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2006/07/14

『霧の迷宮から君を救い出すために』 黒田研二

霧の迷宮から君を救い出すために Book 霧の迷宮から君を救い出すために

著者:黒田 研二
販売元:実業之日本社
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脳を損傷し、動くものを認識できなくなってしまった僕。

自らの巻き込まれた事件の真相を探るため、僕は霧のかかった世界の中を進む。

密室のシェルターで起こった殺人事件の真相とは?

『今日を忘れた明日の僕へ』テイストの作品でしたね。脳に損傷を起こして…という設定もそうですが、全体を流れる雰囲気が近い。クロケンのこの手の作品はちょっと物足りなく感じてしまう私ですが、いつも新しいこと挑戦してくれる作家スピリットが好きです。

本作、ミステリ部分が弱くって、かなり物足りない感じがします。だって、一番印象に残っているのが、数々の防犯グッズなのですから。“ミツケテくん”はGPSシステムを利用し、いざというときには2名の緊急サポーターがすぐさま駆けつけてくれる優れもの(?)です。私、防犯グッズってひとっつも持っていないのですが、それは緊急事態発生時に防犯グッズを自分が持っていることを絶対に思い出すことができないと思っているからです。防犯グッズを使うためには冷静さが必要ですよね。緊急時に冷静さを保つことなんて、私きっとできない…。そのあたりを考慮した、気軽な防犯グッズだったら欲しいなぁ。オートで危険を察知してくれるような。本人の心拍数に応じて、けたたましいベルが鳴るとか…もちろん誤作動はいっさいなしよ☆

すっかり話が逸れてしまった…ミステリ部分が弱いっていう話なんですよ。本作は登場人物が少ないわりに、みんな唐突に登場するので、肩透かしをくらってしまいました。「あんた、一体誰?」みたいな。ミステリにおいて、登場人物が少ないと、容易に犯人が確定(想像でもよい)できてしまうのがマイナスですよね。本作もそのケースの臭いがします。ラストのクロケン風味も、なんだか蛇足的に感じてしまった私。いや、それまでまったくミステリでなかったのに、いきなりミステリ空間に放り込まれたショックからそう感じてしまっただけかしら?

とにかく、ミステリテイストの作品ではなく、ビシッとした本格ミステリ作品が読みたいお年頃。ストック本のなかに、本格ミステリ作品が一冊も無くてがっかり。メフィスト出身つながりで、氷川透氏の作品あたりでも再読してみようかしら。もちろん、氷川透シリーズで。

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