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2006/06/27

『月の砂漠をさばさばと』 北村薫

月の砂漠をさばさばと Book 月の砂漠をさばさばと

著者:おーなり 由子,北村 薫
販売元:新潮社
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9歳のさきちゃんとお母さんのふたりでしあわせな生活。

北村薫が描くあたたかく切ない12の物語。

ジャンルは…絵本になるのでしょうか?やわらかく、あたたかく、切ない物語がおーなり由子さんのイラストをマッチして、素敵な一冊に仕上がっております。

絵本を読むのは好きです。一般の文芸書に比べて、簡潔な言葉の中にも深い思いが込められているような気がして。やわらかい表現が多用されているようで、するどい視点にドキッとさせられる。キュッと胸が締め付けられる、懐かしい感覚に出逢えるので、好きです。

この『月の砂漠をさばさばと』もそうでした。さきちゃんとお母さんもふたりの楽しい生活。さきちゃんとお母さんは、親子というよりまるで親友のような関係。お互いが好きで、大切で、大好きで。

北村氏自身があとがきで「(さきちゃんとお母さんのような母子家庭の)お宅では、《親子》の縦のつながりが、《友達》の横のつながりに、より近づくような気がしました」と語っていらっしゃるのに、なるほど!と思いました。上下の関係ではなく、互いに対等。さきちゃんがいるからお母さんがいる。お母さんがいるからさきちゃんがいる。これって、当たり前のようで、当たり前じゃない。だって、お父さんがいればお母さんがいなくても、さきちゃんはさきちゃんでいられるんですもの(うーん、わかりづらい)。

北村氏の授業を一度で受けてみたかったと思って早○年。北村氏はどんな授業をされるのでしょうね。国語の授業で「作者がこの作品で伝えたかったことはなにか?」とか聞かれるのが一番嫌いでした。作者の伝えたかったことを読み取ることが大切じゃないとは云いませんが、一番大切なのはこの作品を読んで自分はどう感じたか、なにを伝えられたかじゃないかと小さいころから思ってました。かといって、読書感想文が好きだったかというと、そうでもなく。だって、いつの間にか“先生がどんな感想文を求めているのか”を意識している自分がいるんですもの。嫌だね。その意味で、ブロ愚は自分の思ったこと、感じたことを意識せずつらつらと書くことができて、とてもしあわせです。

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