との恋愛なんて、私の通常モードの思想にはプログラムされていないのですが、羽村さんだけは別です。あの女性慣れしている雰囲気がまた良い!そんな雰囲気を身に纏って、あんな甘い言葉を囁かれたらイチコロです(死語?って死語?)ごめんね、保呂草さん。でも、作品冒頭の貴方の言葉(名前など対象を認識するためのプロコトルって部分ね)はしっかり理解しておりますので、安心してくださいね(安心などするわけがない)

『れんれん』は事件性は薄いため、私のように保呂草さん命でないと楽しめない作品かもしれませんが、『魔剣』から連なる関根朔太関連のシーンにも注目して、保呂草さんの仕掛けるマジックに酔いしれて欲しい一作です。

そうそう、Gシリーズを既にお読みの方はご存知の赤柳さん。保呂草さんと赤柳さんは“同じ船に乗った仲間”であるとのことですので、この『れんれん』はその意味でも注目して読んでみました。ここからちょっと妄想ネタバレします!“同じ船”云々はそのままの意味ではないと思いますので、赤柳さんがこの作品の登場人物であると本気で思っているわけではないのですが、可能性があるとしたら美男子村田?でも、各務女史が赤柳さんを知らなかったことから、この美男子案は却下。やっぱり“同じ船”=阿“漕”荘なのかしら。れんちゃん、しこさんは『レタス・フライ』収録の「刀之津~」で除外できるから…森川素直くんではないか、というのが私の妄想。あの無口な男が、ああなるか?という疑問はさておき。でも、赤柳さん自身が「色々あって、自分も変わった」と仰っているし。赤柳さんが四季を追う理由は…四季のお手伝いさんだった森川須磨さんに関係あったりして?なんて、妄想に花を咲かせる私。Gシリーズ最後にはこの謎が明かされるのかしら?

さて、『れんれん』にはへっ君の登場シーンがありませんねぇ。『魔剣』で登場しすぎた?保呂草さんに買ってもらった地図帳で、世界を旅してくださいね。

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2006/08/23

『魔剣天翔』 森博嗣

魔剣天翔 Book 魔剣天翔

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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アクロバット演技中のコクピットの中で、パイロットが射殺された。

コクピットは二人乗り。一緒に搭乗していた女性記者が疑われるが?

Vシリーズ折り返しの第5弾。

カウントダウン開始!残り10作。

この『魔剣天翔』はVシリーズの中でも好きな方に分類されます。Vシリーズはとにかく好きか、とにかく苦手のどちらか。その基準は保呂草さんがいかに輝いているか、唯それだけなのですが…。

『魔剣』のトリックは“なぜ後部座席に座っていたパイロットが後ろから射殺されたか”この一点に絞って考察してゆけば正解に辿り着けるはず(これはネタバレになってないですよね?あらすじに書いてあるし…)事件が発生した飛行中の記述も、巧いこと書かれていて「あぁ、地の文で虚偽の記述は無い無い」と独りで感心しておりました。

『魔剣』の最大のキーは各務亜樹良女史とエンジェル・マヌーヴァです。エンジェル・マヌーヴァはこのあと『捩れ屋敷』でも登場いたしますが、各務女史とも以後長いお付き合いになるとは思っておりませんでしたよ。『れんれん』で早速再登場しますし。この二人、あまり相性が良いとは思えないのですが。保呂草さんが生涯、執着を持って接する女性は瀬在丸紅子唯ひとりだと思います。保呂草さんに執着という言葉は似合わないのですが。彼は一時それを所有したという余韻だけで一生楽しむことができる男ですから(なんだか変態的でございますね)

この『魔剣』のれんちゃんはとっても切なくて、「よし、お姉さんの胸でどんどん泣きなさい」とつい声をかけてあげたくなります。大好きな女装も封印して、ひとりの男として憧れの対象と対峙するれんちゃん。憧れの人と拳を交し合ったことで、彼のなかでなにが変わったのか。どんな過去が、彼が流した涙のなかに潜んでいたのか。決して語られることのないストーリーだけれども、勝手に想像してはれんちゃんがまた一段と好きになる。『魔剣』はれんちゃんの作品だったと思っております。

そうそう、先日お絵かき掲示板でこんなものを描いてみました。何故、金髪なんよ?

Photo





















勝手なイメージ。フリルとか超適当じゃないですか。

さて、『魔剣』にはへっ君の登場シーンがたっくさんでお姉さん嬉しい☆紅子さんに飛行機のメカニズムを解説してもらうへっ君。お姉さんはひとっつも理解できなかったのですが、君はしっかり理解しておりましたね。お姉さん、疎外感。このショーは、彼の中でとても良い想い出となったものと信じております。母と子のメモリー。願わくば、粘土工作はざる蕎麦ではないものをお作りくださいまし。

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2006/08/21

かまいたちの夜 プレイ日記②

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 Video Games かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

販売元:セガ
発売日:2006/07/27
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1ヵ月ぶりのご挨拶も考えておいたのですが、どうやらその機会は無かったようです。連日のかまいたちネタバレプレイ日記でございます。

今日は犯人も真相もチャートもすべてネタバレしますので、未プレイの方は間違ってもスクロールさせませんように。 WARNING!!

今日は最後のキャラクタ啓子ちゃん編からスタート。おおっと、今回は香山さんと啓子ちゃんがギャグ担当なのでしょうか?啓子ちゃんと云えばスナック菓子。スナック菓子と云えば啓子ちゃん。お菓子選択肢があれば、それをチョイスせずにはいられません。本編に突入する前に、スナック菓子6袋は食したね、彼女。

啓子ちゃん編では何故かシリアスな場面になると、妙に間の抜けたBGMがかかりますね。好きよ、こういうの。

啓子ちゃん編でまず最初に迎えたエンディングは、俊夫さんに失恋相談をしたら、なぜか俊夫さんがキューピッド役を買って出て、ミッキー(あっ、美樹本さんのことです)と世界一周旅行に旅立つというものでした。ミッキーが「実は僕も啓子ちゃんが好きだったんだ・・・」と告白すると

「よし!!」

と、とびきりのガッツポーズを披露する俊夫さん。まるで高校球児のようだ。

その後、香山さんの死体を発見し→推理という流れは透編・俊夫編と一緒ですね。視点が違うとはいえ、同じ話を3度も聞かれるのはキツイっす。そうだ、3度どころじゃないんだよ。これが『かまいたちの夜』なんだよ。

ちょっと飽き飽きしながらも(おい!)23:25の分岐でようやく犯人を指摘できそうな気配が。犯人は知っているので(ぎゃふん)意気揚々と入力…するも何故か俊夫さんに阻まれる。ザッピングで啓子ちゃんにタッチし、ようやくトリックの全貌を把握(えっ?推理もぜすに犯人名入力したってか?トリックは自力で解いてみせると決心した昨日の私は何処へ?)そうか、そうか、これが我孫子武丸の本気モードか。

トリックの系統でいえば『0の殺人』『8の殺人』と同じ流れですね。うん、我孫子氏っぽいです。ただ、説明が回りくどくって非常に解り辛いですな。あとは、ヒントが若干少ないような。もうちょっと違和感とか感じなさいよ、登場人物全員。いくら湾曲していると云ったって。こういう図面処理は理系人間(西之園萌絵とか犀川先生とか)が居たら、一発でおじゃんですよ。犀川先生なんて、階段からの歩数とか数えていそう。

ただ、マスターキーからのアプローチで○○さんに犯人を絞った啓子ちゃんの推理力はお見事でしたね。冷静に考えればそんなチャンスがあるのは彼女くらいのものなのですが。その意味では部屋割りすらも決められて居た中で、あのトリックをとっさに思いついた彼女こそお見事。

でもね、共犯ってのはどうよ?共犯トリックは私が一番憎んでいるトリックでございます。

正々堂々やってくれよ!

だってさ、共犯を認めちゃったら大抵のこと出来るもん。限られた空間の中で行われる推理合戦こそがミステリの醍醐味であって、共犯トリックそのものがアンフェアだと個人的に思っております。既に犯人は解っていて、さぁ共犯は誰だ?と共犯当てだけが主軸になっているなら別ですが。主犯、共犯ともに当ててくださいってのは幅を広げすぎてて嫌いです、本当に。

しかも、今回の共犯は死人を復活させてでしょ?いや、死んだと確定させた記述は無いのですが、そんなダークホースを引っ張り出さなきゃ成立しないトリックを組み立てないでくださいよ。やっぱり『2』でキャラクタの相関関係をめちゃくちゃにしちゃったのが敗因ですね。亜紀ちゃんを架空の人物にしちゃった時点で既に無理が。しかも今日子さんの娘って…。みどりさんも服役させちゃって、登場人物が極端に減ってしまったもんんだから、犯人当ても範囲が限定されちゃうし。香山・透・俊夫・啓子が犯人ではないことは、プレイヤーが一番良く知っているわけだから、残された犯人候補は美樹本・加奈子・春子しかいないじゃないですか。ここで『アクロイド殺し』トリックを持ってくる冒険に出ても面白かったとは思うけれども…。

いつの間にかプレイ日記では無く愚痴になってましたね。プレイ日記を再開しましょう。

23:30の分岐ではどうやっても犯人がだんまりを決め込んで、口を割ってくれないので、この分岐では遅すぎるのだろうとタイムチャートとにらめっこしてみる私。22:25のチャートタイトルが“推理”になっていたので、このあたりではないかと中りをつけてみる…がどうにもこうにも進まない。でも、全員が揃うのなんてこのタイミングぐらいだし…と10分ほど悩んだ私がとった行動は?

