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2006/07/29

『すべてがFになる』 森博嗣

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER Book すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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孤高の天才・真賀田四季の住む、孤島の要塞・妃真加島真賀田研究所。

研究所で起こる不可思議な密室殺人事件。

犀川&萌絵はすべて此処から始まった。

ついに開幕いたしました。

プレイボール!

もちろん最初は『すべてがFになる』です。『すべF』(嗚呼、この略し方は『なぜべス(byTRICK)』みたいで素敵ね)との出逢いは、私が高校2年生のときでしたので…7年前ですか?陳腐すぎて自分でも気持ち悪いのですが、本当に“驚愕の出逢い”という言葉がいちばんしっくりきます。

ミステリのお約束・密室の謎をここまで理系からのアプローチで解決したのを見たのは(読むのは)この作品が初めてでございました。

ハード面から創造された“機械仕掛けの密室”モノは読んだことがあっても、こんなソフト面からアプローチする作品に出逢ったのは初めて。文庫版解説を書かれている瀬名秀明氏の作品あたりなら、森博嗣氏に先駆けて取り組んでいたのかもしれませんが(その意味でも、この作品の解説に瀬名氏をチョイスするっていうのは絶妙)私にとっての初めてはあくまでも森博嗣氏。

この『すべF』を私に貸与してくれた彼女には未だに感謝。貸与された『すべF』は文庫版新刊だったのですが、その当時ノベルスでは『有限と微小のパン』が既に発売されており、まさに驚異的なスピードでINSIDERからOUTSIDERまで私は駆け抜けました。このブログジャック計画は1ヵ月で完結させる予定ですが、「1ヵ月も猶予があるなんてぬるすぎる」と当時の私なら叱咤してくれることでしょう。とにかく、高校生の私をどっぷり森ワールドに浸からせる神懸かり的なパワーが『すべF』にはありました。

『すべF』の再読は今回で4回目…かな?前回の読了からは3年の月日が経過しております。でも、決して色褪せるませんね。トリックも結末も、展開でさえも、すべて知っていたとしても楽しく読むことのできる作品があるって、とても素晴らしいことだと思います。しかも、森博嗣氏は驚異的なスピードでシリーズを完結させたため、登場するキャラクタがぶれないのが素敵。シリーズ作品にも関わらず、新刊の発売に何年もかかってしまう作品だと、キャラクタがいきなり変貌を遂げていたりするんですよね。「こんな奴だったか?」と。もちろん、登場するキャラクタも成長すべきだと思いますが、最早生まれ変わりと言った方が正確な例をいくつか見せられてしまうと、愕然としてしまいます。森作品にはそれがないから安心して読める。

『すべF』には、レッドマジックを停止させ、暗闇の中で犀川先生が原始に戻るシーンがありましたが、あのシーンくらいかな?初期のS&Mにはこういうシーンもあったな、と再認識させられたのは。あとは良くも悪くもいつもの犀川&萌絵でした。犀川先生が昔は萌絵のことを「西之園くん」ではなく「萌絵ちゃん」と読んでいたという記述には、にやりとしてしまいましたが。

『すべF』の内容にほとんど触れておりませんが、森ミステリ未読な方がいらっしゃいましたらやはり『すべF』から読んでいただきたいという良心が働いて、このレビューになりました。すべての始まりがこの『F』ですから。

それでは最後に『すべF』のfavorite wordを。

「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

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コメント

はじめまして。大学生のアンナと申します。
森 博嗣さんはなんとなく読まず嫌いなカンジでほとんど読んでなかったのですが、今回、こちらのブロ愚を読ませていただきまして、読んでみようかなという気になりました。『すべF』から読ませていただきますね。

ところで、私は大学で読書サークルを立ち上げたのですが、そこのブログでこちらのサイトのことを紹介しても構いませんか?
加えて、参考になるレビューが多いので、よろしければリンクさせて下さい。よろしくお願いします。

では、長々と失礼しました。

投稿: アンナ | 2006/07/30 04:02

☆アンナさん☆
あぁ、嬉しいお言葉ありがとうございます。ブロ愚やってて良かった…。こんなサイトでよろしければ、是非ともお付き合いさせてくださいませ!
森博嗣氏に限らず、作家の好き嫌いはどうしても分かれてしまうので、「膨大な森作品をすべて読んでください!」というのはかなり過酷ですが、「とりあえず一作」気分で是非手にとってみてください♪森作品で他にオススメするならば、ノンシリーズの『そして二人だけになった』も良いです。個人的にはこちらの方がベストかも…。

投稿: まじょ。 | 2006/07/30 10:17

ついに始まりましたね、「森博嗣ブログジャック計画」が・・・。もう一発目からまじょさんの森氏にたいする溢れんばかりの愛情が感じられます^^;確かに刊行ペースとキャラのぶれないトコロは凄いですよね。しかも処女作からあの犯人を構築してしまうところなぞも、今振り返るとすごいことかも。
うーん、僕の記事より数倍いいです♪

投稿: たいりょう | 2006/07/30 20:26

☆たいりょうさん☆
森博嗣氏の作品って、一作一作は大したことが無くても(あっ!)シリーズ全体に伏線が張られていて、尚且つその伏線が他シリーズにも及んでくる…というところがすごいのだと思っています。S&MシリーズがVシリーズと交わったときなんて、一時間くらい放心させられてしまいましたもの。『F』の時点で、その未来まで予測していたのなら、とんでもない才能だと思います。

投稿: まじょ。 | 2006/07/30 21:24

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