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2006/05/21

『いつか、ふたりは二匹』 西澤保彦

いつか、ふたりは二匹 Book いつか、ふたりは二匹

著者:西澤 保彦
販売元:講談社
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ぼくは眠っている間だけ、ジェニィになることができるんだ。

今日もぼくはジェニィになってピーターのところでお昼寝をする。

そんな猫と犬の冒険物語。

この話も良かった!

ミステリーランドって本当に粒揃いですよね。設定で遊ぶことができることによって、内容が活きる活きる。この『いつか、ふたりは二匹』も完全に設定の勝利です。どうしてぼくがジェニィになることができるのか…なんて野暮なことを聞いてはいけません。いきなりジェニィなぼくのシーンから始まるので、違和感もかなり解消されているし。

小学校6年生のぼくも周りから“トモジイ(爺)”なんて呼ばれるおませさんという設定で、両親の不在がそのおませさんに説得力を持たせております。ニュースくらいしかテレビは観ないなんて小学生、なかなか居ないと思うぞ。

さて、この『いつか、ふたりは二匹』はジェニィとピーターの友情物語であり、しっかりとした作りのミステリでもあります。ミステリーランドの中でも1・2を争う出来ではないでしょうか。ジェニィとして見聞きしたことをうまくつなぎ合わせて、起こっている小学生連続誘拐未遂事件の真相を看破する。この看破までの流れが非常にスムーズ。ジェニィとしてのぼくを肯定さえしてしまえば、違和感無く読み進めることができます。秀逸。

残る謎はピーターなのですが…それは読んでからのお楽しみ。でも、ピーターについてはちょっと想像を働かせるだけで容易に看破できます。看破してからのピーターはとても愛らしく感じますよ。あぁ、ちゃんと愛しているんだなぁと。

良い作品を読んだときはネタバレせずにオススメする。これ基本。ということで、是非お読みください。

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コメント

『ミステリーランド』の中でも、後味の良さはかなり上だと思います。西澤さんにはラストでずっこけされらる事もあるんですけど、この作品は持ち味が十分に発揮させられたいい作品だと思います。
トラックバックさせて頂きます。

投稿: たいりょう | 2006/05/22 09:46

はじめて子供に読ませたいミステリーランドですね
そんな特別なお話じゃないんだけど、とってもいいですね〜 トモジイもキャラもかわいいし イラストも一番好きでした

投稿: きりり | 2007/03/23 22:02

☆きりりさん☆
>はじめて子供に読ませたいミステリーランドですね
に爆笑させていただきました!!
『神様ゲーム』を筆頭に、ミステリーランドは後味悪い作品多いですからね!かつて少年少女だった私たちの為のランドになりつつありますよね…。
作者の力量…というか児童文学の難しさ。ミステリーランドで子どもたちがミステリ嫌いになりませんように。

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/03/24 12:58

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{{{ 菅野智己は母が再婚した四年生の頃、突続、眠りに就くことで猫の身体に乗り移れるという不思議な能力を持った。身体を借りている猫にジェニイという名前をつけ、巨大なセントバーナード犬のピーターと友達になった智己が六年生のとき、クラスメイトを含め三人の女子児童が襲撃されるという事件が発生し、一人が重態に。昨年秋に、同じく町内で起きた女子児童誘拐未遂事件の犯人と同一人物の仕業のようだ。被害者の共通点は、智己の義理の姉久美子さんが家庭教師だということ!智己はジェニイになって、ピーターとともに事件を調..... [続きを読む]

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