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2006/06/16

『さまよう刃』 東野圭吾

さまよう刃 Book さまよう刃

著者:東野 圭吾
販売元:朝日新聞社
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少年たちに蹂躙され殺害された娘の復讐に手を染める父親。

遺族による復讐殺人に世間では賛否が大きく分かれ、警察内部にも密かに父親を支持する刑事たちが現れる。

裁く権利は一体誰にあるのか?

さわりだけ読んで寝てしまおう…とおやすみ前の歯磨きをしながら読み始めた『さまよう刃』。結局そのまま3時間、一気に読み切ってしまいました。

すごい惹きこまれる一作。

父親は娘の復讐を果たすことができるのか、それとも罪を犯した少年が逃げ切ることとなるのか。父親も少年も追わなくてはならない警察と、事件をセンセーショナルに取り扱うマスコミ。とにかくどこを切っても金太郎飴ではありませんが、どこを取っても面白い。

この作品の主題はやはり少年犯罪。少年法に守られ、殺人を犯しても罰せられるどころか守られる立場の少年。被害者の親族が望むのは加害者が更生することなどではなく、加害者が一生悔い悩んでゆくことなのに…。重たいテーマですね。

こういったオープンな場で発言すべきことではないのですが、個人的にこの『さまよう刃』を読んでいて、私が常に応援していたのは被害者の父親です。復讐が完結すれば良いと本気で思っていました。もちろん、父親に裁く権利など無く、彼が犯しているのも犯罪に他ならないのですが。あんな性根の腐った少年どもなぞ死んでしまえば良いと本気で感じました。自分の犯した罪を自覚もできず、隠せば良い逃げれば良いだなんて、幼稚園児のすることではないですか。幼稚園児が体だけ大人になって、女を力で捻じ伏せ、少年であるという理由だけで守られる世の中。そんな世の中くそくらえです。

少年法について勉強したことなぞ無く、テレビから得る断片的な情報や『さまよう刃』を読んで考えただけの甘っちょろい思考でしかありませんが、本気でそう考えました。犯罪者は裁かれなくてはならない。これはどんなミステリを読んだってそう感じます。探偵が犯人を逃がしてしまう作品なんて言語道断です。今回の『さまよう刃』に登場した父親のように、止むに止まれぬ理由で犯罪に手を染めた犯罪者もいるかもしれない。でも、やはり理由など関係なく、起こった事柄を一つの事実として捉えるべきだと思います。だから、父親には復讐を果たしたあとに、しっかり裁かれて欲しかった。

今回は激情型のレビューで、推敲もせずに一気にupします。あとで読んで後悔するかもしれないけれど、リアルな感想を記事にすることも必要かな、と。

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