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2006/06/24

『夢はトリノをかけめぐる』 東野圭吾

夢はトリノをかけめぐる Book 夢はトリノをかけめぐる

著者:東野 圭吾
販売元:光文社
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根っからの冬季五輪好き作家・東野圭吾が現地トリノから送る観戦記。

直木賞パワーで日本選手団にメダルを呼び込むことができるのか?

東野圭吾氏のエッセイは好きです。一番笑かしてもらったのは『ちゃれんじ?』ですね。『ちゃれんじ?』で描かれていたカーリング体験記をこの『夢トリ』(←勝手に略す)でも思い出さして笑わせてもらいました。ちなみに、『さいえんす』というエッセイも御座いますので、ぜひ皆様どうぞ☆(東野氏に代わって宣伝)

さて、イナバウアー旋風が巻き起こりましたトリノ五輪。私は冬季種目ではフィギュアがいっとぅ好きです。でも、こんな風に書くと「どうせイナバウアー効果でしょ?」とか云われかねないのが悔しい。私が愛して止まないフィギュア選手はアメリカのミシェル・クワン選手。トリノでは直前に出場辞退してしまって、その記事をyahooで知ったときの私の荒れようといったらすごかったです。だって、ソルトレイクで惜しくも金メダルを逃し、エキシビジョンで涙を流しながら舞うクワン選手が忘れられないのですもの。キレイなだけでなく、心になにかを残すスケーティングができるのはクワン選手だけです。好きです。

日本選手では荒川選手より村主選手の方が好き。『夢トリ』で東野氏も語られておりますが、あの感極まったぜ!という表情の好き嫌いははっきりとわかれることと思いますが、あの流れるような優雅なスケーティングはクワン選手に通ずるものがあります。本当に“passion”という言葉に相応しい滑り。コーエン選手も好きですが、彼女の滑りからはクワンや村主から感じられる“passion”を感じられないのですね。技術の素晴らしさ、キレイさばかりに目を奪われてしまって。

と、なぜか『夢トリ』のレビューではなく、自らのフィギュア好きを熱く語ってしまっておりました。『夢トリ』は『ちゃれんじ?』のようなユーモアの混じったエッセイではなく、あくまでも観戦記なので、ちょっと物足りないんですもの。まぁ、自身のスポーツ体験記ならまだしも、選手が一生懸命競技している様をユーモアで邪魔するわけにはいかないので、仕方無いことなのですが…。ちょっと物足りなかったのは事実です。夢吉もよくわからなかったし…。

この『夢トリ』のテーマは「オリンピックはメダルを獲ることだけがすべてなのか」という一言に尽きます。サッカードイツ大会で、日本はすでに予選敗退しておりますが、私は日本代表として参戦している以上、なんらかの結果を残して帰ってくるべきだと考えております。それが代表選手になれなかった人、夜な夜な眠い目擦りながらテレビの前で応援してくれた人たちへの、せめてもの礼だと思います。その結果とはメダルでなくてもかまいません。でも、観ている人たち、応援してくれている人たちをがっかりさせるような試合だけはして欲しくない。「こんな朝早くに起きたのに、あんな散々な試合を観せられた」なんて思いだけはさせないような、堂々とした闘いぶりをみせてほしい。

メダルにこだわる風潮を生み出したのは、間違いなくマスコミですよね。メダルを獲れば、荒川選手のように一躍時の人になることができます。でも、それって本当に必要なことですか?頑張っている姿って、絶対に伝わってくるはず。少なくとも、ソルトレイクのクワン選手に私は感動を貰いました。結果は銅メダルだったけれども、それ以上のなにかを彼女から貰いました。でも、ドラマやCMにバンバン出演する荒川選手からなんの感動も得ることはできません。

感動が得たくて人々はスポーツを観戦するのだと私は思います。メダルは頑張った選手個人に与えられるものであって、国に与えられるものではないでしょ?私たちはメダルが欲しいのではなくて、感動が欲しいのでしょ?少なくとも、私はそう思います。

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» (書評)夢はトリノをかけめぐる [たこの感想文]
著者:東野圭吾 猫である僕・夢吉は、冬のある日、目が覚めると人間になっていた。僕 [続きを読む]

受信: 2006/08/06 17:31

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