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2006/06/29

『Q&A』 恩田陸

Q&A Book Q&A

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
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これからあなたに幾つか質問をします。ここで話したことが外に出ることはありません。

郊外の大型ショッピングセンターで起こった重大死傷事件の事故原因とは?

Q&Aだけで物語が進行する、恩田陸ワールド。

恩田陸氏の特徴として“読者置き去りラスト”の傾向がありますよね。最初に読んだ恩田氏の作品は『MAZE』だったのですが、「どうして謎の解決がいつの間にか二の次で、てんで違う方向に着地してしまうのだろう…」と不条理感を感じたことを昨日のように思い出しました。この『Q&A』は謎は謎のまま、そしてラストは「えっ?これで締めくくり?」とある意味驚かされる不条理が待ち受けております。

中盤までは良かったんのですがね…。物語がQ&A(つまり会話のみ)で進行してゆく形式もおもしろいものだったし、地の文無しでここまで読者に状況を把握させれ筆力には圧巻の一言なのですが、如何せん中盤から後半にかけて「えっ?」ってなもんです。あのまま事故の原因解明だけに焦点を絞っておいてくれたら。

『Q&A』は恩田作品の中ではミステリに分類されるのだと思いますが、パニック時の人間心理とかトラウマとか宗教とか、「あぁ、これはミステリではないな」という箇所に差し掛かるとどうしても頁を捲る手が遅くなってしまう自分に気付く。いや、読みとばしているから捲る手は早いのか…。とにかく、小学生の女の子にQ&Aしてゆく場面で「これは違う方向へ向かってゆくかもしれない」という予兆はありました。

当たって欲しくない予感というものは、得てして当たってしまうわけで。

着眼点とか設定とかはとても好みです。でも、やっぱりあの不条理には納得ゆかない。恩田氏の作品って、どうも好き嫌いがはっきりと分かれますよね。恩田氏の作品もこの『Q&A』で7作目。そろそろ取り捨て選択の時期がやってきたかもしれませんね…。積読本の中に『麦の海に沈む果実』が残されておりますので、選択はその後になりますでしょうか。難しいところだ。『夜のピクニック』なんかはすごく良かったし…。

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2006/06/28

『風光る 20』

風光る 20 (20) Book 風光る 20 (20)

著者:渡辺 多恵子
販売元:小学館
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☆レビュー☆

新撰組についてこのブロ愚で書くのは意外にも初めてなんですねぇ。まじょ。はミステリフリークであり、新撰組フリークでもあったりします。今日は漸く手に入れた『風光る』20巻のレビューと新撰組についてupすることにいたします。

まずは『風光る』について。この『風光る』は父と兄の敵討ちのため、女子でありながら新撰組に入隊したおセイちゃんの成長と、沖田総司との恋物語を描いた少女漫画です。おセイちゃんが女子であることは沖田のみが知っており、なにかと気にかけているうちに…という少女漫画にありがちな設定なのですが、しっかりと史実に基づいたストーリー展開はちょっとした新撰組入門書としてオススメできるほど。もちろん、創作である以上、作者の史観による若干の相違はございますが…。

私はこの『風光る』に登場する斎藤一が大好きでね☆

『風光る』だけに限らず、新撰組隊士の中で一番好きなのが斎藤一です。『風光る』ではヒーローである沖田総司をイケメンに描かねばならず、その反動として超ファニーフェイスになってしまった斎藤一。残されているポトガラヒーを見る限り、かなり極悪な顔をされていたであろう斎藤一ですが、この『風光る』ではシリアスな場面もどうにも決まらないお顔です。それがまた良いんですけれど!ちなみに右サイドバーの“UNION”に納められている「どっきゅん同盟」は、『風光る』の斎藤一をこよなく愛する同盟です。お好きな方は是非クリック!!

発売されたばかりの20巻では、おセイちゃんへの恋心に漸く気付き始めた沖田総司が描かれておりますが、沖田の行く末を知っている未来の人間としては、なんとも切ない気持ちになります。沖田とおセイちゃんがどのような最期を迎えるのかは作者である渡辺多恵子氏しか知ることはできませんが、二人には必ず幸せになって欲しい。そうすると我等が一ちゃんは失恋してしまうことになるのですが…。でも、沖田の死を乗り越えた(このレビューを読んでいる方で、沖田の死を知らなかったという方は…いませんよね?)おセイちゃんの側に、その気持ちをしりつつ寄り添う一ちゃんという構図も良いな。ただ、藤田五郎としての史実があるから無理か…。

「flower」本誌では、女子であることで沖田に拒絶され、今にも死(出家)にそうなおセイちゃんですが、30日発売の最新号で沖田はどんな風に彼女への恋心を言葉するのでしょうか?今月号もふたりはバラバラっていうのは嫌よ。そして、セイが3番隊へ組替えされると意気揚々の一ちゃんはどうなるのか!一ちゃんの涙が見られると思うとうずうずしちゃう!(←やっぱりドSの私)

『風光る』以外の、新撰組を扱った作品でオススメなのは浅田次郎の『壬生義士伝』でしょうか。『壬生義士伝』に登場する斎藤一は正統派のかっこよさです。映画では佐藤浩市氏が斎藤一を演じましたが、年齢が全くといって良いほど一致していないことを棚上げするならば適役でございました。映画「壬生義士伝」で描かれている新撰組は、私の想像する新撰組にかなり近い。とにかくキャスティングが絶妙。大河「新選組!」では山南を演じた堺雅人氏が沖田総司を演じているのですが、ひらめ顔と伝えられる沖田は絶対あんな感じ。さらっと毒を吐く沖田を堺氏が好演されております。伊東甲子太郎のいかにも悪そうな感じ(『風光る』のかっしーにも通じるアンニュイに感じもあり)もばっちりだったし、まだご覧になられていない方は是非どうぞ。

壬生義士伝 DVD 壬生義士伝

販売元:松竹
発売日:2003/06/25
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私は新撰組のとっかかりが司馬遼太郎氏ではなかったせいか、司馬史観にはあまり染まっていないと自分では思っています。いろんな作品の好きなところを勝手に切り取って、まじょ。史観を創り上げて。たかだか150年前のことなのに、わからないことが沢山ある(龍馬暗殺の黒幕なんかは高田崇史氏の『QED 龍馬暗殺』を是非お読みください)のに、魅力を感じます。残されている史実と、想像で補うしかない部分のバランス加減が好きです。

いま一番望んでるのは、「無双」シリーズ(by光栄)で幕末をテーマにしたゲームがでること。「戦国無双」のミッチー(明智光秀を私は愛を込めてこう呼びます。ミッチーと。)の衣装チェンジが新撰組っぽくて、ずっと使っていたのが懐かしい。頼みます、光栄さん!!

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2006/06/27

『月の砂漠をさばさばと』 北村薫

月の砂漠をさばさばと Book 月の砂漠をさばさばと

著者:おーなり 由子,北村 薫
販売元:新潮社
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9歳のさきちゃんとお母さんのふたりでしあわせな生活。

北村薫が描くあたたかく切ない12の物語。

ジャンルは…絵本になるのでしょうか?やわらかく、あたたかく、切ない物語がおーなり由子さんのイラストをマッチして、素敵な一冊に仕上がっております。

絵本を読むのは好きです。一般の文芸書に比べて、簡潔な言葉の中にも深い思いが込められているような気がして。やわらかい表現が多用されているようで、するどい視点にドキッとさせられる。キュッと胸が締め付けられる、懐かしい感覚に出逢えるので、好きです。

この『月の砂漠をさばさばと』もそうでした。さきちゃんとお母さんもふたりの楽しい生活。さきちゃんとお母さんは、親子というよりまるで親友のような関係。お互いが好きで、大切で、大好きで。

北村氏自身があとがきで「(さきちゃんとお母さんのような母子家庭の)お宅では、《親子》の縦のつながりが、《友達》の横のつながりに、より近づくような気がしました」と語っていらっしゃるのに、なるほど!と思いました。上下の関係ではなく、互いに対等。さきちゃんがいるからお母さんがいる。お母さんがいるからさきちゃんがいる。これって、当たり前のようで、当たり前じゃない。だって、お父さんがいればお母さんがいなくても、さきちゃんはさきちゃんでいられるんですもの(うーん、わかりづらい)。

北村氏の授業を一度で受けてみたかったと思って早○年。北村氏はどんな授業をされるのでしょうね。国語の授業で「作者がこの作品で伝えたかったことはなにか?」とか聞かれるのが一番嫌いでした。作者の伝えたかったことを読み取ることが大切じゃないとは云いませんが、一番大切なのはこの作品を読んで自分はどう感じたか、なにを伝えられたかじゃないかと小さいころから思ってました。かといって、読書感想文が好きだったかというと、そうでもなく。だって、いつの間にか“先生がどんな感想文を求めているのか”を意識している自分がいるんですもの。嫌だね。その意味で、ブロ愚は自分の思ったこと、感じたことを意識せずつらつらと書くことができて、とてもしあわせです。

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2006/06/25

『みんな誰かを殺したい』 射逆裕二

Book みんな誰かを殺したい

著者:射逆 裕二
販売元:角川書店
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奥多摩の峠道で起こった殺人事件。

目撃者も多く、犯人検挙に時間はかからないと思われていたが、被害者の身元が二転三転し…。

横溝正史ミステリ大賞優秀賞、受賞作。

タイトルに惹かれて読んでみました。

交換殺人にアリバイ工作、強盗殺人への見せ掛けに死体の入れ替え。とにかくミステリに登場するトリックの数々が余すことなく納められています。

みんな誰かを殺したいと思っているので、視点の切り替えが盛んに行われますが、人物像が丁寧に描かれているので、混乱することもありません。ただ、選評で綾辻行人氏が語っているように、地の文に虚偽の記述がいくつかあるのが気になりますね。登場人物が台詞として述べるならまだしも、ミステリである以上は地の文に偽りを混ぜてはいけません。

でも、読者を驚かせよう!というサービス精神に溢れていて、テンポも良いので、充分に楽しい読書をすることができました。テレビ東京でドラマ化もされたようですが、どんな風にドラマ化したのか気になるところ。結構おもしろくできたのではないでしょうか?二時間ドラマの枠は超えられないと思いますが…。

射逆氏はこの『みんな誰かを殺したい』のあとも、何作か作品を発表されているようなので、是非とも読んでみようと思います。他の作品も今回のようなサービス精神溢るる作品だと良いな。デビュー作にしてはとても良くできているミステリだと思います。

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『銃とチョコレート』 乙一

銃とチョコレート Book 銃とチョコレート

著者:乙一
販売元:講談社
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大怪盗ゴディバを追うのは子どもたちのヒーロー・名探偵ロイズ。

ゴディバの隠し地図を発見した少年・リンツは、ロイズと共に捜査を開始する!

