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2006/03/12

『さよなら妖精』 米澤穂信

さよなら妖精 Book さよなら妖精

著者:米澤 穂信
販売元:東京創元社
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ユーゴスラヴィアからやってきた少女・マーヤ。

マーヤと過ごした時間が思い出深ければ深いほど、ある想いが彼らに襲い掛かる。

マーヤ、君はいまどこにいるのか?

米澤氏の作品で出版されているものはこの作品ですべて読んだことになりますが、この『さよなら妖精』が一番苦手です。初めて×をつけなくてはならないかも。

まず、この作品をミステリであるという認識で読み始めたのが失敗。確かにミステリ的要素も兼ね揃えているのだけれど、米澤氏が読ませたかったのはきっとそこではないのだろうな、と。

そうなると、文学的な方向からのレビューをしなくてなはらないんだけれど…苦手なんです文学が。

難しい主題を扱っているわりに、さらっと読ませるあたりがさずが米澤氏!といった感じですが、さらっと描き過ぎてテーマの重さが分散してしまった感じ。マーヤとの心の触れ合いを通して異文化コミュニケーションや、若者の心の葛藤を描きたかったのだと推測しますが、それだと肝心なところでミステリ要素が邪魔を入れている感じ。

うまく表現できないのですが、私の好みにはちょっと合わなかったです。残念。

ただ、当時のユーゴのことに興味を覚えたことは確かです。基本的に私は作中の文原の考え方に近いのですが。「自分の手の届く範囲の外に関わるのは嘘だと思っているんだ」というコレです。嘘だと思っていても、知りたいという欲求。これは安全な場所でぬくぬくと過ごしている人間のエゴでしかないのですが。

そう判っていても、欲求を抑えられないのが人間。駄目な人間ですね、全く。

☆追記☆本日、旧ユーゴ・ミロシェビッチ元大統領死去のニュースが。なんてタイムリーなニュースなのでしょうか。

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