攻略サイトをチェケラ☆

NO攻略サイト宣言をしたのは昨日だっていうのに、舌の根も乾かぬうちに…。

でも、俊夫編で俊夫さんを黙らせておかないと透が推理を始めないだなんて、わかるわけないですYO!攻略サイトを見なければ、絶対に“完エンド”に辿り着けなかっただろうなぁ。この22:25スタートの推理合戦は、23:30で把握したトリックを復唱していけば良かったので、あっさりエンディングまで到達できました。共犯の名前も知っていたし(ぎゃふん)でも、俊夫さんがふんだんにヒントを出してくれたので、彼の名前さえ覚えていればエンディングを迎えれるでしょう。覚えていれば…ぐっすん。

一番度胆を抜いたのは、もちろん

香山さん復活!

どうやら香山さんは独りでなんらかの死闘を繰り返していた模様。これが幽霊編と呼ばれる路線ですね。既プレイの同居人によると、この幽霊編が結構イケるようなので、お楽しみは次回にとっておくことにいたしましょうか。

次回のレビューが1ヶ月後にならないことを祈って(今度は本当に1ヶ月後になるかもしれない…)

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かまいたちの夜 プレイ日記①

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 Video Games かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

販売元:セガ
発売日:2006/07/27
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発売日に買ったはずなのに、森博嗣ブログジャック計画にかまけてすっかり忘れかけていた『かまいたちの夜×3』。今日、ちょっと試しにプレイしてみたら…ハマリそうな勢い☆

発売前の触れ込みが「我孫子武丸がカムバックし、かまいたちの夜が再び本格推理モノに!」なんですもの。期待しない方がおかしいわ(←にも関わらず、一ヶ月も放置しておいた貴女は…)既に犯人なんかはバッチリ☆ネタバレに遭って知っているのですが、犯人を絞り込む過程に本格推理を求めたいものです。100ものエンディングがありますが、NO攻略サイトで頑張りたいと思います。

さて、ここからプレイ日記の始まりです!ネタバレになりますので、未プレイの方はスクロールされませんように。まだ、初日なので真相には到達しませんが、犯人の名前は記されております。

まずは登場キャラクタの近況報告からね…ふむふむ。個人的にクソゲー殿堂入りしている『2』のおかげで、「夏美(香山さんの再婚相手)ってなんで死んだんだっけ?」「みどりさんって、なんで服役してるんだっけ?」と謎だらけの出発。でも、もう一度『2』をプレイするとなったら、せっかくのやる気が台無しだ!と無視して進むことに。

今回は4人のキャラクタをザッピングで切り替えて、どんどん話を進めてゆくわけですね。ザッピングシステムについては『街』で経験済なので、そんなに違和感は無し。でも、めんどくさいんですよねぇ。純粋に本格推理を楽しみたいならちょっと邪魔かも…。

ザッピングの最初は香山さんね!夏美の供養のため祈祷を始める香山さんの「夏美ぃ」の奇声にまず笑かしてもらいました。そうそう、香山さんてこういう人だったよ。

食堂で香山さんが三日月館再建のためにどれだけ尽力したかを「プ○ジェクトX」風に再現。しかし、吉幾三がいつの間にか混入し、終いには

「なんぼまでまかる?」

とこうですよ。あんた、供養のために再建したんじゃなかったんかい!「君ら、わしの話聞いてないやろ?」と香山さんが云ったときの、その他メンバの動きが良かったですね。影に動きが付いたあたりに技術の進歩が感じられます(って、『2』からそうだよ…)

その後、透がシュプールで見つけた謎の鍵が登場し、岸猿家の財宝に話が及ぶと、香山さんの選択肢はどうしても財宝関係をチョイスしたくなるってのが人情ですよ。だって、「なんぼまでまかる?」だし、10%オフの割引券を出すのだってあんなに渋っている香山さんだもの。透と地下室に財宝探しに行きましたが、すぐさま見つかったとしても透の取り分は9:1だな…。「この屋敷はわしのもんや!」とかすっごく云いそう。

透と地下室といえば、透の就職ネタがここでも登場しましたね!バッドエンド覚悟で透を誘ってみたのですが、無下に断られました。がっくし。

そして地下室から戻った香山さんが見つけた謎のメモ。「おぉ、ミステリらくしなってきたやないか…」と思っていたら、

いきなり香山さん死亡!!!

斬新じゃないですか?そして、キャラクタ選択の画面にようやく透が登場。やっぱり『かまいたちの夜』は透でプレイしないと。まさか香山さんプレイはこれで終わりじゃないだろうな…という不安が頭を掠めましたが、既プレイの同居人に確認すると幽霊編(?)ってのがあるらしいですね。良かった良かった。

さっそく透編で再プレイを試みる私。香山さん編がギャグ路線ならば、透編はしっかりミステリでしたね。香山さんと同じ食堂のシーンでも、「君ら、わしの話聞いてないやろ?」後のカメラ位置が違っていたりと、プレイヤーを楽しませる趣向が凝らしてあって好印象好印象。香山さんのときにチョイスした“夏美との思い出~ゲレンデ編”にもしっかりツッコんでくれたし。うん、良いぞぉ。

地下室での就職ネタには、「今度こそバッドエンドじゃ!」と果敢に「ぜひお願いします」をチョイスしたにも関わらず、そのまま大阪には連れて行ってもらえませんでした。これまたがっかり。『1』の時に最初に迎えたエンディングがあれだったように思う。懐かしいなぁ。

そうそう、地下室に行く前にしっかり俊夫さんと真理の会話には聞き耳を立てさせていただきました。ちょっと真理が嫌いになる私。そういえば、『1』の時に最初に迎えたエンディングは真理にスキーストックで刺されるエンディングだったかもしれない…。もっと真理が嫌いになる私。とにかく、真理の真意は俊夫さん編できちんと確認しなくっちゃ!

その後、香山さん殺害現場に潜入し、屋敷の捜査に乗り出す透・俊夫・美樹本。田中さん似の犯人がこんなところで見つかるわけないので、飛ばしたい飛ばしたい。そういえば、『3』にはオートプレイという勝手に話を進めてくれるシステムが出来たのですね。スピードを1(最も速い)にしてちょっと試してみたのですが、選択肢も勝手に選んでしまうのですか!ザッピングも意識して慎重に選びたいのに…と即刻オートプレイを使用するのは却下。オートプレイ機能はいらないから、一度読んだ箇所は飛ばせる機能を付けてください(『街』には付いていたのに)

屋敷の捜査も終え、応接室で全員集合し話はマスターキーへ。犯人を知っている私は、そこで鍵を○○さんに渡しちゃダメだって!とツッコミつつも、ザッピングするときはこの時間に注意ね…と頭のメモにしっかり書き込みしました。ネタバレをちょっと憎む私。

その後は怒涛の展開で、なぜかミッキー(美樹本さんね)は死ぬし、玄関から水は流れ込んでくるし、加奈子ちゃんも啓子ちゃんも首を吊ってるし…。透編はミステリ重視なので、結構真剣に読んでいたのですが、いくらザッピングがあるにしても本編がちょっと短すぎやしませんか?しかも、今回は本編とピンクしか無いと聞いているし。『1』と『2』の本編を収録するくらいなら、もっとサブストーリーに力を入れて欲しかったなぁ。『1』のスパイ編とか大好きです。

透編が終了したあとは俊夫さん編へ。俊夫編は暗い…暗すぎる。香山さん編とえらい違いだ。みどりさんもすっかり豹変しちゃって。

頑張れ、俊夫!

とは、特に思わなかったんですけれど。とにかく、俊夫さんは心がすさんでるので…と啓子ちゃん・ミッキー・透に次々と暴言を吐きまくっていたら、あっという間にバッドエンドになりました。次の選択キャラも出てこないし…とタイムチャートで元に戻り、今度は暴言を我慢。

俊夫編も基本的にミステリ路線みたいなので、透編とは基本的に違う行動をとるようにしてみました。なんだか透よりも探偵っぽいぞ。田中さん似の姿を目撃するのって俊夫に限られてるし。今回のメイン探偵は俊夫ですか?