ロイズはゴディバの正体を暴くことができるのか!?

超楽しみにしていた『銃とチョコレート』。はっきり申し上げて良いですか?

おっ、面白くなかった…。

はっきり申し上げるとか云っておいて、乙一ファンの逆襲を恐れて反転です。乙一氏好きな方は、決してドラックしませんように。

このレビューを書く前に、評判をググってみたのですが、皆さん「おもしろかった」って書かれているのですよね…。乙一氏らしさもなく、ミステリとしてのスリリングさもなく、文章にキレもなく…。キレがないのはジュブナイル仕様で書かれているからだけではないはず。妙に残酷なのも、本当に必要?それが乙一氏らしさではないでしょう?

ロイズはあくまでも名探偵で居て欲しかった。純粋にわくわくさせてくれる冒険ものが読みたかった。勝手にロイズの活躍を事前に想像していた私の負けですか?なんだろうなぁ、うまく表現できないのですが、期待していたものとは大き違っていました。名探偵ロイズが実は…っていうのは悪くないのですよ。でも、あんなに人間臭くなくても。悪くても超人的な人であって欲しかった。有名になりたい、いつまでも人に覚えていてもらえる人でありたい、という気持ちはわかります。でも、謎を解き明かしたいという気持ちを忘れないで欲しかった。

二転三転する(私はそう思いませんでしたが)悪役も、みんな中途半端。それが現実なのかもしれないし、その中途半端を描くのが乙一氏の作風なのかもしれませんが、それでは夢がないではないですか。やっぱり私は勧善懲悪が好きだな。

ストーリーにもうちょっとメリハリがあれば…って、それは乙一氏の作風ではないって?

酷評というか、ただの批判レビューになってしまって残念。でも、同じように感じた人はきっと私だけではないはず。乙一氏好きな方は「よく知らない素人がなにか戯言を云っているわ」と思って大目にみてください。

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『気分は名探偵 犯人当てアンソロジー』

気分は名探偵―犯人当てアンソロジー Book 気分は名探偵―犯人当てアンソロジー

著者:我孫子 武丸,霧舎 巧,貫井 徳郎,法月 綸太郎,有栖川 有栖
販売元:徳間書店
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「夕刊フジ」に掲載された、ミステリ作家6人による犯人当てアンソロジー。

果たして君は作者が散りばめたヒントをもとに、犯人を指摘することができるか!?

真夜中は別の顔、まじょ。です☆

普通に眠たいです。でも、謎に背を向けることができないのは名探偵たる証!と夜な夜な読み進めました。解答編に突入する前に、せっせと読み返すものだから、読了するのにいつもの倍の時間がかかってしまいましたね。

さて、ここからは楽しいネタバレの時間です。作品ひとつひとつのレビューと、私の推理がどんなお粗末なものだったかを書き記してゆこうと思います。味読の方はくれぐれもスクロールさせませんように。

「ガラスの檻の殺人」 有栖川有栖
アンソロジー最初の作品。私の推理は犯人はストーカー被害を訴えている学生時代の友人だ!というもの。その根拠は時計。被害者にぶん殴られた探偵ですが、どうして自分が気絶していた時間が2分やそこらだと判る?というところから推理を進めました。だって、殴られる直前までの時間経過はさっぱり描かれていなかったので、そこに10分くらいの空白の時間があってもおかしくない!と思ったものですから。さては時計をいじったな?という推理です。まぁ、違ったわけですが。本当の結末である○○○については、気になる記述だなぁとは思ったのですが、じゃあ本来そこにあった○○○はどこに行ったの?と思います。凶器が落ちててもおかしいけれど、大量の○○○が落ちてたっておかしいでしょうよ!それだけがたまたま売り切れていたなんて、そんな偶然許しませんよ。だって、もっと売れてる○○○なんて、いっぱいありますからね!絶対抜いたはずなんですよ、と憤ってみる。

「蝶番の問題」 貫井徳郎
これは結構容易にわかりました。最初のヒントが出てきた時点で「あぁ、この人は○○○○○なんだな」と。唯一読み返さずに解答できた作品が貫井氏の一作。叙述トリックものは数こなしてますからね。ピンときちゃいました。一番正解率が低かったのが貫井氏の作品だったようですが、発表の場が「夕刊フジ」という大衆紙だったからでしょう。これがミステリ雑誌かなにかだったら、もっと正解率が高かったはず。ミステリマニアはまず叙述トリックを疑いますからね。叙述トリックさえ解ければ、犯人特定まではあっという間です。だって、二択ですもの。でも、このアンソロジーの中で一番好みの作品がこの貫井氏の「蝶番の問題」ですね。

「二つの凶器」 麻耶雄嵩
これも○○の矛盾点に気付いてから、犯人特定までは容易でした。というわけで正解。ミステリでありがちな犯人の利き○の問題をちょっと捻った形ですね。掲載作の中で、最もロジックを駆使した本格ものの作品だったと思います。これも好き。今回は実朝が木更津をリードしてゆく形ではなく、あくまでも純粋な木更津探偵ものでしたね。この程度の事件に実朝が出てゆく必要は無いってやつですか?それとも、実朝はそこまで直子先輩は苦手ですか(笑)探偵が妙に気にしている箇所をじっくりと読めば、自ずと正解は開けてくると思います。本格ミステリ初心者にぜひ挑戦してもらいたい一作。

「十五分間の出来事」 霧舎巧
霧舎氏のお顔を雑談会のお写真で初めて拝見いたしました。ちょっとイメージと違ったな…。お元気そうでなにより。早く「あかずの扉シリーズ」の新刊をお願いしますよ。さて、肝心の推理ですが、これはパーサーの彼女が犯人かと思いました。彼女は心臓が強そうですので、商品のビールで頭を殴って、それをあろうことか探偵役を務めた大神に売りつけたのだと推理しました。いや、大神が買ってすぐにビールを開けたときに泡もなにも吹き出さなかったので、違うなこれ…と思いながら解答編を読んだら、やっぱり違ってたというオチなのですが。霧舎氏らしい、なにが描きたいのかよくわからないドタバタミステリだったと思います。(←褒めてない褒めてない)

「漂流者」 我孫子武丸
唯一、当ブロ愚にカテゴリが存在しないのが我孫子氏。いや、我孫子氏の作品は最近読んでいないというだけで、『0の殺人』も『8の殺人』もマリオくんシリーズもしっかり読んではいるのですが…。この「漂流者」の人物当ては解答編で登場したヒントからきちんと当てさせていただきました。男三人で飲んだ○○○って件ね。そこから、人物の入れ替わりを組み立てるのに、ちょっと時間を費やしましたが。入れ替わりを示唆する○○○○○○○も、現物を直に見ることができたら、もっと違和感を感じれただろうに。

「ヒュドラ第十の首」 法月綸太郎
これも好きです。でも、眠くてもう推理どころじゃなかったよ。三択の犯人当てかと思いきや、とんでもないところから真犯人を持ってくるという、ミステリ好きにはたまらない結末でしたね。ミステリをあんまり読まない人にはアンフェアに見えるかも。でも、正解率は一番高いので、じっくり読めばわかる仕組みになっているのでしょう。如何せん、眠くて。法月氏、すみません!全く推理ぜすに解答編を読み進めてしまいました!『生首』以来、綸太郎の活躍を拝見しておりませんが、彼にも好い加減嫁を見つけてやってください…(とお茶を濁して逃げる)

以上、全作品のレビューでした。眠いを連呼しつつもこのレビューを書いてる私はまだまだ逝けるのかもしれません。さっきからカラスが五月蝿い。アンソロジーとしてこのレベルの作品が集まっているのは非常に珍しいことですので、是非ミステリ好きの方にも、そうでない方にも挑戦していただきたい一作です。寝て起きたら、皆様の正解率なんかをググってみよう。そうしよう。

おやすみなさい。

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2006/06/24

『夢はトリノをかけめぐる』 東野圭吾

夢はトリノをかけめぐる Book 夢はトリノをかけめぐる

著者:東野 圭吾
販売元:光文社
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根っからの冬季五輪好き作家・東野圭吾が現地トリノから送る観戦記。

直木賞パワーで日本選手団にメダルを呼び込むことができるのか?

