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2006/05/03

『月読』 太田忠司

月読(つくよみ) Book 月読(つくよみ)

著者:太田 忠司
販売元:文藝春秋
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死者の残した「月導」を読むのが月読の定め。

月読は月導を読むかのごとく起こった殺人事件を読むことができるのだろうか。

そして、失われた自らの過去を取り戻すことはできるのであろうか?

「月導」に「月読」、その設定に萌え。

いやぁ、こういう幻想的な世界観って好きです。死者がこの世に残す「月導」は、最後に強く想っていたことが具現化されたもの。しかし、その「月導」に残された想いを読むことができるのは選ばれし「月読」のみ。しかし、「月読」として生を受けたからといって幸せが待っているわけではなく…。

「月読」として生まれたため家族と引き離されることとなった朔夜と、親族を殺され朔夜のその不思議な力に頼るしかない刑事・河井。そして、自らの未来と出生に悩む若人たち。

口絵のイラストのせいか、皆皆様が美形に変換されて、幻想的な世界に拍車をかけております。

ミステリとしても、すべての事件がしっかりと回収されて、きちんとひとつに繋がっております。これが片手落ちになるようであったら興ざめなのですが、そこは太田氏。かなり厚めの本書ですが、それを感じさせない太田氏特有の作風で、満足のゆく一冊となっております。視点が章毎に入れ替わるのにも違和感を感じさせないので、無理なく読むことが出来ました。

まぁ、なによりもその世界感にうっとりなのですが。

太田氏の作品といえば「狩野俊介シリーズ」や「新宿少年探偵団シリーズ」のような低年齢層が主役のシリーズが有名ですが、本書のような作品を読むと上記のようなシリーズがあるからこそ流れるようなさらっとした作風が描けているのだと感じます。

また「月読」を主人公にした作品が読みたいですね。太田先生、是非シリーズ化をお願いいたします。

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» 導 〜「月読」〜 [サナダ虫 〜解体中〜]
「月読(つくよみ)」(著:太田忠司)を読んだ。 月読・・それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。 宿父を探す月読の青年、従妹を殺され復讐を誓う刑事、中年女性殺しに関わった少年。 彼らの事件が少しずつリンクしていく、幻想ミステリ。 感想。 ①高校生にビールを出すな。 ②高校生にもなって、飯が炊けないのか。 ③刑事の単独行動はやめましょう。 “月読”とは何か、“月導”とは何か、を理解して読んでいけ�... [続きを読む]

受信: 2006/07/04 16:16

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