2018/06/23

『魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2』 河野裕

サクラダリセットシリーズ第2弾。タイトルの通り魔女と岡絵里の物語です。

岡絵里が憧れた悪くて強い浅井ケイはただの中二病だと思うのですが()アニメではセリフでのやりとりが多くぼんやりとしていた過去がより鮮明に描かれていて、いまさらながらすとんと腑に落ちました。

とりあえず村瀬さん万能。

これまで名前を呼んではならないあの人みたいな扱いだった菫の名と、スワンプマンという重要な要素が出てきましたね。あれも伏線、これも伏線、本当に読んでいてワクワクします。表紙の菫とケイも良いですね。作中の写真がどんな1枚なのか、イメージが膨らむ良い表紙です。

アニメと原作では物語の進行が異なっているのですが(アニメは完全時系列になっている)個人的には原作の「菫ってどんな女の子なのだろう?」を膨らませて膨らませて過去に戻る手法が好きです。

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2018/06/18

『マスカレード・ナイト』 東野圭吾

『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イヴ』に続くマスカレードシリーズ第3弾。『ホテル』の映画化も決まりシリーズがどんどん進むかと思いましたが、本作ラストの展開は雲行き怪しいですね。

ホテル・コルテシアで行われるマスカレードナイト(仮装パーティ)に殺人事件の犯人が訪れるとの密告状が。再びホテルスタッフに化ける警察の面々。果たして犯人は誰なのか。密告者の真意は?という探偵小説のような作品。

警察の捜査よりも尚美(コンシェルジュ)の元に舞い込む無茶な依頼の方が気になるのは『ホテル』から変わらずです。こんなめちゃくちゃな要求をしてくる客いないでしょ……とは思いますが、事実は小説より奇なりですからね。

犯人の○○トリックについては読者は自分の目で確認することができないので保留で。それにしても○○○○○○○○作戦に巻き込まれたときはびっくりしただろうなあ。それを利用して自分の立場(嘘)を固めたのはお見事でした。

個人的には氏原さんが嫌な人すぎて絶対に事件に絡んでくる(自分の職場で犯行に及ぼうとしている)のかと思ったのですが、頭が固いだけで普通によい人でした。

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2018/06/04

『猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1』 河野裕

サクラダリセットシリーズ第1弾。

アニメ全話視聴済みです。アニメは前半(1クール目)は本当に観るのがつらくて何度切ろうかと考えましたが、すべてが繋がっていく16話以降の展開が最高で1週間が本当に楽しみでした。それまでの15話を信じて観てきて良かったと心から思いましたね。そんなわけで、苦しみの先に最高の結末が待っているサクラダリセットです。

この1作だけでも伏線が綺麗に回収される爽快感はきちんと味わえます。交通事故に遭った猫を助けたいという依頼。その依頼に隠された意図、思惑。時間を巻き戻すリセットを使ったことで変わってしまった世界。誰のどんな行動で世界は変わったのか。分かりづらいところもありますが、しっかり読めば大丈夫。逆に言うとしっかり読まないと最後まで???かも。

このサクラダリセットシリーズの素晴らしいところは、この1作目からシリーズ通しての伏線が張られているところ。すべての登場人物に意味があるし、すべての能力に意味がある。シリーズをどこに着地させるか、しっかり計算されて書かれている1作目はとても安心感があります。リアルタイムで読んでいた人は思わせぶりすぎてイライラしたかもしれませんが。まさにアニメ15話まで。そんなところまで再現してくれていたなんて。

尚、脳内cvはすべてアニメに準拠。とても合っていたと思います。

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2018/06/02

『掟上今日子の推薦文』 西尾維新

忘却探偵シリーズ第2弾。今回は額縁匠の老人・和久井翁を中心とした3編を収録。

驚いたのは今日子さんのパートナーが厄介さんじゃないこと。ドラマによる叙述トリック。親切さんも厄介さんに負けず劣らず良い人ですが、ドラマから入った私はやはり厄介さん推し。

今回はタイトルの回収が秀逸ですね。もっとも信頼のおける人物からの推薦文。あれを聞かされて断れる人間はいないはず。個人的には「推定する今日子さん」で和久井翁が親切さんを警備担当に選んだ理由にもグッときましたが。

ちなみに原作とドラマでは事件の結末(犯人)が異なっていますが、私は原作の方がシンプルで好きです。ドラマは少しお涙ちょうだい風だったので。

最後に本作で明かされた今日子さんの過去に繋がるヒント。
・剥井くん(天才)が見抜いた今日子さんの正体は白い猫
猫と言えば某シリーズの某キャラクタを思い出さずにはおれませんねえ。

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2018/05/25

『真実の10メートル手前』 米澤穂信

『さよなら妖精』に登場した太刀洗万里が主役の短編集。『王とサーカス』未読ですが、どちらから先に読んでも平気とのことで読んでみました。記者という立場から真摯に、それでいて独特なアプローチで事件に切り込んでいく様は好感が持てました。なにより読みやすい。

個人的ベストは「ナイフを失われた思い出の中に」でしょうか。公開された手記から読み取れる情報量がすごい。冷静な文章に見え隠れする少年の葛藤、揺れ動く心模様が素晴らしいです。

次点は「正義感」でしょうか。あの一言は犯人はもちろん、読者にとっても衝撃でした。

本当にどれもおもしろい。『王とサーカス』を読むのがより楽しみになりました。

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