東野圭吾氏のエッセイは好きです。一番笑かしてもらったのは『ちゃれんじ?』ですね。『ちゃれんじ?』で描かれていたカーリング体験記をこの『夢トリ』(←勝手に略す)でも思い出さして笑わせてもらいました。ちなみに、『さいえんす』というエッセイも御座いますので、ぜひ皆様どうぞ☆(東野氏に代わって宣伝)

さて、イナバウアー旋風が巻き起こりましたトリノ五輪。私は冬季種目ではフィギュアがいっとぅ好きです。でも、こんな風に書くと「どうせイナバウアー効果でしょ?」とか云われかねないのが悔しい。私が愛して止まないフィギュア選手はアメリカのミシェル・クワン選手。トリノでは直前に出場辞退してしまって、その記事をyahooで知ったときの私の荒れようといったらすごかったです。だって、ソルトレイクで惜しくも金メダルを逃し、エキシビジョンで涙を流しながら舞うクワン選手が忘れられないのですもの。キレイなだけでなく、心になにかを残すスケーティングができるのはクワン選手だけです。好きです。

日本選手では荒川選手より村主選手の方が好き。『夢トリ』で東野氏も語られておりますが、あの感極まったぜ!という表情の好き嫌いははっきりとわかれることと思いますが、あの流れるような優雅なスケーティングはクワン選手に通ずるものがあります。本当に“passion”という言葉に相応しい滑り。コーエン選手も好きですが、彼女の滑りからはクワンや村主から感じられる“passion”を感じられないのですね。技術の素晴らしさ、キレイさばかりに目を奪われてしまって。

と、なぜか『夢トリ』のレビューではなく、自らのフィギュア好きを熱く語ってしまっておりました。『夢トリ』は『ちゃれんじ?』のようなユーモアの混じったエッセイではなく、あくまでも観戦記なので、ちょっと物足りないんですもの。まぁ、自身のスポーツ体験記ならまだしも、選手が一生懸命競技している様をユーモアで邪魔するわけにはいかないので、仕方無いことなのですが…。ちょっと物足りなかったのは事実です。夢吉もよくわからなかったし…。

この『夢トリ』のテーマは「オリンピックはメダルを獲ることだけがすべてなのか」という一言に尽きます。サッカードイツ大会で、日本はすでに予選敗退しておりますが、私は日本代表として参戦している以上、なんらかの結果を残して帰ってくるべきだと考えております。それが代表選手になれなかった人、夜な夜な眠い目擦りながらテレビの前で応援してくれた人たちへの、せめてもの礼だと思います。その結果とはメダルでなくてもかまいません。でも、観ている人たち、応援してくれている人たちをがっかりさせるような試合だけはして欲しくない。「こんな朝早くに起きたのに、あんな散々な試合を観せられた」なんて思いだけはさせないような、堂々とした闘いぶりをみせてほしい。

メダルにこだわる風潮を生み出したのは、間違いなくマスコミですよね。メダルを獲れば、荒川選手のように一躍時の人になることができます。でも、それって本当に必要なことですか?頑張っている姿って、絶対に伝わってくるはず。少なくとも、ソルトレイクのクワン選手に私は感動を貰いました。結果は銅メダルだったけれども、それ以上のなにかを彼女から貰いました。でも、ドラマやCMにバンバン出演する荒川選手からなんの感動も得ることはできません。

感動が得たくて人々はスポーツを観戦するのだと私は思います。メダルは頑張った選手個人に与えられるものであって、国に与えられるものではないでしょ?私たちはメダルが欲しいのではなくて、感動が欲しいのでしょ?少なくとも、私はそう思います。

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『死霊都市の王 スレイヤーズ8』

Book 死霊都市の王

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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冥王・フィブリゾによって連れ去られたガウリィ。

彼を助けるため、リナたちとシルフィールは死霊都市と化したサイラーグへと向かう。

スレイヤーズ第一部完結。

ようやく第一部完結!パチパチパチ。

このノットリ結末ってあまりにも他力本願寺で、私あんまり好きではないんだけれど、こうでもしなきゃ冥王は倒せないのかなぁ、と。ストーリーも終結させるためにぐいぐい進んでしまうし、もちろんゼロスもほとんど登場しないから萌えポイントも無いし。ゼルとだって途中で別行動取るから、まるでゼルアメみたいな挿絵が登場するし。

って、ぜっかくの第一部完結なのに、文句ばっかりじゃないですか。

スレイヤーズの世界観では、5人の腹心やら、腹心の手足となる将軍やら神官やらが好きです。赤の竜神の騎士も好き。とにかく伝説とか伝承とかが絡んでくるような奴等にぐっときてしまいます。漢字にルビふってあるような台詞とか設定が良いですよね。魔法とか「ほうほう、そう読むか…」とか思っちゃいます。こういうファンタジーの設定って、考えるの本当に楽しそうですよね。楽しいからって、簡単に思いつくとは思っておりませんが。むしろ難産。ひとつの世界観を構成するために、たくさんの書物を紐解いて、多くの要素を詰め込んで、ようやくひとつの世界が生まれる。作家の先生の力には、いつも感嘆させられます。楽しませてくれて、本当にありがとう、と。

第一部完結で、ようやくアニメ版の「NEXT」に該当。「TRY」についてはアニメで楽しまなくっちゃ!「TRY」には鬼畜ゼロスシーンがあって、あの回は中学生当時にビデオに撮っておいたものを未だに保存しております。鬼畜ゼロスのマッチした石田ボイスがたまらないのですよね!DVD-BOXがもうちょっとお手軽な値段で購入できれば良いのに…。「無印」「NEXT」「TRY」で2万円に抑えていただけたら、絶対に買うのに。無理ですか?

さて、スレイヤーズレビューも一段落したので、ミステリレビューに戻りたいと思います。でも、またこういった延々シリーズものレビューってやりたなぁ。あとは大大大好きなカウボーイビバップの各Sessionレビューとかやろうかな?またもや自己満足の腐レビューになること請け合いですが…考えてみようっと。

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『魔竜王の挑戦 スレイヤーズ7』

Book 魔竜王(ガーヴ)の挑戦

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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ゼロスに導かれるまま異界黙示録の下へやってきたリナ。

そこで明かされる金色の魔王の正体と、魔族たちの本当の目的。

ついに登場した魔竜王の魔の手からリナたちは逃れることができるのか?

ゼロス一色の最高の巻です☆

次々に明かされるゼロスの本性&悪行。うーん、彼って本当に悪だわ(当たり前だ、魔族なんだから…)。あっさりと街ひとつを焼き討ちにしちゃったり、現れた竜将軍に「あなたひとりじゃあ、僕は手におえない」と言い放ったり、降魔戦争のときにたった一人で竜族を壊滅にまで追い込んだ伝説が実はゼロス様のものだったりと、ゼロスファンには堪らない一冊となっております。

むっはぁ、満足☆

しかも、ゼロリナポイントまでしっかり用意されてて!精神世界面にミルガズィア長老によって放り出されたリナを助けるゼロス様。リナを呼ぶ「こっちだ…」の声。いつものですます口調ではないゼロス様のお声です。あそこで「こっちです(はぁと)」でも良かったんだけど、やっぱり「はい。ごくろーさまです(はあと)」とのギャップを楽しむのなら、ですますではない口調の方がベストですね!「無事でなにより」はゼロス様の心からの声だったに違いない。ミルガズィア長老に話を聞いて、血相かかえて精神世界面に飛び込むゼロス様。リナの手を決して離そうとしないゼロス様。あぁ、腐女子の血糖値が上がる!!!萌え萌え。

アニメよりもストーリーが自然で、やっぱり原作は良いなぁと思います。アニメのマルチナとかセイグラムには萌えない…。やっぱり竜将軍と竜神官を一手に引き受ける獣神官がカッコイイのですよ!アニメでも精神世界面からリナを助け出すのはゼロスの役割にして欲しかったぜ。

ちなみにゼルリナポイントは少ない。異界黙示録に真っ先にゼルの体を治す方法を問い質していたら、完全にゼルリナだったのに。でも、人間肌色のゼルって想像できないぜ。やっぱり岩色じゃないと…(ゼル、ごめんね!)

次巻でスレイヤーズ第一部は終了。読まなくてはならないミステリもたくさん貯まってますので(『気分は名探偵』と『銃とチョコレート』、ミステリ以外では『夢はトリノをかけめぐる』なんかがスタンバイしております)、早々に読み上げて(だって次巻にはゼロス様、ほとんど登場しないし)本来のミステリブロ愚の営業に戻りたいと思います!

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2006/06/23

『ヴェゼンディの闇 スレイヤーズ6』

Book ヴェゼンディの闇

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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「ヴェゼンディに来い。来なければ、誰かが死ぬ…」

そう言い残して去っていたのは、あの暗殺者ズーマ。

ヴェゼンディでリナたちを待ち受けるのは果たして?

ついにゼロス様、フル(?)登場。

前作で写本を焼いて逃げたゼロス様は、再登場でどんな風に罵られ、張り倒されるのか楽しみにしていたことと思われますが、すっかり蔑ろにされてブルー。しっかりお義理を果たしたゼル様に一歩引けをとった形となってしまいました。ドMのゼロス様は苛められてなんぼなのにね…合掌。

今作は対ズーマ・対セイグラムの戦闘シーンが多くって、5人のかけ合いやすっとぼけギャグが少なくって残念。レッサー・デーモンが登場するたびに、レッサー・パンダを連想して「随分弱そうな敵だな、くぷぷ」とか云って独りで虚しくなったりしたくらいです。

あとはもう腐女子フィルターを使って、独りで町外れに宿をとったゼルの元に夜な夜なリナが通っているに違いない!とか、ゼロス様がリナに同行するのは冥王の指示じゃなくて、自分の意思に違いない!とか、もうその程度です。

あっ、ひとつあった!ゼルが別に宿をとるって云ったときに、リナが「ゼル、笛かなんか持ってない?」とゼルを便利なマジックアイテム扱いしたところ。本当はそうじゃないだろ?いつでも逢えるようにするためだろ?と萌えた。笛を鳴らすと忠犬ハチ公のように駆けつけるゼル…めんこい。

それにしたって、こんなに気の乗らないレビューは久しぶり。復讐のストーリーがしっかりしすぎているからね。あと、立て続けに読んでるから萌えネタも尽きる…。次回からは限りなくアニメのストーリーなのに、こんな調子で大丈夫か、私?

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2006/06/22

『白銀の魔獣 スレイヤーズ5』

Book 白銀(しろがね)の魔獣

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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謎の女魔道士に術を封じられたリナは、女に導かれるままマインの村にやってきた。

マインの村ではシャブラニグドゥ崇拝という、いかにも怪しげな宗教団体が。

彼らは一体なにを企んでいるのか?

ついにゼロス様登場!

