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2006/02/19

『ニッポン硬貨の謎』 北村薫

ニッポン硬貨の謎 Book ニッポン硬貨の謎

著者:北村 薫
販売元:東京創元社
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北村薫がエラリー・クイーンの幻の遺稿を翻訳。

エラリー・クイーンが来日時に遭遇した2つの事件とは?

「このミス2006」においてバカミス大賞を受賞した本作。

作中の注釈やハヤカワミステリの装丁にぐっときます。

本の厚さの割りに行間が広くとられているので、実際の事件は非常にコンパクト。ただ、内容は熱い!北村薫氏のエラリー・クイーンへの愛が所狭しと描かれております。

私がエラリー・クイーンを読み漁ったのは高校生の頃なので、作中の『シャム双子』論について芯から理解することが出来なかったのですが、その内容が非常に面白い。シリーズミステリについては作中の謎だけでなく、シリーズであることを活かした謎というのがあるとまた良いですね。

「後期クイーン論争」という問題がよく本格ミステリの中で取り沙汰されます。私もその骨子の部分しか理解しておりませんので、その内容を記述することは避けますが、ミステリはこういった読み方があるのかと読み始めだったころに驚いた記憶があります。

私にとってミステリはエンターテイメントであって、そこまで深く読み込むものではなかったのですね。今だって数はこなしておりますが、そこまで深く読み込めているかというと否。ただ、そういったミステリ理論を面白いと感じることができるようになりました。

また今回非常に興味深かったのが、北村薫氏がこういった形で「五十円玉二十枚の謎」にひとつの解答を寄せてくださったこと。

アンソロジー『五十円玉二十枚の謎』において、法月綸太郎氏の解答「土曜日の本」が私のお気に入りなのですが、あの北村氏がアンソロジー発刊から10年以上経ってついにひとつの解答をここに提示してくださいました(アンソロジーを読んだことがある方なら、この記述ににやっとしてくださるはず)。

この「五十円玉~」の謎はミステリマニアの方には有名な逸話のひとつですので、興味を持った方は是非アンソロジーを手にとってみてください。

競作五十円玉二十枚の謎 Book 競作五十円玉二十枚の謎

著者:若竹 七海,依井 貴裕,有栖川 有栖,笠原 卓,法月 綸太郎
販売元:東京創元社
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とにかくミステリ好きにはたまらない二冊。是非お読みください。

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