2018/01/03

『ドローン探偵と世界の終わりの館』 早坂吝

ドローンという最先端の技術をうまく使った意欲作ですが、バカミス感が抜けないのは何故だろう。

作者が読ませたかったトリックの部分にはまったく思い至りませんでした。トリッキーですが解説されてみれば確かに、と頷ける内容。あんなにクリアに会話できる?と思いましたがノブレス・オブリージュで最先端のものが用意されているのでしょう。

冒頭の利き手に関する記述に違和感があり、これが犯人特定に一役買うんだろうな…と察することができたので犯人は事件が起こる前からわかってしまい残念です。

北欧神話が物語に絡んできたりするのは好きです。ですが今回登場する7人の学生、ドローン探偵も含めて誰ひとりとして好感を持てませんでした。玲亜と零の関係に至っては…あまり良い言葉が並びそうにないので自粛。

尚、早坂吝の代名詞であるエロは今回ないです。

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2017/12/22

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』

タイトルまま、新本格を牽引してきた7人の作家によるアンソロジーです。表紙の7人のイラストがらしくって嬉しくなっちゃいますね。でも、中身はもっとらしいんですよ。

個人的ベストは我孫子武丸の「プロジェクト:シャーロック」。割と本気でこんな未来あるかも!と思いました。

メルカトル、作家アリス、法月綸太郎の新作が読めるのはただただ嬉しいです。どの作品も短編にも関わらずいろいろと捏ねくり回していて、ああ新本格…!と噛みしめて読みました。

そしてラストの綾辻。ファンサービスな1作ですが有栖川と麻耶の扱いの差がw 完全なるフィクションだとツイートされていますが、ミス研周辺の力関係ややりとりはリアルなんでしょうね。ってことはやっぱり麻耶がwww

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2017/11/03

『二重螺旋の誘拐』 喜多喜久


読了から10日以上経っているので忘れかけている部分もありますが。タイトルの通り誘拐モノです。警察は出てきません。

(ここからネタバレします)叙述トリックがふたつ仕掛けられています。ふたつの誘拐が起こった日付とマナちゃんの存在。このどちらについてもトリックが登場した瞬間に「ああ、こういう趣向か」とわかってしまったのはなぜだろう。あからさま過ぎたわけでもないと思ったのですが。叙述が出てくるたびにニヤニヤしながら読むのは好きです。でも最後に世界をひっくり返されるのはもっと好き。

(本物の)マナちゃん誘拐事件の犯人が妻であることが判明したところがピークだったと思います。父親との確執とか暗躍とかはやや微妙かな。

文庫版の表紙はハードカバーより犯罪のニオイがしますね(笑)

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2017/10/08

『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』 藤木稟

奇跡調査官シリーズ第4弾。まさかのオチ。真面目に読んでいたら壁本ですが、第4弾まで読んできた読者なら余裕で楽しめると思います(褒めてる)

(ここからネタバレします)どんなに優秀な催眠術グループでも何年もの間、数百人もの人間に催眠術をかけて誰にもバレないというのはあり得ないと思うのですが、そこを突っ込むのは野暮というもの。そこをまるっと呑んだ上でこの作品をレビューするなら、平賀とロベルトが時間を盗まれている描写をもっと読者に提示しれくれたらミステリ度が上がって嬉しいですね。ヒントになりそうなのはロベルトのガブリエルくらいでしたので。もう少しあって良いと思います。

ロベルトは信仰心が薄い(本人談)ので奇跡認定に精神的な障害があるという件はとても良かったと思います。その障害を乗り越えるのが平賀の生還というのも筋道として受け入れやすかったですね。

第5弾はどんな荒唐無稽な物語なのか。今からとても楽しみです。

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2017/10/01

『鬼畜の家』 深木章子

保険金詐欺を繰り返す鬼畜な母親とその家族を追いかけるミステリ。

関係者へのインタビュー形式で物語が進み、徐々に真実が明らかになる仕組み。改めて考えるとインタビューが時系列だったのでとても読みやすかった。(ここからネタバレします)利き手の伏線には気付いたが、そこから発想を転換するに至らず正体は読み切れませんでした。おかしなところは確かにあったのです。父親の殺害に関与したにも関わらず壊れなかった姉(確かに壊れてはいたのですが)。いくら優秀な姉が教えてたとは言え、やはり社会に慣れるに早すぎる妹。

そして多田母へのインタビュー。あれを看破するのは無理なのかな。敢えて挙げるなら冒頭に榊原の名前が出ていない点だと思うのですが、あれだけで別人を疑えというのは無理な話でしょうか。

細やかな伏線が気持ちの良い作品。読了感もタイトルほどには悪くない。読みやすく、おもしろい一冊でした。

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