そうそう、透編で既に登場しているのですが、キヨさんの死体にはびっくらしました。部屋の電気着けておいて良かった。あれ、真っ暗闇だったら悲鳴上げてたかも。そのあたりを考慮してか、キヨさんの死体の部分だけ「イラストです!」色が強かった気がする。気を使ってくださったのでしょうか。でもね、キヨさんの死体を俊夫一人で調べて上に戻ったら、あっさり殺されちゃって☆

しかし、俊夫編のラストで春子さんの死体が登場しましたね。共犯だってことは知っているのですが…一階に流れてきた死体が田中さん似じゃなかったの?あれ?このあたりが推理の鍵になるのかしら…メモメモ。

とりあえず今日は啓子ちゃんプレイを残して終了。俊夫編まで約3時間ってことろだから…やっぱり『3』本体はかなり短いよ!残念。次は啓子ちゃん編からスタートして、犯人を追い詰めるところまで行けるかどうか…。犯人は解っても、ザッピングをうまく使いこなさないとなぁ。

それでは、長文にお付き合いくださいましてありがとうございました。次回がすぐにやってくることを願って!(1ヵ月後かもしれません)

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2006/08/20

『夢・出逢い・魔性』 森博嗣

夢・出逢い・魔性 Book 夢・出逢い・魔性

著者:森 博嗣
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

テレビのクイズ番組≪クイズ・サーティ・女子大生です・お答えします≫に参加するため、那古野から上京してきた阿漕荘メンバ。

テレビ局で発生する殺人事件にまたまた巻き込まれ?

Vシリーズ第4弾!

も、残り10冊のカウントダウンができるようになりますね。

この『夢・出逢い・魔性』の英語副題は「You May Die in My Show」。『封印再度』と趣向としては同じですが、文章が長い分こちらのほうが秀逸かな?と思っております。内容との整合性ならば『封印再度』に軍配が上がりますが。

さて、この『夢・出逢い・魔性』はれんちゃん大活躍。ちょっとだけ、れんちゃんらしくない行為と云えますが、それは青少年として可愛い女の子に頼まれちゃったら断れないというか、好みの女の子に泣かれちゃったら青少年として放っておけないと云いますか。とにかく、邪です(←違うって)

そういえば、れんちゃんの女装についてレビューしたことは無かったですね。この女装は「小鳥遊練無をよく知っている人間にとっては当たり前のことであるし、知らない人間にとっては練無が女装をしていることにも気が付かないのだから、誰にも迷惑をかけない」というスタンスのものです。そもそも、女性はの男装については“男装の麗人”なんて言葉があり(宝塚もある)一般的に許容されているのに対し、男性の女装ってどうして変態的行為と見做されてしまうのでしょうか。最も考えられるのは報道番組等でこの手の行為が犯罪行為として取り扱われるケースが多いからでしょうか。れんちゃんのようにその女装がとても似合っていて、誰にも迷惑がかからない場合については全く問題ありませんよね。誰にも不快感を与えないし。もし、れんちゃんほど女装が似合わないケースについては自宅でこっそり女装をすれば良い。どうしても女装を披露したい場合には、そういった趣向を持つ方が集まる場所(ありますよね?)で披露すれば良い。ただ、それ以外の場所で披露し、他人に不快感・不信感を与えてしまった場合は報道の対象になる。報道される場合は大抵、変質的な行為として紹介される。その思考が周知のものとなる。よって、女装そのものが変質的行為として認識されることになる。

うん、長々書いた割にわけわかめな様相を示しておりますな。ようするに、女装なんて個人的な趣味趣向なので、誰にも迷惑がかからないならば他人がどうこう云う筋合いはないということです。『夢・出逢い・魔性』はテレビ局を題材にしたミステリでしたので、ちょっと報道に対する警鐘と共に書いてみたかったという程度なのですよ。つまり、私のスタンスとしてはれんちゃんの女装が見たいということです。

さて、この『夢・出逢い・魔性』は○○トリックが使われているのですが、これには「10年後人類は滅んでいませんよね?」的な文章のレトリックを使って読者をミスリードさせようという森先生の意図が感じられます。このトリックを知っていて読んだ私だって、地の文で嘘書いてあるんじゃないの?と3回読み返しましたもの。キャラクタ的には私とっても好きな方でしたので、またどこかで登場して欲しいな、と思います。まさかGシリーズの正体不明なあの方?(←無い無い)

トリック的には若干アンフェアかな?と思いますが(十戒か二十則に抵触している)れんちゃんがかわゆいので良いや。

さて、最後に今日のへっ君のコーナー。今回もへっ君自身の登場はありませんでしたが、東京のお土産といえばひよこだと云うへっ君のこだわりに私も同意したいと思います。そうそう、コーンフレークをお腹一杯食べられて本当に良かったね、へっ君。

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『悪党たちは千里を走る』 貫井徳郎

悪党たちは千里を走る Book 悪党たちは千里を走る

著者:貫井 徳郎
販売元:光文社
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せっかく計画した徳川埋蔵金詐欺を同じく詐欺師に邪魔された三流詐欺師。

しかし、いつの間にかその詐欺師とチームを組んで狂言誘拐をすることに?

貫井徳郎の新境地!

ブログジャックの最中でも図書館で予約していた本は…またまた以下略。

返却期日も近いし、もう読まずに返してしまおうか!と思ったのですが、

読まずに返さなくて良かった!

内容紹介部分の「貫井徳郎の新境地!」というフレコミは伊達じゃないです。本当に面白かった!貫井氏といえば『慟哭』に代表されるような固くて真面目なミステリ作家という印象だったのですが、『被害者は誰?』で「あぁ、こういうのもアリだな」と思わせ、この『悪党たちは~』で「やってくれました!」という感じ。

本作をジャンル分けするならば、ドタバタユーモアミステリ(コメディ?)といった感じ。まず、いまどき徳川埋蔵金で詐欺を働こうとする詐欺師なんて居ないですよ!!冒頭でいきなり彼らが三流(四流?)詐欺師であることが判明。もう、誘拐なんて大それたことするのは辞めなさい、とついつい諭してやりたくなるってなものです。

そこに二流詐欺師(リトグラフ詐欺)が合流し、次に企てるは犬の誘拐…ちょっと斬新?その犬誘拐計画を練っているところに登場した一流詐欺師。展開が迅速で読者を飽きさせませんな。この一流詐欺師がまた素敵で。彼がとっさに三流詐欺師どもにメッセージを残すシーンなんて、もう脱帽。賢すぎるザマス!でも、本当はディズニーランドではしゃぐ君が私は一番好きよ。

誘拐を企てた黒幕が誰か?という部分が、この作品の一番の肝なのですが、そこは貫井氏。どんでん返しの名手(私が勝手に命名)は本作でも伏線をばっちり活かして、納得の結末です。三流詐欺師がその正体に気付くまで、私はこれっぽっちも彼らを疑っておらず、思わず膝を打ってしまいました。粘着質ですね、黒幕。

とにかく、この名作を読まずに返さなくて良かった。読了後の清々しさは最近読んだ作品の中でピカイチです。最後の落し方も素敵。彼らはこの作戦が終了したあとにも、偶然を装った再会を果たし、いつまでも友人という関係を築いていって欲しい。彼らは秘密を共有する…なんて些細でお互いを縛り付ける関係でなく、ともに戦場を生き延びた戦友なのだから。

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2006/08/19

『殺してしまえば判らない』 射逆裕二

殺してしまえば判らない Book 殺してしまえば判らない

著者:射逆 裕二
販売元:角川書店
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ボクは一年前妻が死んだ家へとすべてを捨てて戻ってきた。

そこで出逢う女装の怪人物と気の良い住民たち。

なのに、次々と起こる不思議な事件は一体何なのだ?

図書館で予約した本は次々と届く…以下略。

『みんな誰かを殺したい』でデビューした射逆裕二の2作目がこの『殺してしまえば判らない』です。前作『みんな誰かを~』も多くの人間の邪な感情が渦巻くドタバタミステリ(失礼?)でしたが、本作『殺してしまえば~』も同様のドタバタミステリに仕上がっております。

ただ、肝心の妻の死亡の真相については、ちょっと無理がある…というか、想像し難い。その点については、探偵役である狐久保さんも懇切丁寧に解説してはくれているのですが…ちょっとねぇ。出来ないとは云わないが、相当難しいのでは?ただ、その真相の意外性なんかは、なかなか好みです。彼女の秘密はてんで別のところにあると読者に思わせるようにミスリードさせてましたから。ちょっとわざとらしすぎるので、そうではないと思ってましたが。ハッピーエンドにするつもりなのかな?と私なんかは思ってました。

さて、本作の名探偵は女装の怪人物・狐久保さんです。彼は元・凄腕検察官なのですが、パリッとしたスーツを脱ぎ捨て、本能の赴くまま女装を楽しむ(黄色が大好き)という、まさに怪人物です。頭脳の切れ味は最高。キャラクタも最高。これは新しいタイプの名探偵だわ。彼(彼女?)の存在だけで『殺してしまえば判らない』を読む価値があるかもしれない。人をついつい惹きつけてしまうタイプの名探偵です。

この『殺してしまえば判らない』ではいくつかの事件が発生するのですが、既に語った妻の死以外については、結構納得のできる推理が用意されているので、ミステリとしてもなかなか読み応えがあると思います。うん、オススメかも。

女装の怪人物・狐久保さんはこの作品のあとシリーズ化し、6月には『情けは人の死を招く』が発売されておりますので、早速チェックしたいと思います。北海道に行くを云っていた狐久保さんが、なぜか湯河原で事件に巻き込まれたようですが…それもご愛嬌でしょうか?