ですます口調の、いかにも怪しげな神官(プリースト)、我等がゼロス様の登場です。シャブラニグドゥは崇拝しなくとも、ゼロス様崇拝の宗教団体には入信できるかもしれない。愛しております、ゼロス様。

ゼロス様はリナたちと合流する前に、ゼルと組んでお仕事をされていたそうですが、まさにゴールデンコンビでございますね。ある意味、ジャニーズです。ジャニーズに熱狂する女性方々の気持ちがわかる気がします。

リナの魔力を復活させるべくマゼンダ(謎の女魔道士ね)を追いかけるゼロス様。愛ですね。「必ず追いついてみせますから」なんて断言しちゃう(いや、ゼロスにはその力が充分あるのだけれど。その必要も)あたりに、ゼロリナを感じます。あの場面でなく、もっとらぶらぶな場面でもこの台詞使えますね…メモメモ。きっとにこ目ではなくて、ちょっと涼しい顔しておっしゃったのだろうなぁ。萌え。

その他の萌えポイントは、ザナッファーデュクリスと戦った際に「わー」「死ぬー。殺されるー」とにこにこ顔のまま、雑魚ども相手に軽い運動をされたであろうゼロス様。石田ボイスが容易に想像できる…。石田ボイスになら馬鹿にされても気持ち良いんだろうなぁ(あら?今日はドMですか?)

ちなみに、ゼルリナポイントもあります。ヴェドゥルにやられそうになったリナを助けた際に、リナが「ガウリィ!」と呼びかけるのですが、「予想をはずしてすまんが、俺だ」と颯爽と登場されるゼル。絶対に悔しかったはず!「ちくしょう!助けたの俺なのに!!」と舌打ちしたに違いない。その後、ちょっとリナに冷たかったように感じたのは、腐女子フィルターを通して作品を読んでいるからに違いない…。

まったく、作品の内容に触れておりませんが、あえて触れるとするならば、ザナッファーを倒すためリナを抱えたまま浮遊するアメリアって、間違いなくまぬけだったことでしょう。アニメの影響か、浮遊中の効果音って“ふよふよふよ…”ってやつなのですが、想像しただけで笑いが。ミステリで、密室を作り出すためにせっせと雪かきとかしてる犯人を想像するときと同じ笑みですね。

さて、次巻からはようやく5人のおもしろ駆け合いが見られますね。ゼロスがどんな風に苛められるのかがレビューのテーマになること間違いなしです!お楽しみにぃ☆

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『聖王都動乱 スレイヤーズ4』

Book 聖王都動乱(バトル・オブ・セイルーン)

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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親戚も下に身を寄せることとなったシルフィールの護衛としてセイルーンにやってきたリナとガウリィ。

しかし、セイルーンは只今後継者争いの真っ最中。

もちろんトラブルに自ら飛び込んでゆくふたりであった…。

今日4作目のスレイヤーズです。一気にまとめてレビューすれば良かったなぁ。誰も今更スレイヤーズのレビューなんて読まないよなぁ。と思い始めております。まぁ、自己満足のブロ愚だから。自分が楽しければ良いか…。

今回はついにアメリアの登場です。アニメ版よりもかなり大人しい感じのアメリア。原作のアメリアの方が好きです。だって、アニメのアメリアはもう破天荒に明るいのだもの。原作のなかなか鋭いところを併せ持つアメリアに好感。

今回は理由もわからぬまま魔族に狙われるリナが描かれておりますが、このあたりから次回作への布石が目立ち始めますね。シリーズものっぽい。セイグラムの登場って『アトラスの魔道士』で終了でしたっけ?アニメ版の影響か、もっと登場したような気がするのですが…あれ?スレイヤーズシリーズも細かいところはすっかり忘れ去っておりますな。

今回はゼル、ゼロスの萌えキャラコンビ(いつからコンビに…)が登場しませんので、レビューも控えめ。やっぱり萌えキャラが登場しないとね。今回の一番の萌えキャラは誰だろう…シルフィールの妄想フィルさんかな?あんなアラビアンナイトな王子だったら、どんなに良かったことか…。

そうそう、ガウリィのくらげ頭は実はフェイクではないか…という噂を耳にしますが、私もフェイクだと思っております。実はものすごく色んなことを考えていそう。けだもの…もとい獣並みの嗅覚の持ち主であるガウリィのことだから、聞かなくても良いもの、知らなくても良いものまで見えてしまうのでしょう。そういったことから身を守る術があのスポンジ脳みそ(ふり)だと思っております。場数も踏んでそうだし(←云い方が怪しいって…)

次回はようやくゼロスの登場!ゼルも合流し、ベストメンバ勢揃いです。寝る前にもう一冊読んじゃおうかな?それとも明日にしようかな。皆様、お楽しみにぃ☆(←だから読んでる人居ないって…)

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2006/06/21

『サイラーグの妖魔 スレイヤーズ3』

Book サイラーグの妖魔

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
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賞金をかけられ、勇者様ご一行に狙われ続けるリナとガウリィ。

その賞金をかけたのが、あの“赤法師レゾ”だというのは本当なのだろうか?

スレイヤーズシリーズ第三弾。

「お次はアメリアの登場ですね!」なんて前回レビューを締めくくりましたが、『聖王都動乱』の前に『サイラーグの妖魔』が挟まってましたか…正確には「お次はゼルの登場ですね!」だったわけですね。アメリアよりゼルの方が好きだから良いけれど(←あっ!)

この『サイラーグの妖魔』は第一巻『スレイヤーズ!』で倒した“赤法師レゾ”が生きていて、リナたちに賞金をかける…というところから始まります。ネタバレをしてしまえば、レゾはやっぱり滅んでおり、レゾのホムンクルス(人造人間)がかつてのレゾの部下によって操られていて…でも、コピーレゾは魔族と合成させられたことで、コピーでありながら自我に目覚めている、というストーリーです(かなり正確)。この自我に目覚めたコピーレゾの存在がちょっと哀しくって、エピローグなんかはちょっとしめっぽく出来上がっております。切ない感じ。

さて、肝心のストーリーはさておき(←さておくな!)ゼル再登場です☆「待たせたな」とカッコつけながら登場のゼル様。待ったわよ!!おいしいところを本当に持ってゆくんだから…。今回の『サイラーグの妖魔』の中でゼル様が一番素敵だったところは、ヴルムグンの死亡を確認し、火炎球で灰と化し、灰をせっせと壷に詰め込むところです。しつこ過ぎる、ゼル様!そういうのって、男女の間柄の中でも出てくるのよね…。執拗なまでに好きになった女に付きまとうゼル様、なんだか想像できてしまうわ。

このスレイヤーズレギュラーメンバは、とにかくすごい能力を持った奴等ばかりなのですが、最強は一体誰なのでしょうね?接近戦なら剣技に分のあるガウリィよね。遠距離なら竜破斬のリナ。でも、一番バランスがとれているのって、ゼルなのでしょうね。近でも遠でもいけちゃう。アメリアは…白魔法ではシルフィールあたりにひけを取るけど、魔族を素手でどつきまわせるのは、世界広しといえども彼女くらいだから、別格というころで。結局のところ、最強はゼロスというころで自己満足させます。

さて、今度こそ「お次はアメリアの登場!」です。ようやくメンバが4人揃うよ。5巻になればいよいよゴキブリ魔族・ゼロスも登場するし。1巻あたり1時間で読めるから…第一部終了まであっという間ですね。ちょっと残念だけど、楽しみ!

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『アトラスの魔道士 スレイヤーズ2』

アトラスの魔道士 Book アトラスの魔道士

著者:神坂 一
販売元:富士見書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

アトラス・シティに辿り着いたリナとガウリィ。

やっぱり巻き込まれる厄介事。トラブルが彼らを放っておくわけがない。

スレイヤーズシリーズ第二弾。

第二弾はシリーズキャラがリナとガウリィしか登場しないので、やっぱり物足りない。セイグラムがシリーズキャラといえばシリーズキャラだけど。だってアニメにも登場するしね。

『スレイヤーズ!』(第一巻)を読み終わったあと、スレイヤーズのファンサイトをあちこち巡回して参りました。シリーズ自体はもう完結してしまっている(すぺしゃるは別ね)のに、まだまだたくさんのファンサイトが活動されていて、キャラクタがたくさんの方に愛されているのに嬉しくなってしまいました。

ここからもう発言が腐女子以外の何物でもなくなってしまいます。一般の方はいますぐ避難してくださいね。

ファンサイトというものは、大抵なんらかのカップリングをメインに据えて活動されているわけですが、今日廻ってきたのは主にゼロリナゼルリナです。

やっぱゼロスはイイッ!!

ゼロスののほほんとした、それでいて黒い部分もすごく好きですが、やっぱり彼はあの石田ボイスが聞けないと物足りない。あの変態的なまでの囁き声で「それは秘密です」とやっていただけないと。ゼロリナは魔族と人間の愛を描いたシリアスものより、コメディで、ゼロスがとにかく苛められちゃっている作品が好きです。好きになった弱みで、リナには頭が上がらなくて、まるでドラ○もんのように酷使される彼を見るのが好き。でも、最後にリナから感謝の言葉を述べられると、魔族にも関わらず喜んじゃうゼロスが可愛い。生の感情を受けて滅んでしまえ。(←だって私、ドSですもの)

そして、ゼル熱も復活!!

あのクールな感じが壊れる瞬間なんかが描かれていると、キュンとしてしまいます。あの4人で旅をしていれば、ゼルの人格も壊れて行くでしょうけど…。ガウリィがリナの保護者を気取ったときにちょっとジェラシーしちゃうゼルなんて描かれていた際には、悶絶してしまいます。あんなにクール(岩で出来た体もクール)なゼルが嫉妬で熱くなっちゃうなんて、萌え。創作上のゼルは口説き方も手馴れたもので、ちょっと色男風なのが特徴。それがまたたまらん…。

やっぱり、私はスレイヤーズのキャラクタを心から愛しているんだ(間違った方向にね!)と再認識したひとときでございました。

さっぱり『アトラスの魔道士』について語ってないけど、シリーズキャラが出てこないとどうしてもね。さて、お次はアメリアの登場ですね!

