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2006/07/30

『冷たい密室と博士たち』 森博嗣

冷たい密室と博士たち Book 冷たい密室と博士たち

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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氷点下20℃の低温度実験室で起こった密室殺人事件。

3つの密室と4つの死体の謎に犀川&萌絵が挑む。

S&Mシリーズ第二弾。

第二局でございます。

『冷たい密室と博士たち』は『すべF』と比較して、如何せんインパクト的な問題で劣ってしまいますが、『冷たい博士』の方がミステリの在り方として正しいと思っております。

ただ、○○ってどうよ?

私、ミステリは大好きだけれども、この○○解決ものって好きじゃないんですよね。犯罪を犯す人間の心理としてフェアじゃない気がして。○○で犯罪を犯すくらいなら、電車を山ほど乗り継いで不在証明を作って欲しい。「どうだ、君にこの不在証明が解けるかな?」くらいにふんぞり返って欲しい。この○○嫌いについては二階堂黎人氏『稀覯人の不思議』のレビューで一度触れておりますので、○○って何じゃ!と云う方はそちらをご覧ください。(ネタバレになってます。というか、ネタバレ警告してから↑の文句を云えよ自分、と今更ながらに思います。申し訳)

以上のような理由から、『冷たい博士』を読むのは二度目なんですが(なんとっ!)密室トリックの解説もこんがらがっていて、読むのがめんどくさくなりますよね(おいっ!)トリックとしてはシンプルで解り易いのですが、解説が難解なんですよ。犀川先生らしくない。まぁ、探偵役も二度目ですし、ずばっとやっちゃってくださいというのも酷な話ですか?

『冷たい博士』を読む上で、重要なポイントはあくまで2つ。喜多先生の登場と、国枝事件です。私の中では、この2つを押さえるためだけの作品となりつつあるのですが(嗚呼、森先生ごめんなさい。でも、好きです)この2つはS&Mを語る上で大きなファクターとなりますので、その意味では重要な作品なんですよね。

国枝事件なんか、特に!

シリーズ2作目でこの国枝事件をうちゃってくるところが、森先生のすごいところだと思います。普通なら…5作目くらいで持ってくる話題ではないでしょうか?この国枝事件があって、国枝ファンが増加したに違いない。国枝桃子になにがあったのか?ですよ。とにかく、要チェックです。

『冷たい博士』につては、ミステリの在り方として正しいけれども、もっとコンパクトにまとめることが可能な題材だと思っているので、私の中では評価はあまり高くありません。犀川先生が女性のミニスカートをついつい気にしてしまうエロ親父と化しているからでは、決してありませんのでお気を付けください。

最後に『冷たい博士』のfavorite wordを。

「責任と責任感の違いがわかるかい?」
「字数が違うわ」
「押しつけられたものか、そうでないかの違いだ」

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コメント

○○トリックについては、好き嫌いはあまりないですね~。まあアリバイ作っとけよ!!というのはその通りという気もしますが(笑)。個人的に事件が結構完璧に解けたせいもあるのか、実は「すべて~」よりこちらの方が好きだったような気がします。

自分の記事を振り返ると、やはり国枝事件に触れていました。2作目にしてこんな衝撃を受けるなんて、おそるべき国枝・・・。

投稿: たいりょう | 2006/07/30 20:29

☆たいりょうさん☆
国枝事件は本当に驚愕ですよ。犀川先生と喜多先生の「何のために?」発言が、そのすごさを如実に物語っております。国枝事件が2作目にあったからこそ、犀川&萌絵のふたりが急速に接近できたのかも。
『F』派か『冷たい』派かの命題は半々くらいに分かれるところですよね。動機が弱いと個人的に思いますが(犀川先生もそう仰っている)解決の見事さではシリーズ随一かもしれないですね!

投稿: まじょ。 | 2006/07/30 21:29

同じく、わたしのブログでも触れてました国枝事件。犀川先生の動揺がいろいろ複雑で面白いですよね。ストーリー本編よりインパクトあった気がします。あまりにも同感でしたのでTBさせていただきました!!

投稿: ソラチ | 2006/07/30 22:27

☆ソラチさん☆
コメント&TBありがとうございます!
国枝事件は欠かせないですよね。確かに本編以上にインパクトあります。犀川先生の中でエマージェンシーコールが鳴り響き、防火シャッタが次々と降りる様を想像するだけで、笑みがこぼれてしまいます。「先生、フリーズしてます!」「なに、ウイルスか?」みたいな。

投稿: まじょ。 | 2006/07/31 02:34

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冷たい密室と博士たち 森 博嗣 N大の研究所で、マイナス20度の中行われたコンパで学生の遺体が発見される。ある研究室内で起きる連続殺人。関係者は少ないのに難問。SMシリーズ第2作。 関係者は限られているので全員拘束してしまえば犠牲者は増えずに済むのにな、と非人道的なことを考えながら読みました。犀川先生の友人・喜多先生も推理に加わり、なかなか見ごたえのある推理バトル。ラストに犯人がとった行動は、他の小説でも見られるが、わたしは好きではありません。しかし、ウイルス云々のネタは... [続きを読む]

受信: 2006/07/30 22:26

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