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2006/03/07

『ルパンの消息』 横山秀夫

ルパンの消息 Book ルパンの消息

著者:横山 秀夫
販売元:光文社
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15年前に自殺と処理された女性教師の墜落死は実は殺人事件だった…。

時効寸前にタレ込まれた極秘情報から、3人の高校生が決行したルパン計画へと物語は迫ってゆく。

墜落死は本当に殺人事件だったのか。

そして、その犯人は一体誰なのか?

横山秀夫氏は社会派ミステリの旗手であり、社会派ミステリは私の苦手とするジャンル。楽しめるかどうか不安の読み始めでしたが、一気に引き込まれてしまいました。

この作品は社会派ミステリというよりも、どちらかと言えば本格ミステリ寄り。私の中の社会派ミステリのイメージはミステリと銘打ってはいても、謎の全く登場しない、人間が犯す犯罪に内面からスポットを当てるというもの。桐野夏生氏の『OUT』とか?

それが、どうですか。この『ルパンの消息』はしっかりとラストまで謎を残しつつ、逆転劇までやってのける。いいですねぇ。

この作品は横山氏の幻の処女作とのことですので、現在の横山氏の作品とは系統が大きく異なっているのではないかと想像しますが(横山氏の他の社会派ミステリは読んだことが無いのです…。オススメはなんですか?)このテイストの作品なら、もっと読んでみたいと感じました。

さて、肝心の内容。

果たしてこれだけの内容が時効目前の一日に凝縮できるのか!というほど、盛り沢山に描かれていて、読者を飽きさせません。

15年前の回想と現在の事件の進行がうまい具合に交じり合って、よくぞここでその情報を明かしてくれた!と思わず膝を打ってしまいます。

そして、スパイスとして描かれるかの有名な3億円事件。

この3億円事件がこれまたいい味付けをしてくれるのです。いつの間にか、主役の食材を食っちゃったりして。

とにかく、描かれるすべてが絶妙に絡み合って、最高の一品に仕上がっております。是非、ご賞味ください。

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