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2006/03/21

『切れない糸』 坂木司

切れない糸 Book 切れない糸

著者:坂木 司
販売元:東京創元社
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アライクリーニング店に持ち込まれる数々の謎。

町の生物委員と魔法の言葉を紡ぐ二人がその謎に挑む。

ひきこもり探偵を完結させた坂木司待望の新シリーズ。

ひきこもり探偵シリーズ完結から間を措かずに挑戦してみした新シリーズ。

坂木氏お得意(?)のほんわかした雰囲気の中で展開される生活のちょっとした謎。今回はそのちょっとした謎を町の生物委員であり、アライクリーニングの跡取り息子の新井くんが拾ってきます。

この『切れない糸』を読んで、職人っていうのは本当に良いなぁと感じました。「別にその業界で一番じゃなくても、経験と知識があって、自分の判断で動くことの人材が各店にいる。それって、実は結構贅沢な状態だぜ。」という台詞があります。納得。

現在自分の判断で動くことのできる人間って少ないと思うのですよ。会社勤めならなおさら。上司にほう・れん・そうして、上司の判断さえ仰いでいればもしなにか問題が起きても自分の責任にはならなくて。めんどくさくても、結局は自分の責任をどれだけ軽くするかに夢中。「自分で自分を守るんだ」なんて言われますが、それってただの責任転嫁でカッコ悪いったらありゃしない。

だからこそ自分で考えて、自分で責任を取る。そういった職人気質の仕事に憧れるのです。皆、自分の仕事が好きで、自信を持つことができたら、きっと社会は上手に回ってゆくのに。商店街は理想の社会のミニ模型なのかもしれません。

さて、今回の探偵役は魔法の言葉を紡ぐ沢田くん。沢田くんは人からの相談には親身になって受けるけれど、決して自分から心を開くことのない人物。そういった人間関係を作ることで安心している人物といえるでしょうか。

前作ほど困っちゃった感はありませんが、困っちゃった人であるのは確か。そこで町の生物委員の登場というわけです。生来のお人良しである町の生物委員は、果たして困っちゃった生物達をその天然で救うことができるのか。

現在魔法使い(もう省略)が旅に出ておりますので、シリーズ次回作はいつのなるのやら。楽しみにしております。また職人技が見たいのさ!

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