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『スレイヤーズ!』 神坂一

スレイヤーズ DVD-BOX DVD スレイヤーズ DVD-BOX

販売元:バンダイビジュアル
発売日:2006/05/26
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もう内容紹介の必要も無いかと思います。『スレイヤーズ!』を何年かぶりに再読致しました。最初に読んだのは、アニメ(無印)が開始した中学生のとき。

そのころはすっかりゼル(=ゼルガディス)に夢中でね☆

トゲがあって、力もあって、でも悩みを抱えてて…なんてオタク中学生がハマリそうな設定、直球ストレートなのでしょうか。その後の私はすっかり、

ゼロスに夢中☆★

なんですが。石田彰ボイスのゼロスにハマって早10年。彼は未だに私のらぶらぶキャラクタベスト3にくい込んできます。だって、ゼルより性悪で、力もあって、とにかく“悪”なんですもの。いつもにこにこ顔のゼロスが時折見せる魔族の顔にすっかりノックアウトです…って、『スレイヤーズ!』(1巻のこと)に登場しないキャラクタにすっかり燃え上がってどうするお前。

さて、何年かぶりに『スレイヤーズ!』を再読したきっかけは、アニメシリーズのDVD‐BOXが発売になるという記事を読んだからです。青春時代の苦い思い出(←苦いのか…)をプレイバックさせる記事に、「久しぶりにスレイヤーズ読みたいなぁ」と、押入れの中から文庫本どっさり引っ張り出してきたわけです。

やっぱり面白いなぁ。

魔法が登場するファンタジーものは世の中にたくさん溢れ還っておりますが、ここまで愛されるキャラクタが次々と登場するファンタジーを私は知らない。あとがきでファンタジア文庫の編集者さんが述べておりますが「読み終わった後で、ストーリーなどは忘れてしまったとしても、個性的なキャラクターは読者の心に残ります」まさにこの通りなのですよ。メインキャラクタの中で嫌いなキャラクタなんて一人も居ない、愛されるべき奴等の活躍が描かれるファンタジーがこの『スレイヤーズ!』です。だって、悪役でさえも愛おしいもの。

というわけで、ミステリブロ愚にも関わらずアニメの話をどっしりしてどうする?という皆様の心の声が聞こえてきそうですが、まぁ「名探偵コナン」やら「ガラスの仮面」やら、もうすでにミステリブロ愚とは云えないカテゴリが存在しますので、いまさらひとつ「スレイヤーズ」が増えたって問題ないでしょう。私がすっかり腐女子であることを皆様に知っていただけたら…。

『スレイヤーズ』第一部完結(つまりゼロスが登場しなくなる)まで、一気に読んで行きたいと思っておりますので、2・3日(で絶対読み終わると思う)お付き合いくださいませ。

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2006/06/20

『夜のピクニック』 恩田陸

夜のピクニック Book 夜のピクニック

著者:恩田 陸
販売元:新潮社
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夜を徹して全校生徒が80kmを歩く“歩行祭”が始まった。

私はあの賭けに勝つことができるのか?

私は勝つことを望んでいるのか、負けることを本当は望んでいるのではないだろうか?

青春ですねぇ。

こういうバキッと青春!という物語は大好きです。恩田氏の作品は何冊か読みましたが、いまのところこの『夜のピクニック』が一番かもしれない。前回のレビューでも同じようなことを書いた記憶がありますが…健忘症か?

恋愛のこと、友達のこと、受験のこと。なんでも楽しくて、なんでも不安で、自分がなにをしたいのかうまく掴むことができなくて。こういったもやもやした、あやふやな感情って、高校生くらいの時代が一番似合いますよね。子どもでもない、大人でもない、高校生でしかない時代。できれば高校生にもう一度戻りたいと思わせる素敵な一冊でした。

この『夜のピクニック』は夜を徹して80kmをただただ歩くという“歩行祭”の出来事が描かれています。もし、高校時代にこんなイベントが修学旅行の代わりにあるなんてことになったら、私は暴動を起こしたかもしれない。でも、実際にやらねばならなくなったら、絶対に楽しい一夜になるという自信があります。修学旅行の夜が一日ずーっと続いているようなものでしょ?進んでは絶対にやらないけれど、やってみても良いかな?と思わせる不思議な魅力を持つ“歩行祭”。普段は無意識下にある事柄が、きっと素敵に見えてくるだろうな。

登場する高校生たちがまた素敵で。実際に私が高校生だったころはもっともっと子どもで、あんなに仲間を大切にしていなかったかもしれない。今になって一番付き合いが続いているのは高校のときの仲間たちなのだけれど、この『夜のピクニック』に登場する彼らのような連帯感は高校時代には感じていなかったはず。皆が皆を思い合っていて。もちろん秘密を抱えるふたりの主人公を筆頭に。彼らのような互いを尊敬し合っていて、こいつといっしょにゴールを迎えたいと思える仲間。本当に良いものですね。

読了後、本当に清々しい感情が沸き起こりました。本屋大賞受賞も手放しで頷ける一冊。

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2006/06/18

『黄金蝶ひとり』 太田忠司

黄金蝶ひとり Book 黄金蝶ひとり

著者:太田 忠司
販売元:講談社
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両親が5度目の新婚旅行に行っている間、父方の祖父にお世話になることになった僕。

祖父は万能学を教え、犬たちと牧場で暮らす、ちょっと変わった人だったんだ。

その夏、僕が体験するとっても不思議な物語。

結局、例のブツってなんだったんですかね?

いきなりネタバレから失礼いたしました。

ミステリーランドもあらかた読み終わり、残すところ竹本健治氏の『闇のなかの赤い馬』と乙一氏の『銃とチョコレート』のみとなりました。ミステリーランドの良いところは、“少年少女のための”と銘打っているため、ファンタジーに対する許容範囲が広いということです。この『黄金蝶ひとり』もすっかりファンタジー。ファンタジーを許容できないと、上記の私のような感想になってしまいます。

いや、ストーリーとか、ミステリ部分は結構良かったのですが(叙述トリックとか)、例のブツが一体何だったのか?という最大のファンタジー部分がどうしても気になってしまって、どうにも落ち着かない読了。不思議は不思議のまま残しておくのもアリなんですが、ちょっとは解説とか回答とか欲しかったです。宇宙からの飛来物でも構わないんですがね。

あと、びっくりしたのが、いきなり頭の体操からストーリーが始まったこと!ヒトラーが地獄の門の前でいきなり問題を一方的に投げかけるくらいの衝撃がございました。レベルは小学生レベルなので、手を止めるまでも無いのですが、こういうお遊びってすごく好きです。高田崇史氏の「千波くんシリーズ」が読みたくなってしまいました。

そうそう、冒頭の“キミに挑戦”も遊び心いっぱいで良かったですね。本一冊使ったトリックって好きです。清涼院流水氏の『ジョーカー』あたりもそうですよね?

遊び心満載のミステリーランドらしい一冊。ただ、例のブツが一体何だったのか、とても気になるところです。あれなら戦争に勝てるよ…。

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ガラスの仮面 第48話 「夢の一夜」

GyaOで放送されているアニメ「ガラスの仮面」。

もはや伝説となりつつある(←お前だけだ)マヤと速水さんがふたりっきりの山小屋で愛を確かめ合う、あの回がついに放送されました!

物足りねぇ!!

あの山小屋のシーンにはたっぷり一回分は使って欲しかったところですが、ものの5分で終了してしまいました。

超物足りねぇ!!!

眠るマヤを抱きしめながら、悶々とした辛い夜を過ごす速水さんの苦悩を、これでもかっ!これでもかっ!!と演出して欲しかった。

名台詞「おれも男だからな。責任がもてなくなるかもしれんぞ」と、すでに責任がとれなさそうな顔しておっしゃる速水さんの表情を!「もはやこれ以上待てん!」と云わんばかりにマヤをグッと引き寄せる速水さんを!あぁ、もっともっと速水さんを苛めて欲しかった…。(←変態ですね)

せめてマヤに熱いキスをするシーンくらいは入れてくれ!!

本物の夢の一夜はこちら↓

ガラスの仮面 (第37巻) Book ガラスの仮面 (第37巻)

著者:美内 すずえ
販売元:白泉社
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この表紙だって、抱きしめ合うのは亜弓さんではなく、速水さんにして欲しかった…。

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『ラインの虜囚』 田中芳樹

ラインの虜囚 Book ラインの虜囚

著者:田中 芳樹
販売元:講談社
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コリンヌは亡き父の名誉を勝ち取るため、3人の仲間と共にライン河ほとりの“双角獣の塔”へ向かう。

“双角獣の塔”に虜囚として捕らえられているのは、9年前に亡くなったとされる、かのナポレオンなのか?