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『フラッタ・リンツ・ライフ』 森博嗣

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life Book フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life

著者:森 博嗣
販売元:中央公論新社
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僕は敵を墜とした日には必ずフーコのところへ行く。

フーコのところから基地へ帰る前に、ちょっと寄り道。

この寄り道が僕のパイロット人生を狂わせた?

の最中にも図書館で予約した本というのは届くわけで。

この「スカイ・クロラ」シリーズも既に4作目ですが、相変わらず相関図が読めませんね。『スカイ・クロラ』が時代でいうと最も最近で、『ナ・バ・デア』『ダウン・ツ・ヘブン』『フラッタ・リンツ・ライフ』とどんどん現在に近づきつつあることだけはわかるのですが。次回作でシリーズ完結の予定ですが、時代的には『スカイ・クロラ』の後になるのかしら。

本当に次作ですべての謎が解明されるのでしょうか。特にキルドレがどういう存在で、どういう未来を辿ってゆくのかが気になるところ。きっと解明されないのだろうな。時には解明されない方が良いこともあります。ミステリ作品であるならば憤慨ものですが、この「スカイ・クロラ」シリーズはミステリではないので、許容できると思います。

「スカイ・クロラ」シリーズを読めば読むほど、クサナギが好きになってゆきますね。できればクサナギには飛び続けて欲しいし、死ぬ場所は空であって欲しい。空の棺桶の中で、安らかに。相手がティーチャーなら…きっと天国か地獄の両極なのだと思います。

『スカイ・クロラ』を最初に読んだのはもう何年も前なので、すっかり忘却の彼方なのですが、シリーズが完結した暁には通しで読んでみようと思っています。個人的には完結編の語りは笹倉にやってもらいたいと思っているのですが。笹倉は最も長い時間をクサナギと過ごし、散香からクサナギを感じ取ることができているはず。その笹倉から見るクサナギ像が読みたい。

『フラッタ』はクサナギの超絶飛行がほとんど見られなかったのが残念。あの描写がとにかく好きです。なんだか中途半端なレビューですが、すべてのレビューはシリーズが完結した際に。

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『月は幽咽のデバイス』 森博嗣

月は幽咽のデバイス Book 月は幽咽のデバイス

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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オオカミ屋敷と噂される篠塚家のパーティに参加した阿漕荘メンバ。

そこで発見される血まみれの死体。しかし、死体のあったオーディオルームは密室状態で。

Vシリーズ第3弾。

も、ちょっと夏バテ気味です。

「デバイス」とは回路・システムの構成単位のことですが、日本語にしたって意味はよくわかりません。森作品のタイトルは得てして理解し難いものですが、日本語としての意味もよくわからないのはこの『デバイス』が筆頭でしょうか。

この『デバイス』は個人的感想として、あまり好みの作品ではなかったりします。や、館モノですか?綾辻行人氏の「館シリーズ」だと、こういう作品がくる!と事前に心構えができているので、すんなりと物語に入り込むことができるのですが、いきなりこの趣向の作品を読むとなんだか裏切られた気がするのです(あくまでも木の精。wood fairy)

このVシリーズには表の探偵と裏の探偵が居て、表は瀬在丸紅子、裏は保呂草潤平なのですが、彼らは解決へのアプローチ方が異なります。紅子が静であれば、保呂草は動。紅子がミス・マープルなら、保呂草はエルキュール・ポアロ(ポアロは違うだろ…ポアロは。ミス・マープルからの勝手な決めつけ)とにかく、解決編が始まる段階で、どちらも真相に気が付いているのですが、紅子は全員が観察した(できた)事象から真相を掴むのに対し、保呂草はやくざな仕事から知りえた独自の情報を活かして真相を掴みます。保呂草方式はアンフェア。でも、一人の探偵が起こった事象のすべて(表と裏)を把握できるとは思えず、読者に対してサービスする姿勢として生まれたのが裏の保呂草ではないかと、勝手に推測しております。

この『デバイス』で、保呂草さんのやくざな仕事の目的が明かされましたが、自分好みの作品を一時でも所有し、鑑賞できるというのは大変至福なことだと私も思います。私には美術品を鑑賞するという趣味は全く無いのですが、その作品を自分の思うまま、誰にも咎められることなく、余すことなく鑑賞できるという行為の崇高さや幸福感は想像することができます。その幸福を手に入れるために為す行為は犯罪ですが、保呂草さんにとっては法と危険を犯してまで手に入れたいものなのでしょう。一度くらいなら、お仕事をお手伝いしても良いのよ、保呂草さん。

さて、『デバイス』にはへっ君登場シーンが多くて嬉しい。へっ君が現在最も興味関心を抱いているのは植物の導管に関することです。紅子に聞くと「自分で調べなさい」と怒られるため、独り図書館に残って資料をあたるへっ君。めんこい。しかし、小学生に気圧と真空の仕組みを教える紅子も紅子ですが、それを正しく理解しているへっ君もへっ君です。聡明すぎます。そこが魅力的なのですが。独り閉じ籠ってなにかを考察する姿勢は、このころに築かれたものなのですね…。

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2006/08/16

『人形式モナリザ』 森博嗣

人形式モナリザ Book 人形式モナリザ

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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小鳥遊練無がアルバイトするペンションにやってきた阿漕荘メンバ。

避暑地で巻き起こる連続殺人事件。

犯人は神?それとも悪魔?

Vシリーズ突入で気分も一新。

この『モナリザ』も『デルタ』に続き、好きな方に分類される一作です。『デルタ』がキャラクタ紹介に多くの頁を割いていたのに対し、この『モナリザ』は全面ミステリ色。とはいっても、トリックは結構容易で、紅子さんや保呂草さんと同時にトリックを解明することが可能だと思います。解決編で紅子さんが語るアプローチ法に気付けば、一目瞭然。

S&Mシリーズではwhy?ではなくhow?にとにかく主軸が置かれていたのに対し、このVシリーズではhow?ではなくwhy?に主軸が置かれることが多い。『デルタ』も『モナリザ』もそうでしたね。だからといって、why?ばかりを追い求めたふにゃふにゃなミステリ(動機から犯人を解明するタイプのミステリって、一番苦手なんです、私。だって、解るはずがない。自分以外の人間の思考なんて。自分の思考だって暴走することがあるのに)にはならないところが森博嗣のすごいところです。

哲学的と云いましょうか。絶対に犯人がそんな崇高なこと考えているとは思えないのですが、紅子さんも保呂草さんも人生の酸いも甘いも経験してきているだけに、れんちゃんはなまじ頭が良いだけに、思考のハードルが高い。そこでしこさんの出番なわけですが。しこさんは、哲学者3人と世間との中和剤。彼女がいなかったら、きっとこの4人のレールは併走することが無かったと個人的に考えます。しこさんは保呂草さんさえ諦めてくれれば(このコメントに個人的な感情は一切含まれておりません)もっともっと良い子なのに。

さて、『モナリザ』にいよいよ祖父江七夏が登場致しましたね。祖父江さんと彼女の娘が一度だけ見せた核の部分は本当によく似ている。どちらも強い女性ですね。その意味では祖父江さんも嫌いじゃない。やっぱり悪いのは林さんなんだよ。なんで林さんばっかりもてるんだよ…。祖父江さんと紅子さんがどうやって和解したのかを想像するのが私の趣味です。二人とも林さんに見切りをつけて仲良くなった…なんてシチュエーションが多いのが玉に瑕。だって、事実に反しているもの。

この『モナリザ』で私が一番気に入っているのが、ビートルのエンジンのくだり。街でビートルを見かける度に、薄オレンジの保呂草ビートルを必ず連想します。私は車ではMINIがとにかく好きで、絶対いつかMINIオーナーになると誓っているのですが、MINIもビートルもシトロエンもモデルチェンジ前の方が絶対素敵でしたよね。シトロエンなんて、どんどん現代的になっちゃって。シトロエンのオールドカーならMINIを諦めても良いかな、と思えるほど好きです。とにかく、あのシーンで祖父江さんがビートルに触れていたら…と空想するのも私の趣味です。

今回のレビューは段落毎に話がぶつ切りですね。眠いのかしら?

