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2006/07/22

『カンニング少女』 黒田研二

カンニング少女 Book カンニング少女

著者:黒田 研二
販売元:文藝春秋
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私は姉の死の真相を知るために馳田学院に合格しなくてはならない。

たとえ、どんな手を使ってでも!

少女と仲間たちの青春カンニング物語。

号泣しちゃったぢゃないかよ!

号泣する準備なんてどこにもできていなかったのに、決壊してしまった私の涙。いやぁ、クロケンにはいつも騙される。

本作は交通事故死した姉がどんな秘密を抱えていたのかを知るために、姉が在籍していた馳田学院に入学しようと一念発起する少女が主人公です。始まりは一見ミステリチックでございますが、中身は完全に青春カンニング物語ですので、安心してくださいませ。

まず、本作で行われるカンニングのハイテクさったら無いです。本作を参考にカンニングをして大学に合格してみよう!なんて血気盛んな若人が居たら、私は彼にこう囁くことに致します。「その作品を持って、どっか上場企業の研究室に飛び込みしてごらんよ。絶対採用してもらえるから…」高校生にしてそのスキルを持っているなら、大学になんて行かなくたって将来安定です。安心してください。誰もが一度は考えたことのある「消しゴムに…」「超小型カンペに…」なんてお粗末すぎてへそが茶を沸かします。概念は理解できても、仕組みは理解できん。

そもそも、ただ暗記するだけの試験に全く意味はありません。私は暗記の女王と呼ばれ、社会理科などの暗記科目に絶大な力を発揮致しましたが、それがいまどれだけ私の中に蓄積されているかというと…皆無です。司法試験だって、六法全書の持込みは可なんですよね?六法全書のすべてを覚えていることが必要なのではなく、六法全書のどこになにが書かれているかを知っていて、必要なときにその知識を有効に使えるかどうかがすべての鍵となる。そういう試験が私は好きです。人間の素晴らしいところは道具を創作し、使うことができるところなのですから、試験中に道具を取り上げてどうするのでしょうか?猿になれと?

まぁ、決められたルールの下に行うからこそ試験の公正さというのは守られるのであって、カンニングはそのルールから逸脱しているため、肯とは云い難いところですが、『カンニング少女』に登場する4人の仲間たちは、そのルールからドロップアウトする自分たちを自覚しながらも、全力を尽くすその姿勢が好きです。

そして、号泣のラスト。やっぱり青春小説はこうでなくっちゃ!という素晴らしいラスト。姉の死の真相なんて、もう蛇足に感じられちゃうくらいのラスト。必見です。

続けてもう一回読んでも良いと思わせる抜群の出来です。是非、ご賞味ください。

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コメント

試験に関するご意見はまさにその通りと思います。でもほんと下手な人が書いたらただのカンニング物(?)になるところを、クロケン節がいい意味で青春小説に仕立ててくれてますよね♪うーん、これは泣けます^^

投稿: たいりょう | 2006/07/24 20:19

☆たいりょうさん☆
カンニングの是非なんて問題外にしてしまう程、この作品は良い作品だと思います!クロケンらしからぬ一作ですが、この路線でもどんどん良作を量産できたなら、クロケンが東野圭吾氏になる日がくるかも…なんて考えてしまいました。

投稿: まじょ。 | 2006/07/24 20:45

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