コリンヌの過酷な旅が始まる。

惹きつける時代設定と魅力的なキャラクタの光る冒険記でございました。冒険記って本当にわくわくさせる力がありますよね!私はすごく好きです。

コリンヌと共に旅をする女にだらしない3人の仲間たち(笑)が本当に魅力的です。陸に上がった海賊と、謎を抱えた老齢剣士、自称天才作家の3人。自称天才作家は思い返してみると特になにもしてない…という地味な驚き。参謀ですらなかったですね。でも、憎めない良い味醸し出しております。

ラストで、実はこの3人がこんな大物でした!という後日談があるのですが、そこまで読んだ読者なら「あいつらならそのくらいやるだろう…」と思うに違いないという、素敵な描かれ方をしております。

田中芳樹氏がこの『ラインの虜囚』を執筆するにあたって読んだ参考文献の一覧がずらっと並んでいるのですが、田中氏の努力(?)を窺い知る事が出来ます。この時代(フランス7月革命あたり)の時代背景やナポレオンのことがしっかりと肉付けとして描かれていて、安心して読めるのですね。細部まで丁寧に描かれている作品は読んでいて気持ちが良い。好きです。

子どもたちがこの『ラインの虜囚』を読んだら、きっと次に『三銃士』や『鉄仮面』を手に取るんだろうなぁと思います。私も小学生のときに読んだっきり(『鉄仮面』はもうちょっと後か)ですので、また読んでみようかなと思いました。『三銃士』は小学生のときに読んだジュブナイルの中でも、とりわけ好きな一冊だったなぁ。

田中芳樹氏といえば『創竜伝』が御馴染みですが(続さん愛しちゃってます)、新たな一面を見ることが出来ました。どきどきわくわくの一冊でございました。

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2006/06/16

『さまよう刃』 東野圭吾

さまよう刃 Book さまよう刃

著者:東野 圭吾
販売元:朝日新聞社
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少年たちに蹂躙され殺害された娘の復讐に手を染める父親。

遺族による復讐殺人に世間では賛否が大きく分かれ、警察内部にも密かに父親を支持する刑事たちが現れる。

裁く権利は一体誰にあるのか?

さわりだけ読んで寝てしまおう…とおやすみ前の歯磨きをしながら読み始めた『さまよう刃』。結局そのまま3時間、一気に読み切ってしまいました。

すごい惹きこまれる一作。

父親は娘の復讐を果たすことができるのか、それとも罪を犯した少年が逃げ切ることとなるのか。父親も少年も追わなくてはならない警察と、事件をセンセーショナルに取り扱うマスコミ。とにかくどこを切っても金太郎飴ではありませんが、どこを取っても面白い。

この作品の主題はやはり少年犯罪。少年法に守られ、殺人を犯しても罰せられるどころか守られる立場の少年。被害者の親族が望むのは加害者が更生することなどではなく、加害者が一生悔い悩んでゆくことなのに…。重たいテーマですね。

こういったオープンな場で発言すべきことではないのですが、個人的にこの『さまよう刃』を読んでいて、私が常に応援していたのは被害者の父親です。復讐が完結すれば良いと本気で思っていました。もちろん、父親に裁く権利など無く、彼が犯しているのも犯罪に他ならないのですが。あんな性根の腐った少年どもなぞ死んでしまえば良いと本気で感じました。自分の犯した罪を自覚もできず、隠せば良い逃げれば良いだなんて、幼稚園児のすることではないですか。幼稚園児が体だけ大人になって、女を力で捻じ伏せ、少年であるという理由だけで守られる世の中。そんな世の中くそくらえです。

少年法について勉強したことなぞ無く、テレビから得る断片的な情報や『さまよう刃』を読んで考えただけの甘っちょろい思考でしかありませんが、本気でそう考えました。犯罪者は裁かれなくてはならない。これはどんなミステリを読んだってそう感じます。探偵が犯人を逃がしてしまう作品なんて言語道断です。今回の『さまよう刃』に登場した父親のように、止むに止まれぬ理由で犯罪に手を染めた犯罪者もいるかもしれない。でも、やはり理由など関係なく、起こった事柄を一つの事実として捉えるべきだと思います。だから、父親には復讐を果たしたあとに、しっかり裁かれて欲しかった。

今回は激情型のレビューで、推敲もせずに一気にupします。あとで読んで後悔するかもしれないけれど、リアルな感想を記事にすることも必要かな、と。

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『眼球蒐集家』 船越百恵

新米刑事・香月七海は初死体に対面し嘔吐するという王道をやってのけ、見事に左遷。

その左遷先は猟奇事件特別研究室。

いかにも怪しげな美咲室長とともに、眼球蒐集連続殺人事件に挑む。

ここのところ、ベッドで読書→いつの間にか睡眠→照明点けっぱなしで朝という悪循環を繰り返しておりまして、ようやく久しぶりに一冊読了することができました。別に『眼球蒐集家』が面白くなくて寝ていたわけでなく、逆になかなか楽しめる一冊でございました。

さて、本作はKAPPA-ONE登龍門出身・船越百恵氏のデビュー作です。船越氏の作品は既に二作目の『名探偵症候群』を読了済で、そちらについては酷評した記憶があるのですが、この『眼球蒐集家』はプロファイルものの王道ではありますが、読みやすい文章と魅力的な登場人物に好感の持てる一作でした。

ミステリ的なツッコミ処ももちろんございますが。まず、プロファイルが神懸かり的に百発百中なのですね。いくら鬼畜室長・美咲氏がインターポール出身の超エリートとはいえ、プロファイルでそこまで具体的な犯人像が絞れるとは思えません…。あとは、情報の入手方法がかなりご都合主義といいますか、バカンス&出張で向かったフランスでたまたま日本で起きている事件に関係する超有力情報が入手できるなんてそんなこと…。

プロファイリングといえば、私が中学生の頃大ブームが起きましたね。本もバカ売れしてましたし、テレビの特番もよく見ておりました。ジャンプで漫画もやっていた気がする。とにかく一大ムーブメントを起こしたプロファイリングですが、実際のところどのくらい浸透してきているのでしょうかね?『DEATH NOTE』にもプロファイラーが登場してましたし、案外普及しているのかしら。どうしても裏方的な印象が否めないプロファイル。あくまでも統計論(大雑把にくくればの話)ですので、ビシッ!と犯人が特定できない地味さがありますよね。プロファイラー全員が本作の美咲室長並にお告げを発揮できれば、捜査の主軸になれるのかもしれませんが…。

本作はいかにもシリーズ化しそうな流れだったのですが、驚きなことに二作目にこのシリーズを持ってはこなかったのですね。でも、一読者として是非シリーズ化を願います。美咲室長も、独白がお茶目な七海巡査も、そして二人の関係もとっても気になるのですもの。

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2006/06/15

『のだめカンタービレ 15』

のだめカンタービレ #15 (15) Book のだめカンタービレ #15 (15)

著者:二ノ宮 知子
販売元:講談社
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ここのところ夜な夜なFFⅥ(よく見て!XIIじゃないのよ!)をやったり、石田彰様の登場する某アニメビデオ(ガン○ムではない…)を見たりして時間を過ごしております。

ミステリ読めよ!

という、皆々様からの至極御尤もなツッコミはありがたく頂戴し、そのまま封印してしまおうと思います。

さて、自堕落な生活を全うしております私。ようやくのだめ15巻を入手することに成功いたしました。先に発売したマングース付きの限定版を買ってしまおうかと悩んだり、何で北海道は内地(本州の意)より2日も遅れて入荷なんだよ!と憤ったりしながら迎えたのだめ発売日。

のだめ最高☆

スカトロ師匠モーツァルト好き貴族の城でのだめ初リサイタル。のだめが遠くに行ってしまう…とたそがれるオレ様千秋に、ますますいぶし銀に磨きをかけたクロキン。いやぁ、良い漢がいっぱい登場する漫画ってのは良いね。癒される。

のだめのリサイタルぶりも良かったですね。「楽しんで演奏するので、頑張って聴いてくだサイ」の名台詞には笑った笑った。「でものだめはこれが着たいんデス。わかってください」もイイねっ。「針と糸をくれ…」の千秋も良かった!名夫婦ぶりを発揮ですよ。主夫ぶりも板についてきましたね、千秋様。

ラストではいよいよマルレオーディションも始まって、オレ様☆千秋がガンガン見られるようになると思うと期待大です。

そうそう、明日からフルートのレッスンに行ってきます♪初レッスンです。ボーナスで衝動買いしてしまったpearlのフルート持って、うきうきいそいそと行って参ります!

超楽しみ♪

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2006/06/12

『連殺魔方陣』 柄刀一

連殺魔方陣 Book 連殺魔方陣

著者:柄刀 一
販売元:祥伝社
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IQ190の天才・天地龍之介が招待された亀村家で起こる連続毒殺事件。

毒殺の機会は誰にも無い様に見える中、発見される予告状。

魔方陣に魅せられた犯人を龍之介は止めることができるのか?

魔方陣って好きです。

取っつき難そうに見えて、ルールさえ知ってしまえばどんな大きさの魔方陣だって簡単に解くことができるんですもの。もちろん本作で紹介されているような素数魔方陣なんてものには適用できませんが。無秩序に見えるものにもれっきとしたルールがある。ミステリ的思考ですね。

さて、この「龍之介シリーズ」は他に『殺意は砂糖の右側に』しか読んだことないのですが、柄刀氏の講演会に参加した際に氏が魔方陣について熱く語っていらっしゃったことを思い出し、いきなり手に取った次第です。実は『殺意は~』を読んだときに龍之介の引っ込み思案なところが気に食わなくって、以降読むのを避けていたシリーズだったのですが…。ほら、私のよく読むミステリの名探偵って、俺が俺がのナルシストな方ばかりなものですから。

最近ミステリと数学の融合が妙に多い気がします。数学もミステリも「真実はいつもひとつ!」(byコナン)なところがマッチングするのでしょうか?私は数学大嫌いでしたが、やっぱり長々と数式を解いて、「これだっ!」っていう解に辿り着いたときは気持ち良かったものです。ミステリに登場する探偵の方々も、トリックを解いたときには同じような気持ちになるのでしょうか?でも、数学とミステリの違いはそこに犯罪者の悪意と被害者の悲しみがありますからね。いや、数学にも出題者の悪意が存分に潜んでおりますが…。

この『連殺魔方陣』では犯人が予告状を効果的なものにするために、えらい苦労をされている模様ですが(この程度ならネタバレにならないですよね?)最近この手の苦労する犯人像を想像すると笑いが込み上げてくるようになりました。犯人にとっては犯行を隠すための必然かつ必死の行動なのですが。例えば犯行現場を誤認させるために死体を担いで雪の中を後進してゆく犯人とか、屋根の上で煙突に首を突っ込み、中にいる人間に重たい何かをぶつけて殺害しようとする犯人とか(さぁ、誰の書いたミステリだか当ててみよう!)客観的視点に立つと面白い。駄目だな、ミステリを邪に読むようになっちゃぁ…。

魔方陣に興味がある方は是非、本書を手にとってみてください。神秘の配列にきっと驚かされるはずです!