それでは最後に今日のへっ君のコーナーを。『モナリザ』にはへっ君の登場シーンは無いのですが、どうやら学校のプールに行っている模様ですね。あのネットの水泳帽をかぶるへっ君…萌える。色は是非ブルーで。

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2006/08/15

『黒猫の三角』 森博嗣

黒猫の三角 Book 黒猫の三角

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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11歳、22歳、33歳とぞろ目の女性が殺害される連続殺人事件が発生。

44歳の誕生日を迎える女性から護衛の依頼を受けた保呂草は事件の発生を防ぐことができるのか?

S&Mシリーズに続く、新シリーズがここに開幕。

第二部開始でございます。

もう何度も申し上げておりますが、私はS&MシリーズよりもこちらのVシリーズの方が好きだったりします。それはすべて…

保呂草・愛

の為せる技だったりします。もう、森博嗣が創造したすべてのキャラクタの中で彼が一番好き。四季に彼が登場したときも、Gシリーズに彼が再登場したときも、狂喜乱舞し、その夜はなかなか眠ることが出来ませんでした。のび太くん並に睡眠導入が高速な私がです。犀川先生よりも好きだっていうんだから、もう筋金入りです。

保呂草さんにハマったきっかけはVシリーズ第2作の『人形式モナリザ』です。『デルタ(黒猫の三角をこう呼んでおります)』の“あの素敵”な保呂草さんも悪くはないのですが。なんでも屋ではなく、探偵でもなく、本職のあのお仕事をされている保呂草さんを想像するのが(読むのが)大好きなのです。

というわけで、Vシリーズ。はっきり云って、紅子さんは読者から嫌われる要素たっぷりですよね。もしかしたら西之園萌絵以上に嫌われているのでは?私は林さんの前で甘えてみせる紅子さんや、『デルタ』には登場しない例の女性と火花を散らしまくっているファイター紅子が結構好きなのですが、私の周りには「紅子さんのキャラがどうも合わなくて…」とVシリーズを倦厭している友人が結構います。でも、彼女はいなければ我等がへっ君も産まれてこないわけでさ。

そうそう、S&Mシリーズのレビューでは各作品のfavorite wordという企画(?)をやっていたのですが、Vシリーズでは今日の(今日の?)へっ君という企画でへっ君の可愛らしさを紹介してゆこうと思っております。『デルタ』のへっ君といえば“牛乳とコーンフレークが一番好きで、幸せだ”とニュートンを読む姿です。かなりごちゃまぜに脚色してますが。あぁ、可愛い。親が離婚しても、すくすく育つのですよ。

さて、『デルタ』ですが、この作品はVシリーズの中でも1、2を争うほど好きです。私、Vシリーズは『人形式モナリザ』から読み始めたんですよ。すっかり先入観の塊の頭脳に『デルタ』を入れたものですから、もうすっかり混乱してしまって。この“『デルタ』を意図的に2番目に読む”ってのは結構衝撃を味わえますよ。オススメはしませんが。1番目に読んでも、充分衝撃的だと思いますし。

ここからはVシリーズ未読の方は決して読まれませんように。本当に。

そういえば、私がVシリーズ全体に仕掛けられたトリックを知った(気付いたとは口が裂けても云えない)のは8作目の『捩れ屋敷の利鈍』を読んだあとです。あのトリックは下手にネットで調べたりせずに『赤緑黒白』を読んで、純粋に驚いてみたかったと思います。きっと絶叫していたし、いまでも後悔していたりする。でも、気付くきっかけはシリーズの至る所に潜んでいるし、もし些細なひっかかりを感じたら、とことん考えてみたら良いと思います。そして、森博嗣の偉大さに鳥肌を立ててください。というわけで、トリックを知ったあとでじっくりVシリーズを読み返すのは実は初めてなのです。今回はそのあたりにも注目して、読んでゆきたいと思っています。

でも、『地球儀のスライス』に収録されていた「気さくなお人形、19歳」はあのトリックの元に描かれていませんよね?登場するものとか、表現とかが…ねぇ?

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2006/08/14

FROM INSIDER TO OUTSIDER

中学校1年生レベルの英語力しか持ち合わせていない私(えいごづけがそれを証明済)。タイトルはこれが精一杯なのです。

せっかくS&Mシリーズを一気に読み切ったので、総括…というか個人的なランキングをやってみたいな、と。好き嫌いなんてまったく個人的な感情であって、十人十色。でも「あぁ、このブロ愚の管理人はこんな森作品が好きなんだ」と私を知っていただく意味も、このランキングにはあるのかな?と思います。

それでは、いよいよ、お待ちかねのランキングです。

 1.今はもうない(8作目)
 2.夏のレプリカ(7作目)
 3.幻惑の死と使途(6作目)
 4.封印再度(5作目)
 5.すべてがFになる(1作目)
 6.笑わない数学者(3作目)
 7.冷たい密室と博士たち(2作目)
 8.有限と微小のパン(10作目)
 9.数奇にして模型(9作目)
10.詩的私的ジャック(4作目)

以上の結果…で本当に良いのかとしばし悩む。いや、実際のところ2~4位のあたりはかなり迷いました。できれば同位入賞にしてあげたい。でも、それじゃあせっかくのランキングの意味が無い!!

このランキングについては、自分が物語に容易にのめり込めたか?が焦点となっております。読むのがしんどかった作品については、自動的に下位へとランクイン…『詩的私的』は結構辛かったですね…。その点、『今はもうない』なんて、あっという間の読了でした。『今はもうない』『夏のレプリカ』に関しては、根底に流れるトリックが私のリズムと一致するというか、もう純粋に好みです。好きです。

でも、下位の作品だって、そこらのミステリ読むよりはずっとずっと面白いと感じましたし、森作品のクオリティの高さにいつもいつも驚かされました。どの作品を除いても、シリーズは成り立たないというか、彼女たち(多くは西之園萌絵)の成長の過程をじっくりと読ませてもらったというか。もう人格形成は終了しているとも云える犀川先生までもが、この10作であれだけ変貌を遂げられたのですから。

森作品の魅力はなにか?と聞かれたら、私はいつも「スマートな文章に秘められた機能美」と答えるようにしています。日本語って、英語に比べるとどうしてもまわりくどい表現を使いがちですが、森作品では言葉の選び方ひとつをとっても無駄が無い。日本語の機能を充分に理解して使用されている感じがとにかく好きです。犀川先生の意味のないジョークだって、いつもいつも美しくって、あんな風に迅速な思考を手に入れることができたら、どんなに素敵なのだろう、といつも羨ましく思います。

Vシリーズではこの「機能美」が若干薄れる(というか、言葉で煙に巻いている)のですが、S&Mよりも好きなシリーズだったりしますので、頑張ってレビューを続けたいと思います!

終了まであと14作!

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2006/08/13

の、のだめで月9?

ネッ逃避行していたため、この衝撃ニュースを私が知ったのは今日です。

のだめが月9ですって!?

のだめ役は上野樹里ちゃんですか…悪くないですね。

千秋様は玉木宏さん…予測不可能ですね。

シュトレーゼマンは竹中直人さん…日本人でキャスティングするなら、彼しかいない。絶妙。

あとのキャスティングは調査しきれませんでした。公式見つけてきました→こちら

瑛太くん、水川あさみちゃん、小出恵介くんらのお名前を拝見致しましたが…瑛太くんが峰くんだと推測されますね。水川あさみちゃんが彩子さんですか?まさか水川あさみちゃんが清良ちゃんだとは…っていうか、Sオケのところまでやるんですか。

しかし、私のはどうしても譲れないポイントが。

真澄ちゃんがアフロにちょびひげじゃなかったら、本気で怒るよ!!

そんなの真澄ちゃんじゃないもの。どんな真澄ちゃんが登場するのか、いろんな意味で楽しみです。

公式見つけてからの追記:小出くんが真澄ちゃんの時点でアフロは無理ってなもんですか?がっくり。あとはもうクロキンをどんな美形が演じてくれるのかが、唯一の楽しみってもんです。

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『有限と微小のパン』 森博嗣

有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER Book 有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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許婚が経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵。

そこで起こった殺人事件に見え隠れするあの天才の影。

S&Mシリーズ最終巻!

