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2006/05/24

『さよならの代わりに』 貫井徳郎

さよならの代わりに Book さよならの代わりに

著者:貫井 徳郎
販売元:幻冬舎
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劇団の看板女優が公演中の控え室で殺害された。

事件を予測していたかのような発言を繰り返す少女の登場に僕は惑わされる。

少女が抱える秘密とはなんなのだろうか?

最初はイイッ!と思ったんだけどなぁ。

序盤はグイグイ引き込まれる展開。でも中盤から中弛みし、後半は予定調和に落ち着きました。帯に書かれた“予想外の結末”なんてセリフに年甲斐も無く騙されてしまった私。そうなんだよ、帯に書かれていることなんて、大抵嘘八百なんだよ。

「貫井氏の作品を読んでいる」という先入観から、「絶対なにか仕組んでいる」と身構えてしまったのが敗因でしょう。貫井氏については何度かレビューでも触れているように“大どんでん返しの名手”として認識しております。今回もどれほどのどんでん返しがあるのかと思ったら…。

ミステリとしての決着も妥当なところで、際立った特異点もなく、「ふぅん」といった感じ。貫井氏の読ませたかったのは“さよならの切なさ”なのかもしれませんが、そんな純文学が読みたいんじゃないやい!

ここからネタバレ記事にします。ネタバレ無しで書こうと思っていたのですが、やっぱり書きます。

謎の少女・祐里は未来からタイムスリップしてやってきたという設定です。この設定自体には偽りはないと踏んでいたのですが“予想外の結末”というからにはこの部分に何か仕掛けているのだろうと思っておりました。

例えば、祐里が新條さんの孫という設定がダミーで、実は和希と智美さんの子どもである(祐里と新條さんがそっくりだという設定はどこにいった!)とか、実は殺害された香織さんに刺さっていたナイフは未来から祐里が持ち込んだもので、事件の犯人も祐里である(犯罪者の孫ってことで差別を受けていた娘がそんなことするか!)とか。

でも違ったのですね。(自分で既に反論あげちゃってるじゃないですか!)祐里が未来に戻れなくなった(あるいは死体で戻った)ことにどのような衝撃があったのかが気になるところではありますが。神隠し扱いでしょうか?

既に上記のようなストーリーとは関係ない事柄に興味を持ち始めている時点でOUTって感じでしょうか。序盤のグイグイきてる感じが良かっただけに、ちょっと残念な読了でございました。

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