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2006/06/11

『すべての美人は名探偵である』 鯨統一郎

すべての美人は名探偵である Book すべての美人は名探偵である

著者:鯨 統一郎
販売元:光文社
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歴史学者・早乙女静香は沖縄ゼミ旅行中に殺人事件の容疑者とされてしまう。

自らの無実を晴らすため、そして歴史学者としての探究心から、徳川家の秘密が書かれた古文書の捜索に乗り出す。

明らかになるアリバイトリックと徳川家の秘密とは?

『邪馬台国はどこですか?』などでお馴染みの鯨統一郎氏の歴史ミステリです。この『すべての美人は名探偵である』では『邪馬台国~』に登場した早乙女静香を名探偵役に据えて(?)おります。

まずはキャラクタから。件の早乙女静香氏ですが、私が女性的に最もNGなタイプ。云っていることが横暴なのですよ。知識や経験から裏打ちされた美なら良いのですが、彼女はただただ傲慢なだけではないですか。彼女のことを好きだと明言する女性って、なかなか居ないと思います。典型的な女性から嫌われるタイプではないでしょうか。きっと男性も付いていけないと思うはず…。その対照として描かれる本当の名探偵が桜川東子ちゃんですが、彼女は鯨氏の『九つの殺人メルヘン』に登場しているのでしょうか?まったく裏を取らずに書いているのですが、“九つのアリバイトリック”と“メルヘン”の二つのキーワードから導き出される結論としては妥当ですよね?彼女のアリバイ崩しも超強引で納得ゆかないのですが。あれくらいの崩しで犯人よ、自供しちゃ駄目だよ。

そして肝心の歴史ミステリですが、こういう解釈は嫌いではありません。突飛な想像って好きです。でもねぇ、なぜ「これこそが最適かつ唯一の結論に違いない!」ってストレートに飛び込んでゆけるのでしょうか?まったく議論が交わされていませんよね?連想ゲームではないのだから、ひとつひとつの項目に対して考察してゆかないと。まぁ、お手軽歴史ミステリってことなら良いのかもしれませんが。歴史好きとしてはそんな学問に対する姿勢は納得ゆかないわけです。

結局、タイトルの『すべての美人は名探偵である』も内容には関係してこないし(ただただ名探偵が美人だというだけで。逆証明にはなっておりませんのよ?)なんだか、アリバイトリックものと歴史トリックものをなんとなく融合させてみました、しかもニュアンスで。みたいな作品でした。

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ついに…

テンプレートの自作にチャレンジ致しました!

大好きなお花モチーフで。

まだまだ気に入らないところがたくさんあるのですが、徐々にゆっくりと直して行こうと思います。

目下、コメント欄の右端が切れてしまう原因を探っているところです。解決いたしました!
その他、気になる不具合がございましたら、ご報告くださいませ。

この度のテンプレート作成でお世話になったサイト様

初めてのココログ・カスタマイズ
be sweet on...
花の雫

どうもありがとうございました!!

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2006/06/10

『同級生』 東野圭吾

同級生 Book 同級生

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

俺の子を身籠ったまま死んでいった彼女。

俺の出来ることは彼女の死を心から悲しんでいるふりをすることだけ。

そして、俺のとった軽率な行動が次の事件を生む。

東野圭吾氏の学園ものといえば、江戸川乱歩賞を受賞した『放課後』ですが、『放課後』よりはこちらの『同級生』の方が私好み。

東野圭吾氏のデビュー頃の作品を読んでいていつも感じるのは「丁寧に描かれているなぁ」ということ。動機とかトリックとか心の描写まで、ものすごく丁寧な仕事してますよね。現在の東野氏の作品は匠の技と云いますか、グレーはあくまでもグレーの色彩として残すように描かれていますが、この頃は白か黒かはっきりせい!という感じ。どちらの作風も好きなのですけれど。なんてったって、東野ブランド。

『同級生』で描かれているトリックも非常に丁寧に伏線が張られているので、判り易いものとなっております。ちょっと物足りないけれど、探偵の登場しない学園ものならばアリです。

それよりも『同級生』を紹介する上で特筆するべき点は、登場人物の心の動きでしょうか。なぜその事件は起こってしまったのか?その裏に潜んでいる心の葛藤とはどんなものだったのか。単一ではない心の動きが、滑稽には感じられない程度にうまく描写されています。

ミステリミステリした作品は苦手だけど、ちょっと読んでみたい気分なのという方は是非『同級生』を手にとってみてください。

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『稀覯人の不思議』 二階堂黎人

稀覯人の不思議 Book 稀覯人の不思議

著者:二階堂 黎人
販売元:光文社
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手塚作品愛好家が密室の中で殺害された!

現場から盗まれた稀覯本の行方はどこに?

犯人の真の目的とは?

辻村深月氏の『凍りのくじら』は藤子先生への愛がたっぷり詰まった一作でございましたが、この『稀覯人の不思議』は負けじ劣らず手塚先生への愛がどっしり詰まった一冊でございます。こういう敬愛する作家への愛とか、コレクター情報の山ほど詰まった作品を読むのは好きです。

肝心のミステリ部、動機の部分がこの作品は素晴らしいと思います。一般には受け入れられないけれど、わからんでもない動機。ああいった賞賛を受けたい人間のエゴってどうしてもありますから。動機を推理しながら読み進めるのがこの作品には合っていると思います。

ここからはミステリの要、トリックについて触れます。ご注意!

ただ、ミステリにおいて共犯トリックというのはいかがかと思います。共犯者が殺人を犯している間に、自分はのこのことアリバイ作りをしているなんてナンセンスです。しかも、実際には手を染めていないのだから、共犯というより黒幕。やっぱりミステリは正々堂々と単独犯の犯行でなくては。そもそも、共犯関係を結ぼうという思考は理解できない。囚人のジレンマではありませんが、他人とそんなリスキーな関係を結ぼうなんて、私なら絶対に思えない。互いの利害関係が一致して…というのならなんとか理解の範囲内ですが、共犯者を脅迫して殺人を手伝わせるなんて、リスクの二乗ではないですか。しかも、自分のミスで犯行が明らかになるというなら、諦めも付きますが、他人のミスで捕まることになったらもう目も当てられない…。やっぱり犯罪は単独犯に限ります。

って、自分の犯罪論をとくとくと語りましたが、別に殺人かなにかを起こそうって気はさらさらございませんのでご安心ください。

そうそう、第2の密室の作成の仕方(表の玄関の施錠)も良かったと思います。犯人がその頃ぬくぬくとアリバイ作りをしていなければね…。

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2006/06/09

『壷中の天国』 倉知淳

壷中の天国 Book 壷中の天国

著者:倉知 淳
販売元:角川書店
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長閑な地方都市で突如として起こった連続殺人事件。

殺人現場に残された謎の怪文書の意味するところは?

そして、被害者たちを結ぶミッシング・リンクとは?

この『壷中の天国』のミステリでは無い部分を省くと、おそらく5分の1くらいになるのではないでしょうか?それほどミステリとしての要素が薄いです。

残りの5分の4については

電波とオタクとゴシップで埋め尽くされております。

文章は倉知氏らしく読み易いのだけれど、それに騙され続けるにも限度がございます…。「すべて伏線で、ラストにはビシッ!と回収してくれるに違いないわ!!」と期待と欠伸を噛み締めながら読んだのですが、あくまでも電波とオタクとゴシップでしかありませんでした…。残念。

登場人物は皆さん、魅力的なのですがね。ただ、ゴシップの対象として魅力的なだけであって、推理小説の登場人物としてはちょっと…。だって、ミステリの部分なんて5分の1なんだもの。探偵役(?)の推理も「で?」ってなもんで、絶対真面目に調査している警察が1ヵ月近くもかかって犯人を検挙できないはずがない。警察の動向がさっぱりと描かれておりませんのでわかりませんが、きっと集団昼寝を繰り返していたに違いない。

あと、ミッシング・リンクもちょっとね。電波を受信する異常者の心中は私には理解できませんでした…。というか、あれが殺害の理由なら、もっともっと死体が増えているはずだもの。いまや、あんなもの世の中のどこにでも溢れ還っておりますよ。

というわけで、倉知氏の作品の中で一番合わない作品でございました。残念。

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2006/06/07

『依頼人は死んだ』 若竹七海

依頼人は死んだ Book 依頼人は死んだ

著者:若竹 七海
販売元:文藝春秋
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女には向かない職業を聞かれて貴方は何と答えますか?

女探偵・葉村晶のもとに寄せられるいくつもの事件。

その真相はいつも少し切なく、そして…こわい。

女探偵ものって本当に少ないですよね。桐野夏生氏の村野ミロが筆頭でしょうか?あとは…ちょっと思い浮かばないな。単品なら見かけることもあるけれど、シリーズものとなると一割にも満たないのではないでしょうか。これだけ推理小説が溢れているというのに。あっ、森博嗣氏のVシリーズは女性が名探偵役ですね。

さて、この『依頼人は死んだ』は若竹七海氏の創造した葉村晶が女探偵として登場します。女としての特性はほぼ皆無ですので、『女には向かない職業』に御執心の方もご安心ください。

8つの短編が納められている本作でありますが、怪傑スバットな結末が用意されているわけではありません。くどくど説明しない、きちんと読んでいれば皆まで云わずともわかるでしょ?といった結末が多い。結構好きなタイプの落し方ですが、8つも続けて読むとちょっと物足りないかもしれない。帯にも、上記の内容紹介にも書きましたが「少しこわい」結末がどれもこれも用意されております。常軌を逸した人が犯罪を犯す…というか、生きている人間は誰もかれも常軌を逸しているわけですね。特に探偵に仕事を依頼するような人間は。依頼人至上主義ではなく、自らの「知りたい」という本能の赴くまま探偵業を続ける、葉村晶という探偵に好感が持てました。

描かれている謎についても、なかなか上質だと思います。身内に事件が起こりすぎだとは思いますが。類友ですか?その謎へのアプローチの仕方も独特で、若竹氏の作品ならではだと思います。若竹作品の入門書としても良いのではないでしょうか?