やっぱり我が家のパソコンは良いわぁ。このキーボードを叩く感触が帰ってきたことを実感させます。

もようやく第一部が終了。

この『パン』はそのトリックがとんでもない。それをする価値があると思わせてしまう西之園萌絵がとんでもないと云いましょうか。この行為を悪趣味な遊びと云い切ってしまうことは簡単ですが、人間には遊びという名の休息が必要です。キャパシティの大きな頭脳で描かれる遊びは、その規模が肥大化してしまうことは必至。もちろん常人には理解できません。これは天才が天才に仕掛けたゲーム。常人からどのように理解されるかなんて、瑣末なことなのです。

と、西之園萌絵が天才であるかのように書きましたが、彼女はこのシリーズの中で決して天才ではない。彼女の行動が突飛に見えるのは、彼女が天才ではなくお嬢様であるからだ、と私は定義しております。このシリーズにおける天才は真賀田四季博士ひとりだけだと私は思っております。犀川先生も天才ではない。でも、彼は天才の側面を理解できる、一片を持ち合わせている。その一片を発揮(使用)し続けていられるかどうかが、真賀田四季と犀川創平の違いです。

と、真面目に考察しているかのように見せかけて、『パン』の中で私が一番気に入っている(気になっている)のは反町愛ちゃんだったりします。彼女の話し方、行動がどうしてもVシリーズの彼女と重なる。正確には彼と彼女を足して2で割った感じ。名字も違うし、決して彼女が彼らから産まれたのでは無いことを知っているのですが。逆に彼女から彼らが生まれたのだと良いなと、個人的に願っています。

そして、国枝女史。彼女は巻を重ねるにつれて素敵になってゆきますね。なにが彼女をそうさせたのか?きっと結婚相手(国枝桃子談)のおかげかと思いますが。「双頭の鷲の下で」(『地球儀のスライス』収録)だけでも読み返そうかしら。それを云ったら「いつ入れ替わった?」(『虚空の逆マトリクス』収録)だって読み返さないと。うーん、やっぱりブログジャック計画に短編集も入れるべきであっただろうか…。

全然、『パン』について書いておりませんが、やはり10作も同じネタでレビューを書き続けるというのは厳しくなってゆきますね。次回からはVシリーズ、気分も一新頑張ります!

最後に『パン』のfavorite wordを。

「塙さんか、あるいは、真賀田博士です」
「僕は含まれていないのですね?」
「藤原さんって、塙さんか、真賀田博士なのですか?」

もっと気に入ったフレーズがあったはずなのに、あの厚さのどこかに紛れ込んでしまった…。

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2006/08/12

『数奇にして模型』 森博嗣

数奇にして模型―NUMERICAL MODELS Book 数奇にして模型―NUMERICAL MODELS

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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模型マニアの集まるスワップ・ミートの会場に現れた首なし死体。

首なし死体といっしょに密室内に閉じ込められていた男が容疑者として疑われるが?

S&Mシリーズ、ラスト直前の第9弾。

いよいよ、9作目まで参りましたか。帰省して、映画観に行ったり(「M・I・3」と「デスノ」を観ました)DVD観たり、パチンコに行ったりして、てんで読書に集中できてないですね。予定では今日までに『有限と微笑のパン』まで到達するはずだったのですが…。

さて、本作には最強のお嬢様・西之園萌絵の最強の従兄弟・大御坊安朋の初登場です。この『数奇模型』には映像として見てみたい場面がわんさか登場致しますね。まずはもちろん、萌絵のコスプレ姿×2。個人的にはナースを犀川先生の前でお願いします。犀川先生ってば、なんでも学内の保険センタで済ませようとするんだから。そして、なにより肝心なのが大御坊安朋の振り返らずにはいられないそのファッション。一体、どんなファッションなのでしょうか?萌絵の紫の口紅を超えるのでは?私が会話のみから推測する(つまり描写の記述を無視する)大御坊さんはちょっと小太りな禿げかかったおじさま(うん、気持ち悪いね)なのですが、実際はちょいワルオヤジを連想すれば良いのかしら?

他にもペットボトルロケット(安易だが、適切なネーミングだ)も見てみたいし(夜光塗料を使ってくれると、ブラックライトで光って綺麗だと思います)犀川先生のメガネが廊下まで吹っ飛ぶ場面も見てみたい(犀川先生、無茶しすぎです)とにかく、読者の想像力を刺激する作品であったと思います。

でも、この殺人的な厚さはなんなのでしょう(京極氏程では無いが)事件そのものに、あんなに頁数を厚くさせる要因って無かったと思うのですが。国枝女史くらいシンプルに設計していただけると助かります(きっと3分の1くらいの厚さになるのであろう。いや、むしろカバーだけとか…)

この『数奇模型』はミステリ慣れした読者ほど、そのトリックにひっかかってしまうという危ない作品です。警察の鉄則であるアレを逆手に取ったトリック。巧い、と思いましたよ。だって、そんなシンプルな型はいまのミステリ界ではお目にかかれませんもの。いかに、小説が現実離れをしているかを思い知らされた一作。

S&Mシリーズも残すところ1作。この1作が曲者(というか、厚い)なのですが、なんとか帰省中に(あるいは、帰りのJRの中で)読み切ってしまいたいものです。しかし、レビューを書くために読んでいるのか、作品を楽しみたくて読んでいるのか、あやふやにありつつある自分が気になります。でも、やっぱり面白いんですけれどね!

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2006/08/11

名探偵コナン「ベイカー街の亡霊」

名探偵コナン・ベイカー街の亡霊 DVD 名探偵コナン・ベイカー街の亡霊

販売元:ユニバーサルJ
発売日:2002/12/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する

帰省の度にDVDを大量にレンタルしては、部屋に籠もる私。篭城作戦ですか?親がよく「なんのために帰ってきているんだか…」と呟きます。だって、実家の地域ではレンタルが安いんだもの。

さて、今回ももちろんコナンをチョイス。映画作品のレビューはこれで8作目ですか。結構頑張ってるな、自分。この「ベイカー街の亡霊」はホームズ&ジャック・ザ・リッパーの登場ということで、喜び勇んで劇場まで鑑賞に行ったという、苦い思い出が詰まった一作です。なぜ、苦い思い出かって?それはね…

期待したほど面白くなったからだよ!!

いや、ホームズファンには垂涎もののネタがたくさん詰まっているのですが(云い換えれば、ホームズファン以外の人間にはなんのこっちゃいなネタばかり)肝心のホームズが登場しないんじゃよぉ!!しかも、優作パパをモデルにしている割にはカッコよくないし…優作パパの魅力はやっぱりあの髭でしょ!?いや、優作パパファンにも垂涎もののシーンも山ほどあるのですが(だって、サブの事件を解決する探偵役ですもの)それにしたって、とびっきり魅力的なネタ(ホームズやらJ・T・Rやらロンドンやらのことを指します)を反則だろ!ってくらいに使っているのに、肝心の推理パートが弱いんだもの。

確かに、ひとつの作品に名探偵をごろごろ登場させる必要はないのですが(清涼院流水氏のJDCシリーズは別です)ホームズとコナンの夢の競演は見たかったさ!ただ、競演させてしまうとどうしても優劣が付いてしまうから、それは避けたかったのかな?とも思います。コナンにとって、いつまでも憧れであり、超えられない存在としてホームズが居た方が良いのかもしれません。それが羨望の対象ですから。

さて、御馴染みの有り得ないネタをいくつか。まずは、有り得ないわけではないが、どうしても云いたい、云わずにはいられない一言。

ワトソンはワトスンじゃねぇ!

嗚呼、こんな言葉遣いをしたら、睦子叔母様に叱られてしまうわ。でも、やっぱりワトスン表記は子供の頃から親しんできたホームズ作品が贋物だったと云われているような気がして厭なのです。私の中ではワトソンはワトソンなのです。

あとはね、コクーン(次世代ゲーム機)の中では怪我をしたり、警察に捕まるとゲームオーバーになってしまうとのことなのですが、拳銃で撃たれてしまった元太くんや、ウィスキー瓶で殴られた歩美&光彦チームがゲームオーバーになる理屈はわかるのですが、像の下敷きになったわけでもない哀ちゃんがゲームオーバーになってしまうのは解せない。いや、もっと哀ちゃんが観たかったという哀ちゃん贔屓の戯言なんですがね。哀ちゃんがあれでゲームオーバーなら、最後のコナンもゲームオーバーだろうと。戯言なんですけど。

今回の大ボス・ヒロキくんに関しては切ないですね。彼の最後の一言、「人工頭脳はまだ生まれるべきではなかった」(←既にうろ覚え)がぐさっときました。天才とはいつの時代も理解されないものなのでしょうか。ガリレオの地動説だって、認められたのは彼の死後だったわけですし。天才とは、生まれてくるのが早かったからこそ天才なのでしょうか。

「ベイカー街の亡霊」は悪くないけど、中途半端にマニア向けにするなら、徹底的にマニア向けにして欲しかったという、ちょっと中途半端な作品という印象。悪くないのですけれど。

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2006/08/09

『今はもうない』 森博嗣

今はもうない―SWITCH BACK Book 今はもうない―SWITCH BACK

著者:森 博嗣
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

婚約者と避暑のためやってきた別荘で出逢った不思議な女性。

笹木は婚約中の身でありながら、彼女に惹かれてゆく心を抑えられずに。

彼女の気をひくために、別荘で起こった密室殺人事件の謎に挑む。

いつもならまずブログジャックのバナを貼り付けるところなのですが、如何せんネカフェでの更新。森博嗣が一発変換できなくて、苛々。西之園も一発変換できなくて苛々。やっぱり自前パソじゃなきゃ駄目だ。

