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2006/06/16

『眼球蒐集家』 船越百恵

新米刑事・香月七海は初死体に対面し嘔吐するという王道をやってのけ、見事に左遷。

その左遷先は猟奇事件特別研究室。

いかにも怪しげな美咲室長とともに、眼球蒐集連続殺人事件に挑む。

ここのところ、ベッドで読書→いつの間にか睡眠→照明点けっぱなしで朝という悪循環を繰り返しておりまして、ようやく久しぶりに一冊読了することができました。別に『眼球蒐集家』が面白くなくて寝ていたわけでなく、逆になかなか楽しめる一冊でございました。

さて、本作はKAPPA-ONE登龍門出身・船越百恵氏のデビュー作です。船越氏の作品は既に二作目の『名探偵症候群』を読了済で、そちらについては酷評した記憶があるのですが、この『眼球蒐集家』はプロファイルものの王道ではありますが、読みやすい文章と魅力的な登場人物に好感の持てる一作でした。

ミステリ的なツッコミ処ももちろんございますが。まず、プロファイルが神懸かり的に百発百中なのですね。いくら鬼畜室長・美咲氏がインターポール出身の超エリートとはいえ、プロファイルでそこまで具体的な犯人像が絞れるとは思えません…。あとは、情報の入手方法がかなりご都合主義といいますか、バカンス&出張で向かったフランスでたまたま日本で起きている事件に関係する超有力情報が入手できるなんてそんなこと…。

プロファイリングといえば、私が中学生の頃大ブームが起きましたね。本もバカ売れしてましたし、テレビの特番もよく見ておりました。ジャンプで漫画もやっていた気がする。とにかく一大ムーブメントを起こしたプロファイリングですが、実際のところどのくらい浸透してきているのでしょうかね?『DEATH NOTE』にもプロファイラーが登場してましたし、案外普及しているのかしら。どうしても裏方的な印象が否めないプロファイル。あくまでも統計論(大雑把にくくればの話)ですので、ビシッ!と犯人が特定できない地味さがありますよね。プロファイラー全員が本作の美咲室長並にお告げを発揮できれば、捜査の主軸になれるのかもしれませんが…。

本作はいかにもシリーズ化しそうな流れだったのですが、驚きなことに二作目にこのシリーズを持ってはこなかったのですね。でも、一読者として是非シリーズ化を願います。美咲室長も、独白がお茶目な七海巡査も、そして二人の関係もとっても気になるのですもの。

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