この女探偵・葉村晶はシリーズものであるという噂をどこかのブログで入手した記憶があるので、またの機会に挑戦してみようと思います。

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2006/06/06

『サイコロジカル』 西尾維新

サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し Book サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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死線の蒼が向かった堕落三昧研究所で彼らを待ち受けていたのは害悪細菌。

そして起こる猟奇殺人事件。

戯言遣いはこの危機を乗り越え、囚われの死線の蒼を助け出すことができるのか。

敢えて意味わからないように内容紹介を書いてみました。死線の蒼は「デッドブルー」、墜落三昧は「マッドデモン」、害悪細菌は「グリーングリーングリーン」、戯言遣いは「モンキートーク」と読みます。例えルビを振ったって理解なんてできねぇ…。

さて、この『サイコロジカル』は「戯言シリーズ」最後のミステリといっても過言ではありません。まぁ「クビツリハイスクール」が既にミステリでは無いんですけれども…(個人的見解です)。というか、机上の空論も良いところですよね!こんな解決で納得する奴等(特に墜落三昧)の顔が見たいってなもんです。まぁ、そこは西尾氏が後日談でフォローしてくれておりますが、キャラ萌え作品としてこの『サイコロジカル』を読んだわけでは無い方は、読了後憤って仕方ないことでしょう。「結局、だからなんなんだ!」と。

『サイコロジカル』はいーちゃんのERプログラム時代のことや、友のチーム時代のことが描かれている貴重な一冊です。キャラ萌え。それだけでこの『サイコロジカル』を読んだ甲斐があるというものです。「戯言シリーズ」完結のあかつきにはこの辺りのことがすべて明かされると思って期待していたのですが…。明日発売(北海道じゃ明々後日だ)の『ザレゴトディクショナル』を読むと、このあたりのことが解決されるのでしょうか。購入予定はありませんが、皆様のレビューを読んで好評なのであれば、おいおい考えようと思います。

読み終わったのが一昨日なものだから、生の感想が書けなくて、ここまで書くのにも精一杯です。もう無理ポ。

『ザレゴトディクショナル』が良いようであれば、皆様教えてくださいませ。

サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄 Book サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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2006/06/03

『クビキリサイクル』 西尾維新

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い Book クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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絶海の孤島・鴉の濡れ羽島に集められた5人の天才とその介添人。

そこで起こる連続首切り事件。

このクビキリのサイクルを戯言遣いは見破ることができるのか?

去年終焉を迎えました「戯言シリーズ」はここから始まりました。

『クビキリサイクル』は最高にイイッ!!

「戯言シリーズ」は当初、こんなにもしっかりとした本格ミステリだったのに…と悔やむこと数回。このテイストで最後までいってくれたら、西尾氏は私の中で間違いなく神格化されたでしょう。

萌えと秘密を内包するキャラ創りと、小気味の良い戯言。このふたつが「戯言シリーズ」をここまで飛躍させたすべてだと思います。そして、圧倒的な世界観も。とにかく、私はいーちゃんと友が好きでね。友はヒロインにも関わらず、さっぱり物語に登場しないから、この『クビキリサイクル』と『サイコロジカル』は私の中でバイブルと化しております。

ミステリとしても丁寧に描かれていて、好感が持てます。ただ、トリックが『そして誰もいなくなった』同様“読む前からネタバレ”状態を起こしておりますので、容易に想像できてしまうのが残念。登場する最初の密室についても悩むことなく解決することができます。悪くはないけれど親切すぎる。

あと、感じるのは「天才のスケールがちっせぇ」ということ。現実世界で天才なんていう人種にお会いしたことはありませんが、電波受信人間=天才という構図はいかがなものかと。まぁ、鴉の濡れ羽島は彼女たちにとってアウェーであって、本来の力を発揮する場ではないので、言動だけで判断は出来かねますが。その意味では画家と料理家は本物の天才であったかもしれない。ちなみに占い師は持って生まれた才能であって、それだけで天才扱いはどうかと思います(占い師嫌いな私)。

って、なんだか酷評しておりますが、私はこの『クビキリサイクル』が本当に好きです。ライトノベル調(というかライトノベル?)なので、好き嫌いがはっきりと分かれてしまう一品ですが、好きならとことん好きになれると思います。ただ、終焉間近の戯言はどうかと思いますがね…。次はバイブル2冊目の『サイコロジカル』を読もうかな。

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『月光ゲーム Yの悲劇’88』 有栖川有栖

月光ゲーム―Yの悲劇’88 Book 月光ゲーム―Yの悲劇’88

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

EMC-英都大学推理小説研究会のメンバーが夏合宿に訪れたキャンプ場で噴火が発生。

孤立した大学生たちと、そこで発生する殺人事件。

クローズドサークルで起こった殺人事件を解決するのは、我等が江神二郎。

個人的に有栖川作品のベスト3に入ると思っていた本作…あれ?こんなちゃちぃなトリックだっけ?読んだのなにせ3年ぶりくらいだから。

この作品は有栖川氏渾身のデビュー作。あとがきにこの作品でデビューするまでの苦節と苦労が描かれておりますが、「力のある人はどうやってでも出てくるものですよ」という編集者の方の台詞は真だと思います。力というのは文章力や発想力だけではなくて、「継続は力なり」に言葉通り、努力できるかどうかにかなりの比重がかかっているのだと思います。有栖川氏はまさにその代表的な作家。一作一作丁寧に描かれる本格ミステリというのが、私の有栖川作品に対していつも持つ感想。有栖川氏は本当に本格ミステリが好きなんだなぁ、といつもいつも感じます。

さて、肝心の『月光ゲーム』の中身ですが、非常に気になった点がひとつあります…

呼称は統一できなかったのでしょうか?

この作品には17名の大学生が登場するのですが、それぞれに名字と名前とあだ名があって、その呼称があっちへこっちへと飛び回るものですから、「この場面に登場しているのは誰と誰やねん!」と憤ってしまいます。もうこれはミスディレクションの域だわ。読者に登場キャラクターを誤認させようとしているに違いない…といぶかしんでしまう程、登場人物の把握が難しいです。(お前がしっかり読んでないからだよ!というごもっともなツッコミはスルーで)

学生アリス作品の特徴といえば、謎解き前に挿入される“読者への挑戦”。エラリークイーンがその筋では有名ですが、ここでちょっと頁をめくる手を止めてじっくりと犯人を推理してくださいという、作者と読者の知的ゲーム。私自身は“読者への挑戦”で手を止めたって経験はないのですが(考えていないというわけではありません!読みながらちゃんと考えておりますよ…)この“読者への挑戦”を見るとゾクゾクゾクッとしますね。キターーーー!!!!!って感じ?(笑)

解決は…ちょっと弱いかも。犯人は抜け目なく、事件の中に著名すら遺さなかったなんて信長さんがおっしゃってましたが、そうか?って感じ。ボロボロ証拠品残っているじゃないですか。あとダイイングメッセージもね。○の書きかけといえば書きかけに見えなくもないけれど…って感じね。まぁ。ダイイングメッセージものといえば、どれもこれもそんな感じですけれど。

この学生アリスシリーズは全部で5部作。まだ3作目ね…

たのんます!有栖川先生!!

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2006/06/01

みんなの読書癖●皐月賞編

この“まじょ。のミステリブロ愚”にはACRWEBのページアクセスランキングやtrackwordを設置して、みなさんがどんな目的でこのブロ愚にお越しくださったのかを把握させていただいております。

このランキングを月毎にまとめて、紹介しようという企画(?)がこの“みんなの読書癖”でございます。このブロ愚にはどんな人が来訪してくださっているのか、私以外に興味を覚える人間が果たしているのか大変疑問視されることと思いますが、どうぞお付き合いくださいませ。

●ページアクセスランキング●ベストテンはこちら!

1 名探偵コナン「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」 137
2 『εに誓って』 森博嗣 104
3 ○名探偵コナン 84
4 『陰日向に咲く』 劇団ひとり 78
5 名探偵コナン「コナンVS怪盗キッド」 71
6 ●森博嗣 48
7 『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月 37
7 名探偵コナン「探偵たちの鎮魂歌」 37
9 『六番目の小夜子』 恩田陸 36
10 名探偵コナン「銀翼の奇術師」 33

ほとんどコナンブロ愚といっても差し支えの無いランキングとなっておりますねぇ。

名探偵コナン「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」に至っては月の下旬までトップページよりもアクセス数稼いでましたものね。大健闘なのはやはり『陰日向に咲く』 劇団ひとりでしょうか。私が普段読むようなマニアックなミステリで無い分、広く一般の方に記事を読んでいただけたのではないかと思います。

●trackword●

    1. 名探偵コナン(91)
    2. 怪盗キッド(57)
    3. εに誓って(48)
    4. コナン(47)
    5. 陰日向に咲く(46)
    6. 森博嗣(42)
    7. ぼくのメジャースプーン(24)
    8. 工藤新一(23)
    9. 劇団ひとり(19)
    10. 世紀末の魔術師(18)

ページアクセスランキングと大差ない結果になっておりますね。ここで注目なのが、次点が勝地涼(15)であるということ…すみません、勝地くんファンの皆様。意気揚々とこのブロ愚に乗り込んできても勝地くんなんて名前がちょろりと登場するだけですものね…。またこの記事の勝地涼に反応して来訪してくださる方もきっといらっしゃるに違いない。またまた申し訳ない…。

しっかし、ミステリブロ愚らしからぬ結果でございますね…。もっともっとミステリを布教できるように今月も頑張ります!次回はジューンブライド編でお会いしましょう☆

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