さて、この『今はもうない』はS&M作品のなかで、私が一番好きな作品です。『すべF』で真賀田四季博士は「7は孤独」という有難いお話をしてくださいましたが、S&Mシリーズではこの8作目にあたる『今はもうない』が孤独な存在です。Vシリーズでも8作目の『捩れ屋敷』が孤独。

まず、森博嗣の仕掛ける叙述トリックが秀逸です。私は初読の際、まんまと引っかかりましたよ。最初のモノローグで気付いたっておかしくないのですが、漢字が違うだけであっさり引っかかる単純人間なんです…。

私はミステリのジャンルの中で、叙述トリックものが一番好きです。本来ミステリとは名探偵と犯人の対決が描かれる作品類ですが、叙述トリックもののミステリは読者と作者が対決できる場だからです。騙されることを快感に感じることのできる場なんて、そうそう出逢うことはできない。もちろん、仕掛けるトリックが大きすぎるせいで、名作と駄作の明暗がはっきりと分かれてしまう危険なジャンルではあります。はっきり云って、駄作の方が多い。だからこそ、名作に出逢ったときの感動が大きなものになるのですが。手っ取り早く名作に出逢いたい場合は、折原一氏の「倒錯シリーズ」をオススメしております。

さて、『今はもうない』は肝心の密室トリックなんてどうでも良くなってしまうくらい、笹木さんの恋話が秀逸です。只者じゃないと思っておりましたが、やっぱり只者じゃ無かったね、彼女は。この『今はもうない』があるからこそ、彼女がどんな奇想天外な言動を取ったとしても納得できてしまう。そりゃ、彼女は役所より強いさ。(嗚呼、めちゃくちゃネタバレしてる。予告も無しに…)

とにかく、私のレビューを読む前に、本作を一度お読みください。願うならば、いきなり『今はもうない』を手に取るのではなく、シリーズの8作目として。8作目というこのタイミングで読むことに意味がある作品だと思います。

ネカフェの退出時間が迫っておりますので、今回の中途半端なレビュー。『レプリカ』の手直しもできなかった…。自前パソの元に戻りましたら、一気に修正をかけよう。

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2006/08/08

『夏のレプリカ』 森博嗣

夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER Book 夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER

著者:森 博嗣
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

西之園萌絵の親友・簑沢杜萌が遭遇した誘拐犯殺人事件。

誘拐犯2人を殺害した第3者とは一体誰だったのか?

そして、その狙いとは?

第7回生です。そろそろ卒業したい。

ブログジャック計画がスタートしてから、2日に1冊のペースで森作品を消化しております。予定していたペースより若干遅め?1日半で1冊読まないと、『λ』に間に合わないのに。

さて、今回のレビュー作『夏のレプリカ』は森作品らしいアンフェアな作品です。アンフェアがらしいって、一体どういう理屈なのでしょうね。計算され尽くしたアンフェアですが、再読してみてやっぱりきわどいと感じます。

ミステリのお約束として「地の文では嘘の記述をしてはならない」というルールがあります。この『レプリカ』ではそのルールに抵触している。『レプリカ』の記述は8割方、簑沢杜萌が請け負っているのですが、この杜萌像を読者がどう捉えるかがトリックに気が付くか否かの分かれ目です。西之園萌絵ビジョンで杜萌を捉えてしまっては、確実に罠に陥ります。陥るように仕掛けられているのだけれど。

ミステリ作品としては掟に抵触している以上、高評価を付けるわけにはゆきませんが、S&Mシリーズ作としては私の中でかなり上位にランクインする本作。萌絵や犀川を客観視した状態で眺めることができるからでしょうか。シリーズの中でも、萌絵が最も好ましい人物として描かれていると思います。

あとは衝撃のラストですね。私はあのラスト嫌いじゃないです。これまでの3時間(『レプリカ』の読了時間)はなんだったんだ?という終わり方ですが、そもそも『レプリカ』で描かれていた事件とは誘拐犯殺人事件の方だったわけですから、あちらはあれで良かったのだと思います。その機会は充分にあったわけですから。機を見るに敏ですね。

嗚呼、時間が無い(帰省の時間まであとわずか)ため、文章を充分に推敲することができません。後日、ネカフェで調整することに致しましょう。好きな作品だけに、この思いつきレビューでは納得ゆかないわ。だって、あのチェスの名シーンについて、なにも書けていないじゃない!

それでは最後に『レプリカ』のfavorite wordを。

「あら、嫌いなのに、コンピュータのことを勉強しているの?」
「医学部の人って、病気が好きな人たちですか?」

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2006/08/07

『DEATH NOTE‐ANOTHER NOTE』 西尾維新

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 Book DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

著者:西尾 維新,大場 つぐみ,小畑 健
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

世紀の名探偵・Lがキラと出逢うまでに手掛けた「ロサンゼルスBB連続殺人事件」

Lが解決した3500の難事件の中でも、この事件は3指に入る貴重な事件だった。

そして、『DEATH NOTE』に欠かせないあの女性捜査官も登場!

の真っ最中なのに…。

日帰り旅行に出発した私ですが、合議制のもと急遽一泊旅行に変更になりまして、夜のホテルのお供に…と旅先でチョイスしたのが、この『DEATH NOTE‐ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件‐』なのでございます。伊坂幸太郎氏の『重力ピエロ』文庫版の購入を考えていたのですが、残り2冊しかなかった『BB事件』を目の前で男性が1冊購入して行ったのを見て、「残り1冊を私が買わずに誰が買う!」とSOLD OUTにしてやったわけです。

さて、『DEATH NOTE』本編と私の“お付き合い進展度”ですが、Lがキラに殺害される直前までコミックスを購入していたという、なんとも中途半端なお付き合いなのです。例えて云うなら…友達以上恋人未満デートは3回まで…みたいな?Lとキラの駆け引きの具合がなんともじれったくって、今なら高価買取!に思わず負けてしまったわけです。例えて云うなら…高学歴のお医者様とお見合いが決定!…みたいな?

でも、今回のノベライズはLがキラと出逢う前に手掛けた事件が題材でしたので、NOTEも死神も登場しません。ただ、『DEATH NOTE』の世界観はそのままに。Lの存在がそもそも世界にとって規格外なのですが、規格外の世界には規格外の存在がよく似合う。そこに、規格外の奇才・西尾維新とくれば、もう怖い物無しではありませんか?

というわけで、肝心の内容でございますが、あれ?規格内?

おもしろいです。確かにおもしろいです。でも、西尾維新色が薄い!原作の存在が大きすぎて(人気が有りすぎて)西尾維新特有の遊びが少ない。もっともっとトリッキーでファンキーな西尾維新ワールドを望んでおったものですから。

本格ミステリとして眺めたとしても、ちょっと物足りない。サクサクサクサクとストーリーが予定調和に進んでしまうので、推理する時間も必要も無い。トリックもミステリ作品としてはよく見られるもので、なんとなくピンときてしまいます。だって、他に考えようがないもの。それがまた残念で。

でも、おもしろいんですよ。既存作品のノベライズの中では、きっとずば抜けておもしろい。他者が創造した既存の世界をここまで活かして、新しい世界を構築するなんて、きっと並の作家ではできないと思います。読む価値は充分にあると思います。1000円以上の本はどうしても高いと思ってしまう私ですが、買って損したとはまったく思いませんでしたよ。

同時発売の『×××HOLIC』のノベライズはどうなのでしょうか?『HOLIC』は『ツバサ』で得られる知識しか持ち合わせていないのですが…(しかも『ツバサ』も途中で売っちゃった☆)また今回のように“旅のお供に1冊”という機会があれば、そのときは『HOLIC』の方を購入したいと思います。

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2006/08/06

『幻惑の死と使途』 森博嗣

幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC Book 幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

著者:森 博嗣
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

天才奇術師・有里匠幻がミラクルエスケープの最中に殺害された。

さらに、死体が霊柩車から消滅して?

