2017/02/17

『人質』 佐々木譲

道警シリーズ第6弾。人質立てこもり事件が発生。

今回は全員がいぶし銀の活躍で少し派手さに欠けるのが残念。人質として囚われた百合の大活躍が読みたかった。(ここからネタバレします)主犯と従犯の関係を見抜き、真の人質と狙いを読み解いたわけですが、読者はそれを疾うに知っているので少しつまらなく感じてしまうのが残念でした。

それにしても人質になった男性、要求を突き付けられた父親、彼らが総じてダメダメで少し笑ってしまいました。

ラスト、ブラックバードで肩を並べて座るふたりに嫉妬した佐伯が可愛らしかったですね。

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2017/02/08

『敗者の嘘 アナザーフェイス2』 堂場瞬一

『アナザーフェイス』シリーズ第2弾。

容疑者の自殺、犯人とは思えない女弁護士の自首、拉致とてんこもりな1冊。そして(ここからネタバレします)結果的に警察内部の不正を暴くことになるのですが、その内容が黒い。黒すぎる。警察小説においてこの手のテーマはよくありますが、ここまで組織的であくどいのはなかなか読めません。だって警察が指示して女性を拉致(死亡もあり得た)ですよ。

結局、自殺した容疑者が真犯人だったので真面目に…とは言いません、きっと真面目に捜査していただろうから。なので、正しく捜査に当たれば真犯人に辿り着けたのに。残念です。

本作では柴にプラスして大友に心強い仲間が。例の新聞記者も出てきましたね。おそらくレギュラー化していると思うので、シリーズ続刊を読むのがいまから楽しみです。

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2017/02/01

『アナザーフェイス』 堂場瞬一

アナザーフェイスシリーズ第1弾。人の心に入り込むのがうまい、シングルファザー刑事が主人公。ドラマ化済みのようですが見ていないので脳内変換は西島秀俊でした。

事件は誘拐。誘拐ものは大好きです。個人的に後味が悪いのが好きなのですが、この作品はなかなかです。(ここからネタバレします)被害者少年の父親が筋書きを書いた言わば黒幕だったわけですが、大友の言うとおり本当の(血の繋がり云々ではなく心の繋がった)親子であれば息子を誘拐事件の道具にするなんて発想、絶対に出てきません。切羽詰まった状況でも、頭がそれしかないと思っても、怪我などしないと確約があっても、どうしたって決断できません。作中で父親が家族のためだと言い訳していましたが、言い訳にもなっていません。そもそも1社だけ融資を返してどうなるものでもないと思うんですよね。何度誘拐を起こすつもりだったのでしょう。

個人的には生意気な女記者がもう少し絡んでくるかと思ったんですが、シリーズ続刊で再登場したり、再婚相手候補になったりするんでしょうか。消極的な期待を寄せておきます。

すらすら読めておもしろかったです。地道な捜査が光る警察小説らしさと、大胆な真相が両立した1冊でした。

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2017/01/18

『密売人』 佐々木譲

道警シリーズ第5弾。

バラバラに思われた函館、釧路、小樽の事件のミッシングリンクからある男の密売を暴きだす1冊。グラックバードで行われる佐伯班の捜査会議がとても嬉しい。

(ここからネタバレします)米本親子を無事保護できるかよりも警察内部の裏切り者を見つけ出す展開にワクワクしました。今回のMVPは退職刑事たちですよね。津久井の言う「ええ。あのひとは、警官です」に相応しい男たちでした。そしてシガー・バーでのやりとり。三者三様の落としのテクニックと佐伯の意趣返し。とても良いシーンでした。

道警の腫れもの扱いだった4人がぞれぞれ新しいステージに進みそうなラスト。でも、彼らの根っこは佐伯班にあると確信しております。

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2017/01/14

『巡査の休日』 佐々木譲

道警シリーズ第4弾。

道警が特に忙しくなるよさこいの時期に重なるように発生したストーカー、白骨死体発見、連続ひったくり事件。それぞれの刑事が地道に、真面目に事件を追いかけることで最後にはしっかり片付く達成感のある読了。

やはり佐伯班の「チーム」としての活躍が読みたい気持ちがあるのだけれど、たまにはこうしてそれぞれが刑事としての力を底上げするかのような作品があっても良いのかも。ラスト、休日を謳歌する刑事…巡査たちの清々しいことったら。

しばらく読んでいないうちに道警シリーズも第7弾まで発売されているので追いかけたいと思います。小島のウェディングリストの最後の方に回された佐伯との関係も気になる。

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