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2006/05/03

『名探偵症候群』 船越百恵

名探偵症候群 Book 名探偵症候群

著者:船越 百恵
販売元:光文社
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悪友の結婚パーティに招待され、四面楚歌の茅乃が採った奥の手とは“エスコートサービス”

派遣されてきた刑部芯は超絶美形であったが、もしかしたら超絶殺人鬼でもあるかもしれない。

嵐の山荘で起こった連続殺人事件。

船越百恵氏は石持浅海氏東川篤哉氏を輩出したKAPPA-ONE登龍門出身のミステリ作家です。私はデビュー作の『眼球蒐集家』は未だ読めていないのですが、本作を読む限り東川篤哉氏の女性版?と思わせる作風でございました。

ユーモア…というか三十路女の自虐ギャグと言いますか。主にそれらで埋め尽くされ、肝心の謎解き部分がおざなりになっているように感じました。いや、謎解きに必要な情報は全て出揃っているのかもしれませんが、如何せん三十路女がゴシップとして仕入れてきた情報を良い様に解釈して、神々しきご信託を待たんばかりの推理方法はどうかと思います。

名探偵が皆を集めて…の場面で多くの?を残して強引に犯人に自白させ、後になってわかった情報を次の章で披露するっていうのはどうでしょうか。不満。

それに、帯に「わたしの彼は、殺人鬼なのでしょうか!?」とでかでかと書いてあるわりに、茅乃が刑部を殺人鬼かもしれないと疑う場面が物語も佳境に差し掛かるまで登場しない。それまでは三十路女の意地っぱり具合ばかりが描かれていて、ちょっと意気消沈。

殺人の起こる舞台と、謎のエスコートサービスという良い素材があるのだから、もうちょっとミステリミステリして欲しかったものです。

ただ、三十路女と謎のエスコートサービスが吊り橋効果であっという間に良い仲になるという安直な結末でなかったっことが救い。そんな結末だったら、読了後本を投げつけてやるところですよ。

蛇足ですが、所用で外出した際にちょっと時間があったのでcafeに入ったのですが、そのcafeの名が「かやの茶屋」でございました。ちょっとした偶然です。

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