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2006/07/17

『砂漠』 伊坂幸太郎

砂漠 Book 砂漠

著者:伊坂 幸太郎
販売元:実業之日本社
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入学、新しい出会い、新しい友人、超能力、合コン、麻雀、大統領。

これが5人の日常。

さぁ、砂漠に雪を降らせてみせよう!

第135回直木賞候補に選出された本作。惜しくも受賞は逃しましたが、歴代の伊坂・直木賞・候補作品(『重力ピエロ』『チルドレン』『グラスホッパー』『死神の精度』そして『砂漠』)の中で、この『砂漠』が一番直木賞らしい作品だと思いました。好みの問題で云えば『死神の精度』なのですが、こう、胸躍らせるような作品という意味では、歴代の伊坂作品の中でもこの『砂漠』に軍配が上がります。伊坂節炸裂です。

まず、帯の「大学の一年間なんてあっという間だ」にやられましたねぇ。いや、夏の時点でおかしいとは思ったのですが、「童貞だと思っていた北村も実は手慣れているんだなぁ」という御下劣な勘違いでとうとう冬まで気付かずに行ってしまいました。くそぅ、嵌められたぜ。

あとはもう登場する5人の仲間たちがとにかく愛されるべきキャラクタばかりで。西嶋は『チルドレン』でいうところのシ陣内の役回りですよね。ある意味、陣内に矯正してもらったようなものだし。「我慢しろ、今、ぼくらのほうから駆けつけてやるから!」まさにこの通りの人物だと思います。あとは、伊坂氏の伏線回収能力の恰好の的となった南ちゃん。ワールドカップとともにやってくるある能力を十二分に活かしてくれました。「いつからか、欲しいな、と思う牌が来るようになって、牌を捨てる時も、相手に当たらなくなったの」そんな貴方の力が欲しい…。東堂親子も好きよ。愛想の無い娘も、愛想良すぎる母も。

私としては、この『砂漠』で伊坂氏が直木賞を受賞しても良かったと思うのですが、やっぱり直木賞の選考委員は…。次こそ直木賞とってくださいね、伊坂氏!!

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