マジシャンに囲まれたマジカルなミステリ。

第6回戦でございます。

この『幻惑の死と使途』は次回のレビュー作『夏のレプリカ』と対になっていて、奇数章のみで構成されております。『夏のレプリカ』は偶数章。こういう趣向で読者を楽しませることができるのが、森博嗣という作家です。そして、この『幻惑の死と使途』発刊の時点で、森博嗣という作家がある程度のステイタスを確立していたことが窺えますね。ペーペーの作家なら、一見落丁かと思わせるようなこのアイデアを出版社が許可するとは思えないもの。

さて、この『しとしと』を読み返して、一番驚いたのはGシリーズで御馴染みの加部谷恵美ちゃんが登場していたこと。Gシリーズで何度か語られた“西之園萌絵といっしょに遭遇した殺人事件”というのが、これだったのですね。全然、覚えてなかった…。いつか短編あたりで発表されるのかな?なんて悠長なことを考えておりました。森ファンとして失格。Gシリーズ執筆にあたって恵美ちゃんの存在を思い出したのか、いつかGシリーズを書こうと思って『しとしと』に恵美ちゃんを登場させておいたのか、真相は森博嗣にしかわかりませんが(いや、さすがに後者だと思いますが)本当にシリーズ全てがリンクしているのだなぁ。一作たりとも逃すことはできませんね。

この『しとしと』は西之園萌絵が決してワトソンではないことを証明した一作でございました。萌絵がワトソンではないことは、森博嗣自身が公言していることではありますが、読者はこの『しとしと』までは確実に誤解していたはず。萌絵は決して電卓ではなくてよ。(高田崇史の作品に名言があります。「(パスルの)解き方がわかったとしても、そこから、電卓やエクセルや西之園萌絵が必要になっちゃうようなやつなんだ」by『試験に出るパズル』)私が高校生のころは、西之園萌絵という存在が傲慢であまり好きではなかったのですが、再読を重ねるにつれ、彼女の愛らしさや弱さに気付くことができるようになってきました。犀川先生が彼女にどうしても甘い理由がなんとなくわかった気がします。ただ、やっぱり友達にはなれないと思ふ。あと、盤も無いのにチェスはできません…。

次回は西之園萌絵に負けじと劣らない簑沢杜萌の登場です。彼女も盤無しでチェスができてしまう超人。でも、私は彼女が好きで、それに付随して『夏のレプリカ』も好きです。いつか、『しとしと』と『レプリカ』を交互に(章が連なるように)読んでみたいと思っています。

それでは、『しとしと』のfavorite wordを。

「最高に綺麗なスイッチだね」

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2006/08/04

『封印再度』 森博嗣

封印再度―WHO INSIDE Book 封印再度―WHO INSIDE

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で死を遂げた日本画家。

そして、50年経った今、事件が再現され?

もちろん、事件を解決するのは犀川&萌絵。

第5ステージでございます。

『封印再度』の副題は「WHO INSAIDE」。日本語で読んでも英語で読んでも“ふういんさいど”になりますよ、という素敵副題です。このネタではもっとすごいのがあるのですが、内容との一致を鑑みると『封印再度』の方が秀逸かも。

『封印再度』を初めて読んだときは、そのトリックに限りなく衝撃を受けました。基本的にミステリでは未知の毒物とか未発見の薬物の登場はご法度なのですが、この『封印再度』は単に私の知識レベルが足りなくて知らなかった、しかし限りなく透明に近い…もとい限りなくアンフェアに近いトリックが用いられております。

だって、普通に生活している人間は知らねぇよ!

一斉読者アンケートを実施してみたい。テーマは「貴方は『封印再度』を読む前にトリックに使われたブツの存在を知っていましたか?」もちろん、トリックが解けたかどうかが焦点ではございません。知っていたか否かです。他の作家さんに比べると、森作品は理系の方が読んでいる確立が高いとはいえ、絶対に一桁台だと思う。でもね、↑のように絶叫しておりますが、読了後まったくアンフェアに感じなかったのです。そこが、森ミステリ。「知らなかった私が悪ぅございました」とさえ思ってしまうもの。これが他の作家さんの作品なら、私はきっとぼろくそに批評していることでしょう(つまり、これまでのレビューは批評では無い)

というわけで、知識レベルにはちょっと自信があるの…と云う方は、是非挑戦してみてくださいませ。

さて、この『封印再度』には衝撃トリックを上回る衝撃出来事がございましたの。別に云っちゃっても良いよね?事実よりもその過程が面白いわけだから…それはね、

犀川創平氏、プププ・プロポーズ!!!!

創平くんったら、思い込み激しすぎます♪この衝撃プロポーズは、過程を楽しんでいただきたいので多くは語りません。とにかく、猪突猛進の創平くんを皆様お楽しみください☆そして、睦子様最強!!

『封印再度』はS&Mシリーズの中でも中盤に相応しい刺激的な一冊で、とても印象深い作品です。S&Mのベスト3に食い込んでくるかも。10作全部読んだら、小休止としてベスト10をやってみるのも良いかも。

それでは、最後に『封印再度』のfavorite wordを。

「この怒りはね」「記念碑にしたいぐらいだ。毎年四月はアニバーサリィだよ。」

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2006/08/02

『詩的私的ジャック』 森博嗣

詩的私的ジャック Book 詩的私的ジャック

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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僕はサインを残すだけ

君はそのまま眠るだけ

すべて、素敵なイーコールのために

第4カーブに差し掛かりました。

この『私的詩的ジャック』は、素敵なフレーズが多いのが印象的。いつもは最後にやっているfavorite wordをド頭でやってみようかと思います。

「じゃあ、中国まで行ったら」
「え?」
「私なら、行くよ」

これは、犀川の帰国を待てない萌絵に人類最強・国枝が仰った台詞。

「それは、たぶん、原理がわからなくても、問題が解けるようにするためだ」
「そっちの方がおかしいわ。それって、人を馬鹿にしていますよね」
「正しい」
「ありがとうございます」

これは、力学のレポート(私は力学がどんな学問かもわからない)を解きながら、犀川と萌絵が交わした会話。

「もし、何も出てこなかったら、どう説明していただけるのかしら?」
「失われたデータがどれだけ意味のあるものだったか、貴方たちに四時間はお話を聞いてもらいますよ」

これは、これは子どもを殺された藤井女史の言葉。

「私…」「明後日までは、とえも待てない」
これは、今は結婚できないね、と犀川に云われたときの萌絵の台詞。

そして最後に
「愛しているんだ」
「英語で言える?」
「全部、わかってるみたいですね」

ずべての真相。

『詩的私的』を読んだことの無い方にとっては、「なんのこっちゃい?」なレビューになってますねぇ。読んだことのある方だって、「あんたの備忘録に付き合ってられねぇぜ!」という感じ?

『詩的私的』の中で、私が最も腑に落ちないのは靴の事です。犀川が靴のことを怪傑ズバット云い当てるだけのデータってありましたっけ?少なくとも、そのデータは私の中には蓄積されていなかった。犀川&萌絵の進展っぷりに夢中で、事件を無意識下に終い込んでいたからですかね?

今回の事件は骨子はシンプルなのですが、ポエマーな彼等のポエティックな言葉に惑わされてしまった感が有り。

最後に、金子くんは好青年です。

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2006/08/01

みんなの読書癖●北海道の七夕は8月なんだけど編

こんばんわ!まじょ。です☆

月イチでお送りしております、みんなの読書癖7月編でございます。趣旨説明はみなさまもうよろしいか?

ACRWEBのページアクセスランキング●からご紹介!

1 ○名探偵コナン 49
2 第135回直木賞候補 39
3 ●麻耶雄嵩 37
4 第135回直木賞決定 35
5 ○スレイヤーズ 34
6 『風光る 20』 32
7 ●坂木司 29
8 ○ガラスの仮面 25
9 ●辻村深月 21
9 ●西尾維新 21

今月は直木賞マンスなだけあって、直木賞ネタが強かった…というコメントを考えていたのですが、最後3日間くらいでグググッと名探偵コナンが追い上げてまいりました。理由はコナン実写化にちげぇねぇ。実写か…。麻耶雄嵩の3位ランクインは、まったく理由がわかりませんの。知らないうちに新刊出してる?あとは、スレイヤーズと『風光る』を読んでもらえているのが嬉しいですね。最も申し訳ないのは辻村深月。カテゴリあるくせに『ぼくのメジャースプーン』のレビューしか書いてない…急いで他作品のレビューも書かなきゃ。ページランキングの次点はみんなの読書癖○ジューンブライド編でございます。相変わらずの勝○涼くん効果に違いない…大変申し訳ない…。

track wordランキング●に続くわよ。

 1. 風光る(28)
 2. 直木賞(23)
 3. スレイヤーズ(20)
 3. 名探偵コナン(20)
 5. 坂木司(18)
 6. 麻耶雄嵩(16)
 6. ガラスの仮面(16)
 8. 辻村深月(12)
 9. FF12(10)
 9. 気分は名探偵(10)
 9. 135(10)

こんなんでましたけど。基本的にページランキングと変わりないですね。風光るの1位は嬉しいなぁ。こりゃ、新撰組カテゴリの新設も考えないとならないわね。新撰組ものばっかり集めたカテゴリ…ちょっと楽しくなってきた☆

というわけで、今回もミステリブロ愚らしからぬ結果に意気消沈。次回のみんなの読書癖○ろうそく出せよ編では森博嗣ブログジャックの影響がどんな風にでるのか、非常に楽しみでございます♪

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