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2006/03/19

『動物園の鳥』 坂木司

動物園の鳥 Book 動物園の鳥

著者:坂木 司
販売元:東京創元社
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動物園に紛れ込む野良猫にいたずらをする犯人は誰なのか?

ひきこもり探偵初めての長編にして、シリーズ最終巻。

鳥井は果たして檻から飛び立つことはできるのか?

なぜかアフィリが報奨対象外で挿入できない。残念。現在、坂木司フェアを開催中でございます。

ページを開いて目次を確認し、長編であることにびっくり。ひきこもり探偵シリーズの良さは、短編集でありながら連作であり、一冊の本として完結していることだと思っていたので。

内容としては短編の謎を長編用に引き伸ばした感が否めませんが、シリーズ最終巻として登場人物の内面を深く掘り下げているため、なんとか長編としての体裁を整えている感じ。

今回は鳥井がひきこもりになる契機となった中学時代のいじめを隠し(?)テーマに持ってきているのですが、個人的にはもっと加害者を非難して欲しかった。だって、救えないじゃないですか奴は。苛々するんですよ、彼の話を聞いていると。ただ、こういった本を読んで苛々してしまうということは、自分の中にもそういう意見を持った人格がいるということなんですよね。ぎくり。

残念だったのは、鳥井のお母さんについてもうちょっと掘り下げることなくシリーズが終了してしまったこと。一応この最終巻で、鳥井はひきこもりから飛び立つ第一歩を踏み出したわけですが、本当の解決には彼のお母さんについてのトラウマを克服する必要があると思うのですよ。

そこまで期待するのは鳥井にとっても酷というものですかね?

人間は表には出さずとも必ず辛い思いを抱えているものですが、このシリーズに登場する人たちは鳥井や坂木に出会って、その悩みを良い方向のベクトルに変えておりますね。ひきこもりという負のベクトルを持つ鳥井が、どうして彼らに光を射すことができるのか。興味深いテーマですよね。

この『動物園の鳥』で最終巻と言わず、これからもまだまだ書き続けて欲しいものです。また彼らの登場があることを祈って。

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