« 『三月は深き紅の淵を』 恩田陸 | トップページ | 『図書室の海』 恩田陸 »

2006/05/29

『沈黙者』 折原一

沈黙者 Book 沈黙者

著者:折原 一
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

警察でも裁判所でも、刑務所でも決して自分の身分を明かさない“沈黙者”

2家族6名を惨殺した凶悪殺人事件の真犯人は果たして彼なのだろうか?

折原一氏といえば叙述トリックの名手であり、日本ミステリにおいて折原氏を越える叙述トリックメーカーは居ないと個人的に思っております。ラストに辿り着くのがこれほど楽しみな作家は居ないといっても過言ではないでしょう。そんな叙述トリックへの期待を胸に読み始めました『沈黙者』。

騙されました。

この「騙されました」の用法としては、まんまと叙述トリックにひっかかったという意味ではなく、折原氏の作品にも関わらず叙述トリックを用いた作品では無いという点で騙されたという意味で用いております。

いや、正確に記するならばこの作品は叙述ミステリなのですが、折原氏の実力はこんなものではない!と。この「○○者シリーズ」自体が持ち前の叙述トリックを前面に打ち出した作品ではなく、“読ませるミステリ”として描かれておりますので仕方が無いといえば仕方が無いのですが…。折原氏の作品を読んで着地点がどこかわかってしまうなんて、これほど悲しいことがあろうか、いやない…ってなもんですよ。

この手の“読ませるミステリ”があまり好きではないものですから、どうしても評価は辛め。ここに折原氏独自の味を出していただけたら良かったのですが、味付けも薄味となっておりますのでどうしても不満足。残念。

私みたいなひねくれ者は大人しく「倒錯シリーズ」を読んでうはうは云っているの限りますね。ということで、折原氏入魂の叙述トリックものにどっぷり嵌りたいと心から願うひねくれ者なのでした。

|

« 『三月は深き紅の淵を』 恩田陸 | トップページ | 『図書室の海』 恩田陸 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/1990515

この記事へのトラックバック一覧です: 『沈黙者』 折原一:

« 『三月は深き紅の淵を』 恩田陸 | トップページ | 『図書室の海』 恩田陸 »